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NANTEN

Mochian Okamoto
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「赤い木の実」    
       竹久 夢二
 
雪のふる日に小兎は
あかい木の実がたべたさに
親のねたまに山をいで
城の門まできはきたが
あかい木の実はみえもせず
路はわからず日はくれる
ながい廊下の窓のした
なにやら赤いものがある
そつとしのむできてみれば
二の姫君のかんざしの
珊瑚の珠のはづかしく
たべてよいやらわるいやら
兎はかなしくなりました。

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