歓待日1:セントポール寺院とLes Miserable

東京で同じ大学で、専攻と年齢は大分異なりますが同窓で、イギリス北東部に留学中の院生Yさんがロンドンにやってくる!ということで、ロンドンで一緒に時を過ごしました。

「せっかくハヤシさんとご一緒するのだから、教会をみたり体験したい」とのことで。実は、そういわれることが結構あります。日本の皆さん、キリスト教を知りたい体験したいという、とくに若い方でそのような方は少なくないと思うのだけど、日本にキリスト教が定着しないのはなぜなんでしょうか。まあ、その話は今はおいといて。

この日は午後遅くにセントポール寺院へ、SOHOエリアに戻って中華街で温かい中華料理、その後その近くの劇場Sondheim Theatreで上演されている念願の「レ・ミゼラブル」の観劇です!

人生で最初で最後だな、セントポール寺院の先端まで階段で昇るのは。あのランドマーク的なセントポールの塔の先っぽまで昇るのは心臓的にきついだけでなく、結構怖いのです。階段は狭く、足場も決してよくはなく、ふくらはぎもプルプル震えます。

その代わり、サンセット時によい風景と出会えることができました。

学生料金で入場料£22、高すぎやろ!礼拝に出席するためならば入場料はただですが、その時間に合わせるのは結構困難です
実際は写真より綺麗だったです
正面、この時期のこの時間が美しかったです

個人的に「観なければ」と思っていたのが、最近(いつだったか忘れましたが)寺院内に設置された像です。さて、誰の像でしょう?閉館時間を過ぎてしまったので、ヤードに設置された像には直接には近づけず、柵の外から撮影です。

こ、この後ろ姿は……
そう、ジョン・ウェスレーです!

この像がセントポールズに設置されたとのニュースを知った時には、国教会側からのメッセージ性を感じたものです。「ウェスレーは、なんだかんだいってうちの教団の司祭ですよん」とか「メソジストの皆さま、仲良くやっていきましょう」というような。見当違いだったらすみません。ただ、ウェスレーの『日誌』には、このセントポール寺院のことがよく出てくるのは事実です。Old Streetのウェスレーズ・チャペルへ向かう途中、よくここを通ってます。わざわざそれを記述しているんですよね。

バスでSOHOに戻り、ミュージカルを観劇する前に、レスタースクエアの中華街で急いで夕ご飯をいただきます。場所は、聖マーティンで香港人コミュニティの方たちから紹介されていた「新羊城」です。とにかく寒い日だったので、比較的リーズナブルで温かくなれるごはんということで、中華。このお店、前に一人でランチを食べた時より、今回は二人だったこともあっておいしかったです。

で。長年の念願だった「レ・ミゼラブル」です!
相方の彼女は、若いだけにそのエネルギーを存分に使って「予習」をしてきている様子でした。一方私はといえば、ビクトル・ユゴーの原作の大ファン!というくらいの認識度でしょうか。あとは、一年前までやっていた子ども英語教室での「歌コーナー」でこのミュージカルの肝、People's Song「民衆の歌」を取り扱った、とか。

イギリスの劇場にくると、いつも「案外狭い」と感じるのですが、さすがにレミゼでそれはないだろう、と予想していました。が。ここでも狭くて素敵なのでした。演者と観客が本当に近くて、一体感がすごいです。

写真では下方切れてますが、ユゴーのサインだけでもう、萌えてしまいます

7時に劇場入りをして、7時半開演。9時ごろに休憩が入り、最終的に終了したのは10時過ぎだったでしょうか。要するに、決して短い上演時間ではないのですが、もう2人とも大興奮です。休憩時間も帰り道も、しきりに感動を共有したのでした。原作があれだけの大作ですので、ミュージカルの展開が速いのは、まあそうだろうと思うのですが、だからといって決して雑ということではありません。

ジャンバルジャンの死の場面では泣くんだろうなわたし、と予想していましたが、やはり涙腺は崩壊してしまいました。もちろん笑える場面もたくさんあります。悲しみ、笑い、泣き、怒り、これらを3時間で目まぐるしく味わえる、芸術作品としても至高の、最高のエンターテイメントです。

ただ、ここでこの記事を公にしている以上、これからロンドンのレミゼを鑑賞したいと思っている皆さまにぜひおすすめするのは、「予習」はしておけばしておくほど楽しめるということです。観客席の最前列には、ナポレオンのコスプレで鑑賞している「かぶりつき客」の方もいて、彼自身もより楽しんでいるようだったし、周囲もその方のおかげで楽しさを倍増することができました。こういう役者と観客との一体感や、俳優さんたちがソロ独唱が終わるたびの歓声・口笛・拍手から伝わる一体感もまた、イギリスで演劇を楽しむということだよな〜と改めて実感したのでした。

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