大学の卒業式で自分の価値を知る

サークルに入ってはいたものの2年程参加していない幽霊部員であり、大学の友達も多くなかった自分は、卒業式で一人ぼっちにならないかをすごく不安に感じていた。

ゼミの友達と卒業式に参加すると約束したが、ゼミ自体の絆は薄く、地元の友達を大切にしている友達だった。しかし式の後に数人で遊ぶ予定を立てていたので、それが唯一の救いだった。

少しの不安を抱えたまま卒業式が始まる

ゼミの友達と式典に参加して、式が終わった後にはゼミで卒業証書が配布され、最後に皆で写真を撮った。順調に事が進み、卒業式に抱いていた不安は消え去っていた。 卒業式来てよかったなあ、とか思っていた

しかし、ゼミのメンバーで写真を取り終えると周りの子達は 

地元の友達が来てくれてるから、彼氏が花束持ってきてくれたから!と一斉に散り出した…

私はゼミでの集まりが終わった後は、ゼミのメンバーと大学でたくさん写真を撮って、てきとうにご飯を食べながら卒業したくない〜って駄べりながらも最後の思い出を作るものだと思っていた。周りの子もそんな感じでゼミで集まると言っていたから。

しかし、一緒に式に参加した友達もその他の子達もお祝いにきてくれた地元の友達や彼氏の所に行ってしまい、いきなり1人になってしまった。

1人でいる所を見られたらどうしよう??

私は孤独感と焦りで胃がむかむかして、こんなはずじゃなかったのに…とモヤモヤしていた

というか、自分は地元の友達も彼氏(そもそもいない)も卒業式に来てくれず、自分の価値みたいなものを一気に突きつけられた感じがした。


仕方ないのでもう帰ろうと教室を抜ける。当たり前に沢山の卒業生が目に入る。花束を持っていたり、沢山の友達に囲まれて写真を撮っていたり… 誰にもお祝いされず一人で帰る自分と対照的で、自分は大学生活何を得たのだろうと虚しさを感じる

締め付けが弱かったのか、歩いてるうちにどんどん袴が着崩れてきて、見るからに袴が下がりかなり不格好な姿になっていた。さらに袴が着崩れたと愚痴をこぼす友達もおらず、この時ちょっと泣きそうになった 笑

そんな時に、

なんと友達から電話がかかってきたのだ!

一緒に写真撮りたいから合流しようって

本当に嬉しくてすぐに友達の所に向かった。友達と無事合流し、7組くらい並んでいる卒業生の撮影スポットで2人で写真を撮ることにした。その撮影スポットは卒業式で絶対に撮りたいって思ってた所だったから夢叶ってたり!って感じでウキウキ(笑)

けど、そんな自分とは違い友達はそわそわした様子で庭にいる集団の方を見る。どうしたの?と言うと

ゼミの集まりがまだあって、そろそろ集まらないと自分が置いていかれる、ということだった

正直私はそこでめっちゃ写真を撮りたかったけど、友達が仲間はずれになってしまったら可哀想なので並んでいた列から外れて解散した。友達は小走りでゼミの集団の方へ走る。ゼミのみんなが友達を優しい笑顔で迎え入れてる。友達が輪の中に入ってすぐに笑いが起きて本当に楽しそう。

結局私は写真を撮れずに一人で大学を後にした。

一人で帰るときに高校から大学が一緒の1番仲のいい友達に会った。けどその子は友達と一緒で、すごく楽しそうに自分が撮りたかった写真スポットに並んでいたので虚しさが倍増した…

自分って最後まで中途半端な存在だなとか色々考えてしまいまた泣きそうになった

帰りの電車、ゼミのグループで今日は参加できなくなった、ごめんねとLINEがきた…

元々少人数で遊ぶ予定だったけど2人キャンセルになったことで中止になった…

楽しみにしてたこと全部なくなったなあとか思いながら

大学生活を振り返ると全然キラキラしていなかった。

卒業式っていうイベントに乗っかってキラキラを体験できると勝手に期待してた自分、お馬鹿すぎるな。

爆発的な喜びもなく最後までモヤモヤとしている自分、どこで間違えたかなあ なんて反省したり。

ゼミで仲良くなろうと結構頑張ったんだけどな…

昔からの友達や彼氏には叶わないよね。

けどこの爆発的な喜びがなく平穏に生きる自分だから他人の痛みに敏感になれたのかも、とか思い込んでおこう。痛みの数だけ優しくなれるのだ

絶対そうだ!(強制



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?