『ゴジラ×コング』！？　『ヤクザ×ヤンク』！！　だろ！　これは！
ハリウッドにゴジラをゲストとして招いて作った映画で、どうして日本の青春ヤンキーものみたいなものができあがるのか……いやハリウッド映画史にもゴジラ映画史にもヤンキー映画史にも詳しくもなんともないのでこれは薄っぺらな意見と思っていただいて結構なのだけど。ただまあ、面白かった。気がつけば笑顔になってしまうような箇所がいくつもあった。
いやもう、コングはまああちらさんのものだから好きにしていいにしても、ゴジラはなんかこう、勝手に自分の領土シマをつくって、争いごととなると周囲のカタギなど一顧だにせず暴れ回り、結果的には侵略に来る外敵や無軌道な暴徒たちへの抑止力となることを受け入れざるを得ないという描き方はもうまんまヤクザで、いいんだろうかこれはという気もするんだけど。まあいいのか、好きにしてもらって。もはやゴジラも、サーヴァントみたいなもんで召喚される場所や環境によって性質や性格が都度都度変わってるということなんだろう（ていうかFateシリーズにおけるその設定がそもそもこうしたシリーズ映画ものの歴史、お約束から生まれたものなんじゃないかという気もする）。ヤクザっぽさも、そんな小さな島国のいち属性集団にたとえるまでもなく、洋の東西や時代の古今を問わず「力あるもの」は得てしてそのように振舞うものであり、強者と弱者はそのような関係に落ち着きがちであるということかも。
ただ今回の話を弱者たる人類側から見ると、マジでただただ災難を被った出来事でしかない。言っちゃえば地下世界での勢力争いでしかないのに、わざわざ地上に出てきてあれも壊してこれもブッ散らかして……ゴジラとコングという夢の競演を果たす為には人類にも相応の代償を支払わってもらわねばということなのか。いや面白かったけどね、ピラミッド総崩しとか。思わず笑顔がこぼれちゃった場面とは何を隠そうそこだったけど。冒頭で地上と地下は同じ一つの世界だと言っていたが、果たしてそれで納得できるのか……次作があるならその辺とかが気になる。次回ももっと地球をハチャメチャにしてほしい。