関東在住の大学院生が福岡移住に至る物語㉖

6月の頭に事業所の上司と恩師それぞれへの挨拶を済ませたぼくは、しばらく塞ぎ込んだが、めげることなく日常のタスクをこなし、関東を発つ前の挨拶まわりも本格的にはじめた。

今回は福岡に旅立つ前に挨拶をした方々との時間をふりかえろうと思う。

6月上旬に中学の3年時のクラスメート4人で集まった。
なぜか、「福岡に旅立つやそらを見送る会」をぼく自身がセルフプロデュースしたのだけれど…笑。その集まりがきっかけで10年ぶりに会ったという人たちもいた。4人中2人が結婚していた。会場はなんだかんだで、中学時代の卓球部の仲間だった友人が予約してくれた。いい時間だった。

なんの気なしに当時をふりかえりながら、なんてことないことを話せる人がいるというのはありがたいことだな~と思う。

6月下旬には、大学院修士課程で共に学んでいた同期と後輩の3人で会った。二人ともそれぞれ、今は大学院で学んだことを引っ提げて現場で頑張っていた。同期はシングルマザーだった女性と結婚し、ステップファミリーを形成したし、父親歴3ヶ月にして、10歳の不登校の子どもの親なんだ。やっと当事者性を手に入れた気分だよ、などとヤケに嬉しそうに言っていたのがすごくおもしろかった。後輩が、当事者の意思決定・自己決定などに関して悩みがあるということでぼくに声をかけてくれたのがきっかけで集まったので、その相談をしたりした。ぼくもぼくで、いつものように「いまは現場にいて、それぞれに頑張っている二人だけども、二人にとって『研究』ってなんでしたか?」なんて、素朴な疑問をぶつけた。とても楽しい時間だった。

大学院入ってよかったな、と思えた。また、あんな風にみんなで会いたい。

その集まりの後には、一回り以上年上の兄二人とぼくの三人で、ぼくの三十路突入と福岡への移住を祝う会をしてもらった。とってもいい場所に連れて行ってもらって、コースが一人前でありえない位お高いところに連れて行ってもらった。何か大切な行事の時にいくような特別な場所。長男がごちそうしてくれた。次男は名刺入れとキーホルダーをくれた。もらったプレゼントは、福岡に来て使い始めている。こんな機会だし、やそらが福岡行く前に父を含めた男四人で旅行でも行くか!という話も出て、すこし具体的に実現に向けて画策したけど、結局予定が合わず流れてしまった。男四人で何かする、どこか行く、というのは一度だけ5年位前にあったような気がする。

家族はいろいろあったけど、男四人のイベントまたできたらいいな。

7月の頭には大学の後輩二人と高田馬場周辺で会った。
ひとりは前々から予定していたのだが、もう一人は、たまたま結婚式の下見で高田馬場に来る用事があったらしく、たまたま合流できることになった。すごくタイミングがよかった。いろいろ話した。大学時代の大変だった時期を知る彼らは、あのやそらさんが…!としきりに言った。基本的にやそらさんは強い人だからどこ行ってもやっていけると思うんで、楽しんできてください!もしダメなら戻ればいいし、九州が違ったのなら北海道に行きましょう!笑とか言われた。一番目をかけていた、弟のように可愛がっていた後輩には、気軽に合える距離で無くなると寂しくなりますねと面と向かって言われてしまった。しかも、自分の人生において大事なことを教えてくれた人が遠くに行ってしまうのはしみじみ寂しいですとかも言われた。たまげた。

生きて、またみんなに会いたい。
今度会う時は、彼らに福岡で楽しく幸せにやってるよと言えるように…。

職場の人に焼き肉をご馳走されたりした。
その人は、やそらさんがいろいろアドバイスくれたから頑張って介護福祉士の資格取ろうと思って、いまその取得に向けて研修を受け始めることが決まりました。感謝してます。受かったらご連絡しますね!と言ってくれた。
職場のひとりが、間借りカフェをはじめたと本人から聞き、よかったら来てくれと言われたので、ぼく同様、新しい一歩を踏み出した仲間を応援したいと思って、時間を作って彼が淹れた珈琲を飲みに行った。その人は自分が現場を去る夜勤明けの朝の引継ぎの介護者でもあったので、新天地へと旅立つぼくに「どこでも成功を」という花言葉をもつピンクッションをくれた。

大学の同期で学部も同じで、同じサークルで貧困問題をやっていて、今は新聞記者をやっている同期とも会った。彼女が高知に赴任中、ぼくはこれも彼女に招かれたのもあって、二回も高知に足を延ばして会いに行った。働き始めてから感じることとか、お互いの大学時代がどうだったかとか、今後どんな風に生きたいか、そんな話をした。彼女は、大学時代は楽しかったと言っていた。もっと他にやればよかったな~と思うこともあるけど、当時は自分なりにやりたいことをたくさんできたから満足してる。やそらはどんな学生生活だった?と聞かれ、ぼくは、とにかくあがいてたな~と返した。あがいてもがいて、人を巻き込んでたくさん迷惑や心配をかけて…、そうやって必死に這い上がろうとしてきて、それで今があると思ってるよ。

やっぱりぼくは自分の人生が愛おしいと思う。

友達と夏祭りにいったりした。
高校時代の友達と急遽会うことが決まったりした。
大学図書館で知り合った青年と急遽会うことが決まった。
つながりのある、ある政治家の政治塾に久しぶりに顔を出す機会もあった。
しばらく会っていなかった大学の先輩と会う時間もできた。
飲み仲間のような大学の先生と久しぶりに会った。
職場でお世話になっていた新聞記者の方が挨拶に来てくれた。
大学の友達の地元のコミュニティで、なぜかぼくも加わって、キャンプに行ったりフットサルをしていた仲間の集まりでも激励された。みんなおじさんになって、その多くが妻帯者になっていた。
母とも久しぶりに会った。

ぼくは本当にいろんな関係の中で生きてきた。そうしたたしかな実感を抱きながら、福岡に旅立つことができたぼくは幸せ者だと思う。

それは、心強いし、福岡入り後の自分の安定感にもつながっているだろう。

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