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鉄道施設等検査規則

今回は鉄道施設等検査規則について学びます。

短い規則で各条文ごとに内容がまとまっているので、逐条解説とします。

◆第1条 趣旨

鉄道事業法の

  • 10条1項

  • 11条1項

  • 12条3項

  • 34条の2 1項

の規定による検査は、鉄道事業法に定めるもののほか、この省令で定められます。上記規定による検査とは、国土交通大臣による鉄道施設の検査です。

◆第2条 用語

本省令で使用する用語は鉄道事業法または「鉄道事業法施行規則」に記載されている用語の例によるものです。

◆第3条 鉄道施設検査の対象及び時期

ここで言う鉄道施設検査は、鉄道事業法の下記条文に規定されているものです。

  • 10条 1項 鉄道施設の工事の完成検査

  • 11条 1項 工事を必要としない鉄道施設の検査

  • 12条 3項 鉄道施設変更工事の完成検査

鉄道施設検査の対象と時期は

  • 変電所等設備(受電用変圧器・鉄道専用敷地外の開閉所を除く):使用開始時

  • 電路設備(鉄道専用敷地外の送電線路を除く):使用開始時

  • 上記以外:事業の用に供するとき

記憶に新しいのは相鉄・東急新横浜線でしょうか。ニュースによれば
20230120 検査申請
20230130~0203・0220~0221 検査
20230221 合格書交付
というスケジュールだそうです。当然申請のずっと前から調整していたと思いますが、結構スピーディーなんですね。もはや合格書は即日交付です。

◆第4条 鉄道施設検査の申請

鉄道施設検査を受けるためには、下記事項を記載した鉄道施設検査申請書を国土交通大臣に提出する必要があります。

  • 氏名/名称と住所

  • 検査を受ける鉄道施設

  • 工事の完成予定年月日(工事を必要としない場合は不要)

  • 検査を受ける希望年月日

  • 変電所等設備、電路設備の場合は使用開始予定年月日

  • 変電所等設備、電路設備以外の場合は事業の用に供する予定年月日

ただし認定鉄道事業者制度を利用した簡略化された手続きの場合には、下記の書類を添付する必要があります。

  • 構造一般図

  • 機械器具配置図/電線路構造図

◆第5条 鉄道施設検査の準備

鉄道事業者は、鉄道施設検査の申請をしたら、国土交通大臣の指示に従って検査の準備をしなければなりません。

◆第6条 鉄道施設検査の方法

国土交通大臣は検査申請書を受理したときには、実地で検査をする必要があります。

◆第7条 検査を必要とする鉄道施設の変更

鉄道事業法第12条3項では、鉄道施設検査を合格した施設のうち、国土交通省令で定める”設備の変更”については、変更後に検査が必要であるとされています。ここで言う国土交通省令で定める設備の変更は下記のとおりです。

【鉄道施設の変更】

  • 鉄道の種類の変更
    鉄道の種類とは、鉄道事業法施行規則4条で規定されるもの(普通鉄道・新幹線・・・など)です。

  • 停車場間にわたる本線の増設

  • 電気方式、電車線の標準電圧の変更
    電気方式とは直流・交流のことです。

  • 軌間の変更

  • 1km以上にわたる軌道中心線変更

  • 本線の高架化/地下化

  • 支間40m以上の橋梁の新設、構造形式/材質の変更
    支間は橋梁の支点間の長さ、構造形式/材質とは鋼構造/コンクリート構造などのことです。

  • 長さ200m以上のトンネルの新設、種類/材質の変更

  • 国土交通大臣が告示で定める一定数以上の利用者の駅の新設、移設、プラットホームの新設、火災対策設備の新設
    火災対策設備とは、放送装置・非常電話などです。

【信号保安設備の変更】

  • 閉そく方式の変更に伴う閉そく装置の変更(タブレット閉塞以外)

  • 第一種連動装置の新設

  • 列車集中制御装置の新設、制御方式の変更

  • 自動列車停止装置、自動列車制御装置、自動列車運転装置の新設、種類の変更

【変電所等設備の変更】

  • 変電所の新設

  • 整流器、回転変流器、発電機、原動機、その他類する機器の新設、機器の種類・個数・容量の変更

  • 主変圧器の新設、機器の種類・個数・容量の変更

  • 遠隔制御装置の新設、制御装置の変更

【電路設備等の変更】

  • 送配電線路の新設(1万V以上・こう長1km以上)

  • き電線路/電車線路の新設(1万V以上・こう長1km以上)

  • 送電線路の回線数の増加(1万V以上)

  • き電線路のき電方式の変更

◆第8条 索道施設検査の対象及び時期

鉄道事業法

  • 34条の2 1項

  • 38条

において準用する索道施設検査は、下記の時期までに受ける必要があります。

  • 変電所、配電所、配電線路、原動設備の主原動機:使用開始時

  • 上記以外:事業の用に供するとき

◆第9条 検査を必要とする索道施設の変更

変更後に検査が必要な索道施設の変更は下記のとおりです。

  • 索道の方式の変更

  • 索道の運転速度増加

  • 循環式索道における搬器の出発間隔の短縮

  • 搬器の最大乗車人員/最大積載量の増加

  • 支柱の新設、位置・高さの変更

  • 原動設備の主原動機の種類・出力の変更

  • 変電所/配電所の発電機/主変圧器の新設、種類・個数・容量の変更

  • 配電線路の新設

◆第10条 準用規程

鉄道施設検査の条文は索道施設検査に準用します。

◆第11条 手数料

施設の検査を受けるためには手数料を国に収める必要があります(鉄道事業法57条)。金額は別表にて定められています。手数料は収入印紙を検査申請書に貼ることで納付されます。

◆第12条 書類の提出 

申請書は国土交通大臣または地方運輸局長に提出しなければなりません。また国土交通大臣への提出は地方運輸局長経由となります。

以上です。


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