ココアと柴犬と、時々わさび
家からのんびり歩いて15分くらいの場所にあるカフェで
いつもはカフェラテなのになんとなくココアを飲んでいる今日この頃。
今わたしの目の前に柴犬がいる。
黒のコーデでシックにまとめている洒落た男女が
なにやらスマートフォンを眺めながら談笑するすぐ側で
柴犬がなんとも言えぬ表情でこちらをみている。
もう何度も素朴なおめめと目が合っている。(私が何度も熱烈な視線を送っているという説もある)
ちょっと今日は落ち込む事があったが
犬を眺めているだけで、こう、心があらわれる。
そうか今の私に必要だったのはこれか。
目も鼻もおしりもあんよも全部かわいいな、まったく。
かわいくてけしからんな。
私が勝手に癒やされていると
洒落た男女が荷物をまとめ席をたった。
ささやかな癒やしの時間が終わっってしまう、、、。
柴犬にむかって「ばいばい」と言い残し
その男女はカフェを出ていく。その声に反応し立ち上がる柴犬。
向かいの席でヘッドフォンをつけPCに熱中していた
スキンヘッドのクールな外国人男性が突然声を発した。
「わさび、こっちおいで」
ほほう、あなたのお連れ様でしたか。
名前はなんて?わさび??かわいいじゃないのまったく。
飼い主感を一切出さずクールに振る舞っていながら
突然優しい声で「わさび」だなんてまったくけしからん、最高か。
私の感情が勝手に大暴れしている中
その柴犬はまた、私の事をちらっと見ては目をそらし
ゆっくり腰をおろすと
窓の外をじっと眺め始めた。
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