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急性一過性精神病性障害の話⑥

ご無沙汰です。

ようやく!症状が快方に向かい始めた時の話です。



我を取り戻し、4ヶ月の休職期間

寝れなさと幻覚、妄想、体の疲れがひどかった

その後、初めて薬がちゃんと効いて寝ることができ、

少しずつマシになっていった時のお話です。

でもこれがまたなかなかすぐに絶好調とはならず、色んな体験をしたので書き留めます。



急性期に一番ひどかった幻聴は、この辺りを機にほぼなくなりました。

鳥の鳴き声がいまだに幻聴のように聞こえる、という状況はしばらく続きましたが、

聞こえるのは朝と昼だけでしたし

ほんとに鳴いてるだけか、と気付いたらもうあまり気にならなくなりました。少しずつ。


でも時々、少しでも何かで不安な気持ちになると周りの音が一斉に大きくなるようなことはあって、

例えばしばらく心を落ち着けるために好きな韓国語の歌の歌詞を和訳してたのですが(元々趣味でやってました)、

不穏な内容のパートに差し掛かった瞬間

ギャーギャー

と外の鳥たちの声が大きく騒ぎ始め、

たまたまだとは思いますが まだ聴覚過敏が続いていたため怖かったです。


お散歩を少しずつするようになったのですが、

目もかすみ気味で、目眩やふらつきもあり、

姿勢をまっすぐにして歩かないとフラッと車道にはみ出しそうになったりしてました。

元々車通りのほぼない田舎道なので危なすぎはしませんでしたが…

例えばガードレールや木などが 必要以上に障害物のように感じられ、

数十メートル先に見つけただけでもぶつかりそうでよけようとふらついてしまう、

そんな感じでした。

ゆっくりゆっくり歩いてたと思います。

日によって、地面がすごく遠く感じたり逆にすごく近く感じたり。



またこれは一番仕組みが分からなかった謎現象なんですが、

"脳にBluetooth機能がついたみたいに、スマホやイヤホンからの音が頭の中で直接響く"

ということが何度かありました。

骨伝導イヤホンってこんな感じなのかな?試したことないけど。

音楽に集中しすぎると、

スピーカーで耳から聞こえるのではなく

ブツっ

と音を立てた次の瞬間には頭の中から聞こえていました。

ちなみにその ブツっ の時は強烈な幻臭も一緒に来ました。草が焦げたようなにおい。

あまりに訳がわからなく怖すぎてすぐ音楽を止めましたが、

音楽ってやっぱり元気な脳じゃないとまともに聞けないんですね…

そういえば急性期の時も聴き慣れた曲が逆再生みたいに歪んで聞こえたしな…


そしてそして、一年近く続いた幻臭です。

さっきも書いた通り、お庭の草が焦げたような嫌な臭いが、突発的にコンマ数秒します。

トリガーは、
・不安に思う
・びっくりする
・寝落ちる寸前

などでした。

稀に、なんでもないのに臭うこともありました。

びっくりすると普通は心臓がドキッとすると思うんですが、

急性期直後はそれが手足の痺れで、

さらにその後は幻臭に変わりました。

人間の感覚の仕組みほんとによくわからない…🙃

他のほぼ全ての精神病症状がなくなっても幻臭だけはしつこく残り続けたので、

そのたび酷かった頃を思い出してちょっと辛くなったりもしてました(´・ω・`)



あとは、休職中は

ストレスに弱くなってました。

例えば質の悪いオンラインゲームで罵声を浴びせられた時(普段こんなゲームはやらないんですけどね笑 暇でつい)、

頭に血が昇ったんでしょうか、頭が破裂しそうなぐらいギーーーーーーンと痛くなって危険を感じたので、すぐ退出してアンインストールしました。

また、コロナ療養の医療費を公的に負担しました、

のような手紙が実家に転送されてきたのですが、

コロナに係る事柄がその時トラウマだったため、

またあの入院時のように 書類の文字が全く意味をもって入ってきませんでした。

動悸も速くなって息も上がりかけてたので、読むのをやめました。


またしばらくすると少し外出もできるようになったので、

スーパーの買い物に付き添いましたが、

スーパーなんて情報量の多い場所 やはり初めは大混乱で、

入った瞬間全ての音が大きくなってギィーーーっとノイズのように降りかかり、視界がぶるぶる揺れました。

あれも怖かったです…

しばらくやはり、お店にも入れませんでした。

母とはぐれた時もどうしていいか分からず、

パニックになり電話をかけたりしていました。

普段当たり前のようにできてたことが、この時はできなかったんですね。


不安なこと、心に負担をかけることが良くないとわかったので、

とにかく優しいものだけに触れて生活するよう心がけました。

・食べ物
・お花
・ゲーム(育成とか食べ物とか着せ替えの可愛くて優しいやつに限る)

です。

ネットは感情を混乱させるので、ほぼ見ませんでした。

食べ物は 働いてる母に代わってよく夜ごはんを作りましたし、

お花はお散歩してて道端で見つけるものを積極的に写真に撮りました。

ゲームはなんか夏休み系の淡々と進めるものと、

あとはシャイニングニキという高グラフィックの着せ替えゲームにハマりました!👗

気持ちを安定させるのに貢献してくれたゲームだなぁと思っています。


また、アニメもこの頃から見始めました。

スーパーカブから始まり、ゆるキャン、うまるちゃんなど、

とにかく可愛くて癒し系のを………🌱

こういう入り方だったから、今でも美少女アニメが好きなのかもしれません☺️🌸



こういう生活が何よりの治療だったのですが、

側から見ると 仕事もせずダラダラ毎日家で遊んでいるだけで、

母は(このまま社会復帰できずニートになるのでは)と心配したのだと思います。

3ヶ月目ぐらいの時に、

「そろそろ職場復帰することも考えないとね?」

と言われました。

が、まだまだ目の前の生活を一日一日無事にやり切ることに精一杯で、

充分本調子ではなく、

会社で仕事するなんて と焦りと不安が来てしまい、

感情より先に?生理現象のように目が強烈に痛くなりました。

玉ねぎを切ってる時の痛みがかなり近かったです。

鋭い痛みで目が開けられず、反射でぼろぼろ涙が出ました。

これもやっぱり側から見ると"不安で泣いてしまった"だけに見えたんでしょうが、

自分としてはいつもの泣くサイクルと違いすぎて やはり混乱していました。

それを見て母もまだ焦らなくてもか、と思ったそうで、

もう1ヶ月休みなと言ってくれました。

今思えば会社もよく籍置かせてくれてたな…ありがたい。



急性一過性精神病性障害のような症状が出た人は

急性期のあと一度ドーンと落ちて陰性症状?というのかな、鬱が来るものらしいですね。

私もまんまそれがあって。

その期間もかなり辛かったです。

意味もなく無気力で体が重く、床に張り付くしかできなくて

畳の目の数とか数えて過ごしてました。

あとはやはりみんなに迷惑かけている、何もできない自分が情けない、という気持ちにもこの頃よく苛まれており、

その理由でも泣いていました。

でも母は「大丈夫ママはいるから」と言ってくれてました……。永遠に私の面倒を見ることはできないはずなのに

普段はよく「親は先に死ぬからいい人見つけな」のようなことを言ってましたが、

休職中はそうは言わず「ずっといるよ」と言ってくれたのが嬉しかったです。

精神病って脳の病気とはいえやはり始まりは色々と気にしすぎてしまったこと だったりするので、

その気にしすぎて歪んだ認知を 嘘でもいいから優しい嘘で治してあげること。

が大事だったんだろうなと、今となっては思います。ありがたい。



母はとても出来る人なので、

そうやって気遣ってもくれつつ、

健常だった時のように変わらず接してくれました。

当たり前のように普通の生活を家族とすることで、私自身も普通の生活をしてた頃の感覚をすぐに取り戻せました。

本当感謝。



そんなこんなで4ヶ月休んだら、

もう社会への不安もなくなって無事に職場復帰ができました!

あ、もちろん通院と服薬はずっと続けていて、

基本
・トリンテリックス
・ミルタザピン
・オランザピン

の3つでした。

ひどい幻覚がなくなってきた頃からトリンテリックスをやめ、

ミルタザピンとオランザピンを毎晩飲む生活が一年ぐらいありました。

夜に考えすぎて眠れなくなることがなくなったので、穏やかに過ごせるようになりました。

その後オランザピンだけになり、

それも段々と2日に一回にするなど少しずつ減らしていき、

最終的に完全に薬をやめたのは発症から二年後です。

独断で薬をやめたりせず、都度お医者さんと相談していたのがよかったと思います。

無理して急にやめると症状が再発し、そうなると治療期間も長引くので🥲

薬は慎重に減らそうと言われました。

そのぐらい薬まじで偉大。



学んだこと・おわりに

今回の精神疾患での一番の収穫は、

「すべては気のせい」

ということです。

あらゆる感情は認知から生まれるし、

事実をどう認知するかはその人自身にかかっている、と思ってます。

こう捉えればこういう感情が生まれるし、

また人によって全く別の捉え方をして全く別の感情を持っている。

一つの事象についても、解釈は10人いれば10通りありますよね。

それを身をもって学びました。

というのも急性期の私は、

あらゆるものを悪い方向に勘違いし過ぎておかしくなり、実際にそういう幻覚も見ていたからです。

なのでもう、いいや♪

全部全部気のせいだし、幸せを生むのもまた気のせいから♪

それなら、ずっとずっと幸せな勘違いだけをしていようじゃないか🌏♪

という思考になれました。

考えることは、考えるのが好きな人に任せておけばいいのです。

自分の心や脳を犠牲にしてまでやることじゃない。

脳が上手く働いていないと、前の記事でも書いた通り

特別辛いことがなくてもなんだか"今すぐ死ななきゃ"という焦燥感に駆られるため、

下手したら命の危険にも関わる。

そんなことをしてまで真面目でいる必要なんてないんです。

決まりはちょっとぐらい破ったっていい。

些細なことならサボってもいい。

うがいは30秒しろと言う人もいれば10秒でいいと言う人もいる、それを全部素直に聞いてたら当然振り回されて混乱します。

何もかもをいい子ちゃん風に飲み込むのは諦めて、

適当でいいやある程度🍀心の平穏が一番大事

と思うこと。

そういう境地に至れたことが、何よりの収穫でした。



今の私は、この大きな精神病にかかる前よりも情緒が落ち着いています。

自分のメンタルを飼い慣らせるようになったんですね。

一度心の骨折をしたので、より太く頑丈に回復した

という感覚です❤️‍🩹✨

よかったぁ。



これを読んでくださった方の中には

似たような状況の経験があったり

身の回りがそうだったり

専門家の方だったり?

興味のみで読んでくれた方もいると思いますが、

あくまで私の例です。

精神病の病名はすごく曖昧だと思っていて、

一人一人に適切な病名をつけるのは多分不可能なんだと思います。

私も 全部の症状出てるからとりあえず適応障害で傷病手当の申請出しといて!ってお医者さんに言われたし、

二年後には「あれは今思えば急性一過性精神病性障害だったね〜」と言われた。

そんなもんです。

なので"この人はこの病名だからこういう対処が最適"と安易には思わないでいただけると、患者さんも安心というか より早く回復に繋がるのでは?と思っています。



お医者さんにも説明できない(出くわしたことのない)幻覚症状もたくさんありましたし、

なかなか解明が進まない分野なんだなと少し孤独にもなりました。

なので、似たような症状の方に こんな人もいたんだよ、

でも無事治ったよ、

ってことを伝えられたらそれもまた嬉しいです。

私が数万字打ち込んでる意味があります!!!!笑



長々とお読みいただきありがとうございました💐

皆さまがこれからも心穏やかに過ごせますよう



2023.8.13 もここ

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