10/12 『ガールズ&パンツァー最終章 第4話』を観た

もはやオリンピックみたいなペースで公開されている最終章。競技アニメだし、そういうものとして考えるべきなのかもしれない。2年に1度、磨き上げられた戦車道の腕前を披露しあう催し。
そうなると映画の公開時期が終了した後でいいので、今回の戦いのハイライトとか名場面ピックアップ、識者による戦車戦の解説とかがニュース番組などで連日放送されていたりして欲しい。何故なら前回までのお話とかを結構忘れているので。DVDorBlu-rayを買えばいいと言われたらそれまでだが……みほ達の戦車がやられてしまったことだけは辛うじて覚えていた。あと未だに登場人物を把握しきれていない。大洗チームですら、いや大洗チームがいちばん覚えられてないかも。今回世代交代で次期隊長の芽をのぞかせた子も、正直前回までそんなに存在を認識していなかった。それでもなんとなくキャラクターや立ち位置などがわかるのはさすが。
戦車戦も、クライマックスあたりはマジで何をやってるかわからなかったので、やはりハイライトや実況解説が欲しい。たぶん何度も繰り返し観に行くファンのために、1回やそこらじゃ何が起こってるかわからないようにしてるのだろう。それでもわからないなりに楽しいのは、独特の俯瞰視点のおかげだろう。それこそサッカーの試合のような。ガルパンをバトルアニメ、或いはロボットアニメと捉えたとき、あのスケールの視点って他のバトルアニメ、ロボットアニメにはなかなか無い。どうしても画面に中心となる1体を置いて、そこを軸に動かしてしまうから……集団戦で、ヒト型をしておらず、したがって顔を大きく映す必要もないが故の強みだろう。もちろん、随時FPSめいた視点も出して迫真感を損なわせない。
また、戦闘中に歌や音楽を奏でるパートが今回もあったが、あれってやっぱ重要だなあと思った。毎度のごとく複雑精緻に入り組んだ戦車戦シーンは、専門家やコアなファンには常にお楽しみではあるけど、そこまで造詣の深くないライトな向きにはやり過ぎると入り込めないおそれもある。歌謡パートはある意味その緻密さとは真逆で、歌う必要はどこにもないし、なんでそこで急に歌うのかも説明されない、実にファジーな演出となっている。だがそれ故にコア層とライト層の間に生じるジレンマをうまく撹拌し、どちらにも一定の満足感を与えられているのではと今回思ったのだった。ガールズ&パンツァー、すなわち虚構と現実……みたいな。
いよいよ次回は決勝ということだが、あと2話残っており、2話まるまる決勝を描くのか、それとも何かさらなる隠し玉があったりするのか。また2年後、次期開催を期待して待つ。

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