それでも人生にイエスと言う(?)
【ピエロの手記45 断章33】
おまえはイエスと言えるのか
自分を賎民だなどと開き直って
たかが愛着障害ではないか
うらやみ、ひがみ、妬み
お前のまとってきた情念はなんとマイナーなことか
「人を妬むなんて最低だわ」その言葉を残して
彼女は去っていった
白鳥は悲しからずや
空の青 海の青にも 染まず漂う (牧水)
白鳥は自分の情念を語らない
自らを理解してもらうことを求めない
理解してもらい
共感という名の同情を求めるのは
浅ましいことだと知っているからだ
白い雲の上に曼殊沙華が咲いている
背伸びする 手を伸ばす もっと延ばす
あの花に届いたら ❛イエス❜ と言えるのではないか
‟悲しいピエロ”
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