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アイドルオーラがまぶしくて

障害者の作業所に通所している。
そこだって立派な職場だ。
日々コツコツと作業にいそしんでいる。
アットホームな作業所で、利用者さんたちみんな、仲がいい。
そんな中、ひとりの男性利用者さんに憧れている。
職場のアイドルAさんだ。
ほんとうにみんなが、職場のアイドルとして認識しているかは知らない。
けれど、長髪がよく似合い、美形でスレンダーなモデル体型、性格も明るく親切で、たぶん誰からも好かれていると思う。

Aさんは、タバコを吸う。
わたしも、タバコを吸う。
喫煙所でふたりきりになることは、度々ある。
けれどわたしは照れ屋さんだ。
喫煙所でAさんとふたりきりになると、そわそわしてしまう。
Aさんがカッコよすぎて、そのオーラがまぶしくてたまらない。
なので、Aさんがまだタバコをゆっくり吸っていても、わたしはタバコを早めに切り上げ室内に戻る。
送迎車が一緒になるときは、他にも誰かいるから気楽にAさんと雑談をするけれど、ふたりきり、というシチュエーションに弱い。

わたしというシャイなおばちゃんは思う。
もっとイケメン慣れしたほうがいいのではないか。
カッコいい人ひとりひとりに、こんなに挙動不審になってしまうようでは、社会生活が成り立たない。
まずは、Aさんで練習してみようか。
喫煙所でふたりきりになっても、平気な顔をして雑談を続けてみようか。
そうだ、そうしよう。
明日から頑張ってみる。



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