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11.愛でる

彼と久しぶりにデートをした。
何ヶ月ぶりだろうか。

もしかしたら、
今日で最後になるかもしれない。

そんな覚悟もしつつ、
いつもの待ち合わせ場所へ向かった。

いつもと変わらない彼。
あぁ、待たせたねという顔をして、着席した。

なにか食べる?
うん。君はなに食べてるの?
え?白玉クリームあんみつ。
そうなんだ。俺、カレーライス。
あ、私もカレー食べる。
そんなに食えるの?
うん。大丈夫。


そんな、いつものやりとり。


そう、いつものやりとり。


遅くなったけど、誕生日プレゼントを贈った。お揃いの腕時計のベルトにした。もちろん、knotなのだけど。

2人ともApplewatch、そして、同じ革のベルト。「よしよし、これで私の彼だからね」束縛の標。呪い。愛情。マーキング。


ほら、わたし、一生片想いだから。
(こちら参照あれ。↓ )

他の誰にも彼を取られたくない。(俺は誰のものでもない、とか言うけど)
日常生活の中に、私とのお揃いのものを散りばめる。昔より逢える日が減ったからこそ、余計に。私の存在を植え付ける。

彼はおじさんなのに、なぜかモテるから。
これ以上、もてるのはやめてくれ。毎日眠れなくなる。

今回、たくさんたくさん話をした。世間話、仕事の話、最近の話。そして、私たちの関係について。

モヤモヤしたものが最近多かったから、徹底して話をした。こんなに彼を追及したら、もう逢わないと言われるかも、と思うくらい、ドロドロした感情とか怨念とか不安とか疑念とかを丁寧な言葉に乗せて伝えていった。


結果、これまで以上に、お互い大事に想いあえる関係になれたかもしれない。いや、なれた。そう思えた。相思相愛ということ。

私が思っている以上に、彼は私のことを大事にしてくれていることを確認した。そんな彼が可愛くて可愛くて可愛くて、おじさんなのに頭をナデナデ。「なんで、頭を撫でてるの?」「うん、可愛いから」そう答えてからも、ずっと彼の頭をナデナデした。

そう、私は彼を愛でる。一生ね。


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