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イギリス現地校のPTA委員をしながら、日本のPTA見直しのニュースを読んで

「コロナ以降、保護者の参加率が低くなった」とロンドンにある公立小学校の校長。長男の学校は、クラス毎に2人のPTA代表を募るが、なかなか見つからない。次男の学校も、PTAの候補者不足だ。公立の学校は資金不足の為、親達がイベント等で集める資金は大きい。次男もその資金で劇場に連れて行って貰い、喜んでいた。日本のニュースで、PTAの解散が始まった記事を読みながら、役員や委員不足はロンドンと同じだなと感じた。一方で、私達家族が経験しているイギリスのPTAは自由で任意的だ。

長男の学校の現PTA会長は、専業パパ。ビジネスのように、イベントを次から次へとリードし、保護者のパーティーやオークション、フードフェスなどで資金集めをしては学校のパソコンを買い揃えたり、校庭の工事を可能にしたりする。有能で献身的な親の存在は大きく、先生達も頼っている。頻繁にある校外学習も、数人の親がサポートで同行する。

行事は毎回、大変だ。あまりにボランティアが集まらないので、少ない人数で複数のイベントを同時に企画する羽目になったりする。それでも、クラスのクリスマスパーティーで「人生で最高の日だ!」と低学年の子が言うのを耳にした時などやり甲斐を感じる。又、コーヒーやお酒を飲みながら交流して仲良くなると、子供達も遊ばせやすいし、いろいろと便利だ。風通しが良い環境のメリットは、職場も学校も同様ではないだろうか。

アメリカに引っ越したパパも、ビジネスを経営しながら、張り切ってクラスのPTAをしている。引っ越して早々、子供達が学校に馴染むよう人脈づくりを意識しているのだろう。

共働きの親が多い時代、PTAを続けるのは困難かもしれない。しかし、学校に積極的に協力する親達が少数でもいれば、子供達に大いに役立てる可能性がある。それが保護者のストレスになってもいけないので、楽しんで自由に参加できる環境があれば理想的だろう。スタッフや資金不足でも、保護者の誰もPTAをする余裕など無い、という学校もあるかもしれない。それはそれで社会の問題だと思う。


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