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本のいろいろ

最近、読んだ本に、はずれがない。というか、そもそもはずれとか当たりもないんだけれど、しみじみよかった、繰り返し読もうと思える本にめぐり合ってる。
こういうときは流れの兆しを読めている感じがする。
まさにそういうことが書かれているのが、吉本ばななさんの「違うことをしないこと」。小説と違って、手引書のような一冊だった。
当たり前のように周りの顔色を読んで、空気も察して、正しいと思われる道筋に沿って進んでいく。そうやることが社会人としての正義のようだったけれど、私自身もさんざんそれをしてみて違うと思うようになったから。とても腑に落ちた。
そもそも昨日の自分と今日の自分が違うのだから。その時々の最善を選べるようにしたい。今年の目標にもしよう。
カートヴォネガットの「はい、チーズ」は、年末に読んで、その時期にぴったりだった。ほのかに希望があるけれど、何かをおしまいにしたり、捨てたり、整えたり。曇り空に差し込む、ほのかな光。
そんなイメージ。
いちばん好きな短編はかなり分かれると思うけど、どれも行き着く先は思いがけない。急転直下のジェットコースターだったり、ぽんこつ自転車で坂道を下っていたつもりが上り坂だった、とか、トーンは色々だけど、どれも想像していなかったおしまいにたどり着く。
あと、冬に毎年読み続けて、なんだかんだで10年ぐらい?もしかするとそれ以上の「クリスマスキャロル」。たとえ地獄の果てであっても、これがあればたぶん生きていける。わかっていても、いつも最後に泣いてしまう。
200年前に書かれた話に心を打たれることを考えると、本って時空も超えるし究極のタイムマシンだと思う。

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