見出し画像

【詩】鳳仙花

祖父の野に咲く ほうせんか
純白のベベ 金魚の尾
ひらひらとなり 愛しくて
過去の私を 影にみる

傷つけ誇る ほうせんか
大きな花弁 持たざるに
鋸の歯ならび 肌に悪し
鏡うつしの 我が心

十年生きて 秋空に
思い出語る 祖父の口
悲しく夜が 出迎えて
いつか終わりの ほうせんか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?