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乙嫁語り

『乙嫁語り』は、森薫による漫画作品です。

19世紀後半の中央アジアを舞台に、さまざまな結婚物語を描いています。
主な登場人物は、20歳の遊牧民の女性アミルと、12歳の定住民の少年カルルク、そしてイギリス人の旅行者スミスです。
彼らの生活や文化、恋愛や冒険を、緻密で丁寧な画で楽しめます。

作品の中で、主人公のスミスが旅するルートは、実際に存在するシルクロードの一部です。シルクロードとは、古代から中世にかけて、中国と西方の国々を結んでいた交易路の総称です。この道に沿って、絹や香辛料などの貴重な品物だけでなく、文化や宗教も伝播していきました。

アミルやカルルクたちが暮らすエイホン家は、定住民の一族ですが、彼らの近隣には、遊牧民の一族も住んでいます。
遊牧民とは、牧畜を営むために定住せずに移動する人々のことです。遊牧民と定住民は、しばしば対立することもありましたが、互いに交流や交易も行っていました。

作者の森薫は、作品の取材のために実際に中央アジアを訪れています。
作品の巻末には、彼女の旅行記や写真が掲載されています。
また、作品の中には、彼女が見た風景や出会った人々がモデルになっている場面もあります。
アミルやカルルクたちが着ている衣装や装飾品は、中央アジアの民族衣装や民芸品に基づいて描かれています。
特に、アミルが身につけている刺繍のある帽子やベルト、カルルクが持っている刀などは、キルギスの伝統的なものです。
これらの衣装や装飾品についても、現地で購入したり、写真に撮ったりして、作品に反映させています。

『乙嫁語り』は、2014年にマンガ大賞を受賞しました。作者の森薫は、この賞を受けて「中央アジアの国々をこの漫画をきっかけに知ったという人は、結構いるのではないかと思う」とコメントしています。

現在は『青騎士』にて連載中で、単行本は14巻まで刊行されています。

『乙嫁語り』は、中央アジアの歴史や文化に触れることができる魅力的な作品です。

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乙嫁語り 第1〜14巻

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