012.百人組手

 現実に存在する百人組手で有名なのは極真空手のものだろうか。黒帯を相手に文字通り百戦する。一応、手心は加えられるようだがそれでも過酷なことに代わりはなく、鍛え上げられた空手家でも途中で力尽きて完遂できない人もいれば完遂したものの即入院したり身体に多大なダメージを残してしまう人も少なくない。そんな名前をつけられた過酷な行「百人組手」とはどんなものなのか。やってみると本家ほどの厳しさは無い。1,2発攻撃を当てるだけで相手は派手に場外へ飛んでいく。これなら百人抜いても腎臓がカスカスになって緊急搬送されることは無いだろう。しかし、全然クリアーできない。こちらの攻撃1発で相手は死ぬかもしれないが、相手はそれをかいくぐって必死の一撃をこちらに与えようとしてくるのだ。100人いればそれが100撃。そんなの耐え切れるわけがない。98人くらいまではいくのに最後まで息が続かない。弱いとはいえ相手も必死、つないだ襷でこちらを迎え撃とうというのだ。毎回ドラマチックにこちらがやられる。完全に私の方が悪役だ。しかし、悪には悪の矜持がある。今日こそ全員ぶちのめす!絶望を抱いて眠れ!!

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