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ふわり ふわり

このあいだ、散歩中にふわりふわりと何かが横切った。
一瞬何かわからなくて思わず立ち止まり、
「ああ、たんぽぽの綿毛か」
と納得してまた歩き出す。

たんぽぽの綿毛って、風に乗って飛ぶものなんだなあ

なんて当たり前のことを改めて実感する。
子どもの頃はきっと当たり前に身近にあった光景。

そういえばその数日前に綿毛を握りしめた小さな男の子を見かけたな。
しゃがみ込んでたんぽぽと向き合っていた彼はお兄ちゃんらしき自転車に乗った男の子に「もう帰るぞ!」と大声で呼ばれて、慌てて走ってその背を追いかけて行った。

宝物を探すようにたんぽぽとともにあった男の子。
あの子があの子まま、その心のまま大きくなって欲しいなとその背に願いをかけた。

あの子の手から飛び立った綿毛も、いつかどこかで花開くだろう。
踏まれても、どんな隙間でも顔を上げる、そんな強さをもって。

えりぴ

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