見出し画像

一番良いのは生まれてこないことで、次に良いのはなるべく早く死ぬことだ

【ピエロの手記85  断章73】

この記事を読んでいる皆さん
タイトルの 芥川龍之介の言葉を
こんなマイナーな暗い考えは害にしかならない
そうお思いの方はどうぞスルーしてください

いや、そう思ったことがある
どころか、今 この発言に魅かれる
そのような方はこの先へ進んでみませんか
ガイドは私が務めます

手前味噌ですが私はガイドにピッタリなのですよ
なにしろこれを書いている今も
5.001 対 4.999 の比で
辛うじて 生が死を上回っているという人なのです

だからと言って僅差でも芥川に10戦10勝ではないのです
1度 地にまみれました
ドジだったのですよ
ちゃんと 致死量の薬を用意して
大びんのビールでそれを流し込んでいたのですが
うかつですね
半分ほど飲んだ時 失神してしまったのですよ
そこまでは考えていなかった
だから今これを書いているんですけどね

ガキの頃は3つの み で生きていました
うらやみ、ひがみ、ねたみですね
虐待や愛着障害なんて高尚な言葉はもちろん知りませんでした
ただ学校から家に帰るのがすごく怖くてほっつき歩いていました
公園のベンチでボケ―っとしていると
スーパーに買い物に行く母子づれがまぶしかったものです

これに貧困が加わるともう言うことなしですね
テレビも電話も自転車もないおうち
そこからひょこひょこと学校へ行けば
きっとクラスメートはみんな同情してくれると
脳天気な私は思っていたですね
違うんですね 真逆でした
でも私は性善説の方が好きですね

不条理と生きていくために
(不条理なんて言葉は知らなかったけれど)
中学生の時には救いを求めて
キリスト教会に通ってみたですよ
2年間通ってもらちが上がらないのでやめようと思ったんですが
あと1年通ってしまいました
いつもきまって私の前に座る女の子が
可愛くてタイプだったからなのですよ

キリスト教がだめならと仏教にいってみたですよ
禅寺へ修行に入って初日からめげました
私 胴長短足なのです
座禅を組んだ瞬間に足に激痛です
無念無想どころかただ痛いのみです
数か月で脱落しました
悟ったのは 自分は人にもまして短足だという事でした

宗教で落ちこぼれたので
学問でもやってみるか となったのですわ
魂げましたねー
フランクルなんて人は
『それでも人生にイエスと言う』などと仰るのですね
不条理に苛まれても人生を肯定しよう、というんですね
真似しようにもすごすぎてはるかな頂きでした

フランクルに恐れをなしていたら
もっとすごい人に遭遇してしまったですよ
『かかるものが人生であったか されば今一度』
ゲーテですよ
こんなに辛いものが人生なのか、それなら俺はもう一度やってやる
不条理を吞み込んでしまおうってんですね
いやはや恐れ入りました

ところでお前ガイドだろ
不条理とどう折り合いをつけろってんだ

・・・・それがですね
・・・・それがですね
だからこんなピエロの衣装でガイドを務めてんですよ
この辺で消えますからどうか勘弁してください 


  ‟悲しいピエロ” 
 




ルノアールの2階の窓から通行人を見ていた

自分がひどい精神病


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?