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急性一過性精神病性障害の話④

実家に逃げ帰ったもここさん。

ここからがほんとの地獄でした


実家での生活

実家に帰ると母に言った時は

母はまだ家でリモートワークができるレベルと思ったようで、

「帰ってきてもいいけど、パソコン持ってくるのよ。ちゃんと仕事してね」

と言っていました。

その言葉を忠実に守り、パソコンや最低限の服だけ持ってタクシーで3万かけて帰省しました。

いや、それ以外にも荷物がありました。

"退院後、東京のアパートに届いた母からの退院祝いのお花"

これがありました。

実は退院後ももうかなり錯乱してたので、

目に映るものすべてが死を暗示するもののように見えていました。

お花が宅配便で届いた時も、

「人が死んだ時に贈るはなむけの花?」

と瞬間的に思い、怖くて泣きながら投げ飛ばしてしまいました。

本当に今思うとなんでそれも、って感じですが、

当時の私は認知が歪んでたので。

でも、母が気持ちを込めて送ってくれたお花をアパートに置き去りにする気も起きなくて、

なんとか実家で育てようと思って それだけは引っ掴んでタクシーに乗りましたね。



そんなこんなで家に着くと、

コロナ疾患後やっと会えた母が

「辛かったね怖かったね」

と頭を撫でてくれました。

今までの記憶が走馬灯のように流れたこと、小学校5、6年生の頃私は男子達によくちょっかいをかけられていたんですが、それを当時はモテてるのだと思ってましたが、その走馬灯の時にすべてがひっくり返されてしまったので、(あぁほんとはいじめられてたんだ)と思ってしまったこと、などを。

息も絶え絶えに母に語り、

「まぁそんなの物は捉えようだよ(´・ω・`)」

と困ったように言ってくれた気がします。



ここで前提なんですが、

実家に帰ってからしばらくの私は"まだコロナが治ってない"と思っていました。

だってまともに歩けないフラフラの状態なので、

治ってないのに退院させられた訳の分からない状況だと思ってました。

この混乱が次の幻覚などにも結び付きます。



帰省した次の朝はやたらお天気で、

リビングの窓からお庭に裸足をぶらぶらさせてお花を眺めたりしていました。

全然心は穏やかじゃなかったですけど。

その時母が在宅勤務をしながら私の背中にポツリと、

「親より先に死ぬなんて最悪の親不孝だよ」

と言いました。

普段温厚な母からは想像もつかない、重さと悲しさのある声色でした。


とりあえずリモートワークをしようと会社のPCを立ち上げましたが、

数字がまったく頭に入ってこず、端末パスワードすら打てません。

何日が発症日、血中酸素濃度いくつを下回ったらヤバい、

など数字に囚われすぎて怯えていたからでしょうか。

それともただ単に寝れてなさすぎて認知力が落ちてただけでしょうか。

とにかく何の数字も、たった数桁の整数さえも意味を持って捉えられず、事の重大さを知りました。

さすがに上司にも業務不能と判断され、休職の準備をします。



が、またこれずっと混乱錯乱が続いており、

その時は"一家でコロナに立ち向かっている熱い物語の最中"にいました。

なので人事のおじさんに直で、

「今一家で立ち向かってます!🔥必ず勝ちます!🔥それまですみませんが休職します!!!!🔥」

というチャットのみを送りました。

人事のおじさんはそれはそれは大混乱ですよね。

何を言ってるのか?と。

休職するなら手順を踏みなさい、と。

でももう当時の私にはこれが限界でした。

相変わらず2週間近くまともに寝れてない頭でこれだけを打ち、そこからしばらく会社との連絡はできなくなってしまいました。

今思うと大の大人が本当にお恥ずかしい話ですが、

母に代理でやり取りをしてもらっていたと思います。



ちなみに当時実家に着いたばかりの頃の寝れなさと言えば

相変わらず時間感覚がおかしく、

なんか寝れないと思って外を一瞬だけ眺めてたつもりがもう明るくなっている。

聴覚過敏にもなり、今まで一度も聞こえたことのなかった遠くの山のお寺の鐘の音が聞こえる。

こんな具合でした。

やけに穏やかだったんですが、本当に1ミリも眠くならなかったのでもう、脳はヤバいですね。



ここからは時系列とかごちゃごちゃかもしれませんが、覚えてる限りの幻覚・妄想などを書ける限り書きます。

まず、実家に着いてからなぜか余計ひどくなってしまった精神病。

現実・夢・記憶・妄想の4つの区別がほぼつかなくなりました。



幻覚いろいろ


まず一番ひどかったのが幻聴です。

初めは、深夜に相変わらず寝れなかったときに

鳥の鳴き声がしたことです。

すずめ?朝にチュンチュンいってるあれです。

あれが、深夜2時とか3時とかに聞こえました。

さすがに私もおかしいと思いましたが、明らかにハッキリと聞こえているため幻聴と思えませんでした。

その時の私は何を思ったか、それを

弟がパソコンを使って遠隔で鳴らしている

と解釈しました。

弟はまぁ私よりは電子モノに詳しいので、無理矢理な理由づけとしては適していたのかもしれません。

弟すごいな、いつの間にこんなこともできるようになったのか、なんて思っていました。

一定の規則性をもった鳥の鳴き声が、深夜に鳴り続けました。

すごい…とそれに感動していると、

次はその日昼間にリピートしまくっていた曲が流れてきました。

もう、頭の中で流れるとかの次元じゃないんですね幻聴って。

本当に、そのへんで鳴ってるのが聞こえます。

しっかり外から鳴っていて、それを鼓膜がキャッチしているんです。(感覚として)

だから正常な時によくなる"脳内再生"とかとはまったく違います。

うわぁ曲まで聞こえてきた、すごいなぁ現代技術🥹どうなってんの?

とさらにハイが加速しました。

当然眠るとはどんどん遠ざかっていきます。


幻聴も数日すると、もっと派手になっていきました。

庭の雑草の花を摘んだ瞬間、遠くで女性の悲鳴が聞こえる。

自分が動くのと連動して、窓の外から太鼓の音が聞こえる。監視されてるように思うのはこれですね。

また深夜に鳥の鳴き声が嘲笑のようになっていき、自分の思考と連動して聞こえる。

特にこの鳥の鳴き声は怖くて、頭で考えてることを全て読まれて会話のようになってしまうため、

私はコロナに罹ったことで中国かもしくは宇宙と脳波で交信できるようになってしまった、

と本気で思いました。

他にも、昼間家の中で過ごしているだけなのに

少し先で本当に聞こえていたはずのチェーンソーの音がどんどん近付いて部屋に入ってきそうなぐらい大きくなってくる(殺されるんじゃないかと思う)。

これは完全に幻聴ですが、家の前の道路で車と人がぶつかる音がして、急ブレーキと人の悲鳴がする。
これもまたどんどん自分の方に近づいてくる。(自分の数時間後の姿なのではないかと思う)

こんな幻聴がありました。

今書いてるだけでも怖すぎますね、なんだこれ😄

あとは当時落ち着くためにかEnyaのOnly Timeをリピートで聴いていたのですが、

あれも捉えようによってはレクイエムのようじゃないですか。結構死を感じさせる旋律だと思っていて、

不安を感じるたびにOnly Timeのイントロがフワ〜っと聞こえてきて死の世界に手招きされてるようで、

本当にずっと平常心でいられませんでした。



多くはなかったですが幻視もありました。

一番くっきりしてたのは、

壁にかかったズボンがまばたきした瞬間ワンピースに変わったことです。(深夜のシルエット)

その時も信じられなかったですが事実見えたので、現代技術すごいな〜😄とか思ってました。

夜中 部屋の火災報知器やその他あらゆる電子機器に、

稼働中の緑のランプがついており

監視されてる感がものすごくて怖くて眠れなくなったり。

後々正常になってから夜中に見ても、火災報知器にランプなんて無いんですよね。

ほんとに幻視も結構きつかったです。

でもまだ化け物じみたものが見えなかっただけよかったのかも?

想像力がなくて夢も現実的な夢ばかり見るので、

そんなところがこの時は救いだったのかも。

他には深夜狂ったままアイマスク代わりに普通の白いマスクを目に当てていたら、

マスクがスーッと透けて向こう側が見えました。

今時のマスクハイテクすぎない?😄なんてその時も思っていました。



あとは、幻触。って言います?

肌の感覚です。

これもありました。

さすがにやばいと近所の精神科に連れて行かれましたが、

そこで混乱しながらも状況を話していた最中、

マスクが首の下でツーッと動きました。

さながらアメリカのグロいホラーのような展開が読めました。

それ以上言ったらお前の首が飛ぶぞ、

という暗示のようで怖く、それ以上話せなくなってしまいました。

そういえばこの精神科では、待合室でも四方八方から扉を閉める音が大きめに鳴り続けていて怖かったです。責められてる気持ちになるんですね。

のちに回復してから行ったら普通の静かな待合室だったので、その時初めてあれも幻聴だったんだなぁと気付きました。

元々ほんとに聞いてる音が、必要以上に大きく繰り返して聞こえるってパターンが多かったかもしれません。


そしてこれが一番書きたかったこと。

幻臭です。

言葉合ってます?

あるはずのない臭いがすること。

これが実は、一番長期間尾を引きました。

最初は、リビングで突然強烈なタバコの臭いがして咽せたことです。

うちに喫煙者は一人もいません。

タバコの臭いと言っても副流煙ではなく、本当に吸った時の臭いと肺への感触です。

大学時代の友達に一度かなり重いタバコをもらって一緒に吸ったことがあるのですが(重すぎて私には到底無理でした、何度吸ってもむせ返った。友達は余裕そうでした👼)、

完全にその時のタバコの臭いと味がしました。

本気で焦りました、これもまた当時は幻覚と思っていないので、

誰かに遠隔でタバコを吸わされている…?

勝手に肺が汚れていく呪い………?

などと思いました。

気のせいとかじゃないレベルでタバコそのままでした。人間の感覚器官どうなってんだよ🙃

それからは、家の中の匂いも庭の草の匂いも全てがキツすぎて辛かったです。

部屋を移動するたびに酸素の濃度が違うのをダイレクトに感じて息苦しくなります。

トイレなんて扉少し開けてないと無理でした。

脱衣所もそう。

それが 嗅覚過敏になってたからなのか、視覚的刺激からの錯覚なのか、私には分かりません。

精神科医数人に言っても幻臭に関しては全然理解されなくて、首をかしげられる一方でした。

専門家もわからない現象って何マジで!

これがさらにひどくなってくると、今度は人の吐く息からも二酸化炭素を感じてしまうようになりました。

本当に書いてて理解不能😇

虫になった気分でした(知らんけど)

口臭とかそういうんじゃなく、母からも父からも 普通に会話する距離でも においというか息苦しい空気?が出てきてて、

しばらく同じ食卓でごはんが食べれませんでした。

なんか適当に理由つけて別卓で食べてました… 両親のことは大好きなのに。



ちなみにこの頃から1週間ほど、私は記憶がまったくありません。

母が相談したお医者さんによると、

亜昏迷

という状態だったようです。

そんなワード自体初めて聞いたし、あとで元気になってから検索もしてみましたがほとんどヒットしない。

自分がそんな状態だったこと、怖かったです。

母が言うには「(重めの)認知症のおじいちゃんとまったく同じ状態だった😢怖かった」

まず会話が通じなかったそうです。

起きて話してはいるけどずっと支離滅裂なことを言っている。

家事手伝いも少しはできたそうですが、

3割ぐらいしか完了できない。(できてないことに私自身は気付いていないため、「終わったよ!😊」とニコニコで報告してきてたらしいです)

夜寝てる母の枕元に行き、寝てるのと死んでるのの区別がつかなく不安だったため、

「ママ死なないでね🥲」と手を握ってきたりもしてたそうです。まっっったく記憶がない。

でも幼児返りしたようで、一生懸命でちょっと可愛いとも思ったなんて言ってました😂最終的に無事治ったから言えることですけど。

なんとか意識を取り戻してからスマホのカレンダーを見たら7日ぐらい日付が飛んでたため、

ものすごい焦ったという話でした。

気分的にはずっと寝てたんですが、ほんと母が言うには 狂ってはいたものの普通に自分で食べてお風呂も入って活動してたそうなので。

そんなことってあるんですね。。。


そんな狂った生活が極まってきた頃、

さすがに大きい病院の精神科で診てもらおうと

東京に連れて行かれました。

実家は北関東です。

こんな状態の私には過酷過ぎる旅です。

でも本当にもう20日ぐらい(まともに)眠れておらず、

※まともに寝れないってのは毎日3時間睡眠とかそういう次元ではないです。基本徹夜。20日連続徹夜。たまに気を失うように一瞬寝てたかも、ぐらいです。

あと2、3日放っておくとどうなるかわからない、

という状況だったようで、

無理をして連れて行かれました。

今思うと本当に感謝です。

が、この時が幻覚のいっっっちばん酷い時で、

本当に本当に激ヤバの大地獄のかなり今でもトラウマなぐらいの体験をいくつもしたので、

それはまた次の記事で🙏書きます。


いや〜〜〜〜〜本当に、心霊現象なんてレベルではなかった


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