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キラキラだった彼女たち

ネットワークビジネスが盛り上がっていた頃、私の知人の中にもブームに乗ってキラキラ女子全開になっていた子たちがいた。

ハイブランドバッグを片手に
合言葉は「楽しむ!」

ニコニコ笑いながら新しく加入した子にカードローンを促し、初期投資だか何だかの名目で早速引き出してもらったローンの満額を幹部と呼ばれる人たちが何食わぬ顔で数えて自分のハンドバッグにそのままズボッと突っ込んだ。

たまたまちょっと遊びにおいでよと声をかけられ(勧誘)、心配で様子を見に行ったらそんなシーンに出くわした。

ちなみにその会社は後に倒産した。

あの札束をハンドバッグに突っ込んでいた幹部も、私の知人も、権利収入のパーセンテージ獲得のためにかなりの金額を借金してまで注ぎ込んでいた。

SNSで知人たちが元仲間と集まりボロボロの姿で無理やり大きく口を開けて笑った写真に胸が傷くなった。

別の知人は業界の中でもビックネームのネットワークビジネスに参入しており、その中でも大きい派閥のチームの傘下に加わったのかクルージングを楽しむ様子を見かけたことがある。

その子は家庭環境に強烈なコンプレックスを抱いていた。
シャンパン片手にドレスアップしている姿を見て、彼女の成功を願った。 

彼女に関しては上手く行ったかどうかは分からない。その後を追うつもりも無い。


ネットワークビジネスの世界は夜のイカ釣り漁に似てると思っていた。

暗闇でキラキラ輝く明かりに吸い寄せられて自ら漁船に近づくイカのように、眩い世界に純粋な憧れを持って近づいてきた子たちの心をパッと掴む。

そして理解が追いつかぬまま捌かれて切り身にされるかのように、自分のお金も交友関係も切り離され食べられてしまっている。

削ぎ落とせる身もついていない子たちには見向きもせず、再び新しいイカを求めて漁に出る。

漁師の私腹を肥やす一時の財源になるか、イカから漁師に転生してイカを捕る側になるか。

友達はお金じゃ買えない。
家族もお金と等価交換なんて出来ない。


取り返しのつかない円と縁なら
どうか見失わないでほしい。


彼女たちの今、そして未来が
どうか優しく温かな光に包まれていますように。

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