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金貨を購入して分かった金の魅力と価値

金価格が高騰している。今年に入ってすでに円ベースで昨年の最高値から30%程度の値上がりだ。世界的に金利が高い中で金利のつかない金が値上がりしている理由は「なんちゃらエコノミスト」の方々に解説を任せるとして、この記事では金の持つ魅力(魔力)と投資方針を伝えようと思う。

自分は金の現物を所有している(正確に言うと金貨)。資産のポートフォリオに占める割合は1%未満。

Gekko資産ポートフォリオ

割合は少ないが、以下の記事で記したように金投資は継続方針としている。

自分が金貨を初めて購入したのは約10年前のことだ。現在の相場では約200万円、購入時価格から約2倍強となっている。ちなみに金は今世紀に入ってからの値上がりが10倍を超えており株式のパフォーマンスを凌駕している超優良資産だ。

余談だが投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏は金への投資に否定的で有名だ。金は輝いているだけで利息や配当などの価値を生み出すわけでなく、同じコモデティ商品の原油や穀物のように有用な使い道がないためだと言われている。しかしリターンを見ると投資の神様がいつも正しいワケではないことが分かる。

gあたり金価格推移

なにも自分の相場の先見性をドヤりたい訳ではない。そもそも金への投資は証券会社でETFや投資信託を購入するのが安全性と税制面から理にかなっている。合理的に考えればワザワザ金の現物を買う理由はナイ。

なのになぜ金貨を買ったのか。

一言でいうと「金」というものを手にしてみたかったから。
好奇心である。


きっかけは当時上司だった役員に会議室で金地金を見せてもらったことだ。金地金とはいわゆる金の延べ棒だが、ルパン三世が盗みに入る金庫にあるようなあんなにデカイやつではナイ。

その役員は相当な資産家と噂されていて、いつも穏やかで気取らず偉ぶらず誰とも気さくに話す優雅なオーラを纏った人だった(その人と話すと「金持ち喧嘩せず」というワードが頭に浮かんでいた)。

その人が会議の後でおもむろに金地金を取り出して、これから値上がりするから買うといいよと見せてくれたのだ。数百万円もする金地金を会議室で見せられたのは仰天したが、そこで金の現物をはじめて見て触らせてもらい、その重さと輝きに興味を持った(18金の指輪くらいしか触ったことがなかったのだ)

たまたま会社のすぐ近くに金を購入できる某財閥系の店舗(ゴールドショップと自称していた)があったのでしばらく後に購入した。さすがに何百万もスル金地金は購入できなかったので金貨を選んだ。

初めて購入したのは「ウィーン金貨ハーモニー」。6種類の楽器がレリーフされた優雅なデザインだ。

自宅に帰り手に取って金貨を眺めてみた。金貨は通常の硬貨より重い。そして腐らず錆びつかない。照明に照らされ輝く「金」は、それそのものが価値あるものと思わせるのに十分な力があると感じた。現在の紙幣や硬貨を眺めて見とれることはないが、金貨の輝きには見とれてしまうのだ。

光に溢れ多くのキラキラしたものが沢山ある今の時代でさえその輝きは魅力がある。電気がなく一部の王侯貴族を除けばキラキラ輝くのはガラスくらいな中世以前に生きる人々には、金の輝きはまさに価値を保証するのに十分な役割を果たしただろう。

1971年に米国がドルと金の交換保証を停止して、紙や硬貨は金の裏付けがなくなり紙幣はただの紙切れとなった。それでも人々が紙幣の価値を認めているのは、遥かな昔から使われていた金貨の記憶が残っているからではないのだろうか。

だから実体のないビットコインをデジタルゴールドと名付けたり、以下のような画像イメージが使われているような気がする。

Bitcoinイメージ画像

以来十数回にわたり金貨をその店舗で購入していたのだが、転勤してからは購入しなくなってしまった。代わりに証券会社で金の投資信託を継続購入している。金貨を購入するより手数料は安いし税制面でも楽だ(金は売却時に雑所得となるので総合課税となり譲渡所得50万円以上は申告が必要)。おまけに現物を保管しておく安全面でのリスクはない。

実は金貨を買う以前にも金の積み立て投資をしたことがあったが続かなかった。金利も配当もつかないのに運用管理の費用だけかかることに魅力を感じられなかったのだ。上述のバフェット氏の理屈に近い。

しかし金貨を購入してその魅力と価値を認識してからは継続することが出来ている。仕事でもそうだが、投資でも現物を確認スルことで理解できることもあるということだ。

という訳で金投資は現物から投資信託に切り替えた。
しかし購入シタ金貨は今でも手許にある。
ヨーロッパのどこかの国だったか、詳しいことは忘れたが代々金貨を子孫に遺すと聞いたことがある。なので他の資産は使い切ってもこの金貨は君に引き継ぐのも面白い気がしている(イメージ的に現金より洒落た感じだしな)

もし自分が日本人の平均寿命程度に長く生きたとして、君にこの金貨を引き継ぐ時にはその価値はどのくらいになっているのだろう。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

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