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【徒然コラム第3回】「よそ者」から「若者」へ

 9月5日夜にパラリンピックの閉会式が行われ、東京2020大会が幕を下ろした。新型コロナの感染拡大で侃侃諤諤賛否両論渦巻く中での開催。ほとんどの会場では無観客で競技が行われたので、テレビ中継やオンライン配信で競技を見たという方がほとんどだろう。

画面を前に「ながら」で競技を見る機会が多かったが、そんな中でスケードボード競技には「ながら」で行っていた作業の手が止まり、10代が躍進して金メダルを獲得するその様子に驚きながら見入った。その光景は、世代交代や時代の変化というキーワードを想起させるのに十分だった。

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そんな光景を見ながら、模型製作というホビーの世界でも新しい世代が育ちつつあることをふと思う。嗜好の多様化で絶対数は多くないが、創作意欲熱心な若人は多く、またベテランにはない発想やアイデアを見せる人材も数多だ。新しい人材が業界に参入してくれば、発展や活性化が期待できる。ひと頃若年層の参入が少ないことが懸念されていたが、どうやらそれも杞憂に終わりそうだ。



「よそ者」と並んでイノベーションを生み出すのは「若者」である。政治でも経済でも、趣味の世界でもそう。長く関わってきた者が相も変わらず幅を効かせ、あるいは特定のポジションに同じ人材が長く居座れば、萌芽を阻み、新しい流れを堰き止めてしまう。ひいては衰退を招く。発展や反映は、世代交代と表裏一体でもあろう。

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月刊「モデルアート」もこの夏の終わりから編集長が変わった。以前の編集長は、もともとホビーの世界には縁が薄かった、言わば「よそ者」。業界の知識は乏しかったが、それなりに新しい誌面のスタイルを築いたやにも見える。バトンタッチされた「若者」の編集長はどんなスタイルを築いていくか。答えはそう遠くなく見えてくるはずだ。


月刊モデルアート前編集長 猪股

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