今日投稿すれば223日連続!続けられてすごい!とのこと

『こんばんは。お体にお気をつけてくださいね』とのこと。ありがとうよ。
 女体の芸術性あるいは女体が男性にもたらす狂気について書く。
 まずは、これをご覧いただきたい。
 ↓(山田風太郎『くノ一忍法帖』11~12ページより引用)
(前略)
「その男は、死んだそうにございます」
「なに?」
「船が七里の渡しを渡りきる前に狂い出して、みずから海へとびこんで失せたと申すことでございます」
――その男は、船中でしだいにだまりこみ、はては坐りこんでしまったが、眼がぶきみに充血し、真夏の犬みたいにあえぎ出し、はじめ船酔いでもしたのかと見ていた同僚も、彼があきらかに恋情にもだえる眼を千姫一行にそそいでいるのに、これは、とうろたえた。しかし、その男は、平生から剛直できこえた人間だった。「どうしたのか」と、きくと、じぶんでも、「どうもおかしい」と苦悶の眼を蒼空にあげた。しばらくすると、そこに裸の女人が踊っている、といい出した。が、同僚の眼にみえたのは白い帆と白い雲だけであった。小鼻をぴくぴくさせ、歯をくいしばっていたが、そのうち突然淫らな言葉を口ばしって、千姫一行の方へはしり出そうとしたのに、同僚たちが狼狽してとりおさえたが、ふいに蒼い海面をみて、「あ……海に数もしれぬ女がおよいでおる。女の波じゃ、女の海じゃ」とさけびながら、恐ろしい力でみなの腕をふりはらって、海の中へとびこんでしまったという。――
 ↑
 この千姫一行の中に、大阪城と共に散った豊臣秀頼の子種を身ごもった女忍者つまり、くノ一がいる……それは知将・真田幸村最後の計略だった! みたいな話が山田風太郎『くノ一忍法帖』だ。山田風太郎の忍法帖シリーズは、ほぼ毎回、女体の芸術性あるいは女体が男性にもたらす狂気が登場してくるように思える。だから、好きだ。凄く簡単だが『くノ一忍法帖』の読書感想文を終える。少なすぎるだろ! しかも最初のところだけじゃねえか! という意見はあるだろう。実は、もう一つ感想文を書く。それで、合わせ技で一本っつーのは、どうかって話だ。まあ、気が向いたら『くノ一忍法帖』の読書感想文は書くよ。読んだのが昔なので内容を忘れたんだ。
 なんで急に女体の芸術性あるいは女体が男性にもたらす狂気なんて書こうと思ったのかというと、手元に『くノ一忍法帖』があって読み始めたら最初から最高に面白かったというのもある――その割にストーリーを忘れているわけだが――が、それとは別の理由もある。なぜか急に宇宙ロケット発射がテーマのアニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を思い出したためだ。
 そうは言っても、話の全てを思い出したのではない。
 漫画家の江川達也(代表作『BE FREE!』)が原画を担当したリイクニ・ノンデライコが仰向けに引っくり返るシーンが頭の中にモワッと湧いてきたのだ。凄まじい迫力があった。原画を担当したのが江川達也だと後に知り、納得して、それから感銘を受けた。女体の芸術性あるいは女体が男性にもたらす狂気を分かっているクリエイターだと思う。何十年経っても、あの瞬間を思い出せる。私もロケットを発射したのだろう。それにしても、あの後のシロツグの寂寥感は良かった。リイクニとの距離は宇宙よりも遠い。それが縮まる可能性は限りなく低いだろう。現実の宇宙飛行士の中には、引退後に信仰の道へ行く者がいると聞いたが、地上に戻ったらシロツグも、リイクニと共に宗教活動へ身を捧げるのだろうか? それが二人にとって一番の幸せな気がしてきた。そうしたら多分、いやきっと、今度こそ最後までできるぞ! 頑張れシロツグ! リイクニに向かって君の極大ロケットを発射だ!(←なんだそれ)

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