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ブルーセーバーズ 第1話 集結

 2人のドラゴニア星人がどこかで会話をしている。

「次のターゲットは地球だ。リュウを偵察に行かせていたが、連絡が取れなくなった。」

「あのリュウがですか?」

「ああ。田舎の星だと思って油断していたのだろう。次はお前が地球に行き、征服して来い。」

「了解しました。アルファ様。」


 私の名前は双葉武人。今回は統一政府に呼ばれて本部に向かっている。統一政府とは地球上の全国を管轄している組織である。統治はそれぞれの国の方針に任せているので、世界征服しているわけではないが、平和維持のために最低限のことは管理している。なぜ私が統一政府に呼ばれたのかはまだ分からない。

 私が本部で受け付けを済まし、案内された部屋に入ると、そこには数人の人がいた。

「わざわざ来てくれてありがとう。君とは以前会ったが改めて、統一政府・地球防衛課課長のネイサン・トーゴーだ。私のことはトーゴーと呼んでくれ。」

「よろしく、トーゴー。」私はトーゴーと握手を交わした。

「さっそくだが君に紹介したい。我々の協力者、ナギだ。」

「どうも、ナギです。こいつらは俺の仲間のカールとジェット。」ナギが握手を求めてきた。

「私は双葉武人だ。よろしく。」私は握手を交わした。

「それで、彼は誰です?」

「ナギによると、今地球はドラゴニア星人という異星人に狙われている。そこでこの地球上で唯一ドラゴニア星人と戦ったことのある君に来てもらった。」トーゴーが言う。

「なぜそれを君たちが知っている。」私はナギに話しかける。

「我々はこの宇宙をドラゴニア星人から守っているギャラクシーズだ。ドラゴニア星人のことなら何でも知ってる。」ナギが流暢に話す。

「どうだかな。」ジェットが小声で言った。それを聞いてカールがジェットの頭を叩いた。

「要するに、ドラゴニア星人を倒せばいいんだな。」私がそう言うのと同時にトーゴーがテレビを点けた。するとテレビでは異星人による虐殺事件が報道されていた。

「さっそく任務だ。頼むぞ、双葉。ギャラクシーズも行ってくれますね。」私とギャラクシーズの3人は頷いて現地に向かった。


「驚いたな。まさか機械を使わずに飛べる人がいるなんて。」ナギが武人に話しかけた。

「私は魔法使いなんで。宇宙にも魔法はあるのか。」武人がフレンドリーに答える。

「宇宙には当然魔法を使う人もいるわ。それが何か?」カールがジェット機を展開しながら質問する。

「地球では魔法を使える人の方が少ないから、差別があったりするんだ。」武人はうつむいて答えた。

「そんなことをする人はレベルに低いヤツだ。気にしなくていい。」ナギがまっすぐ見たまま答えた。

「ありがとう。」武人が少し笑顔になる。


 現地に到着すると、そこには1体のドラゴニア星人がいた。

「前にも似たやつが来たな。この星から出て行ってもらうぞ。」武人が魔力を込めて言う。

「お前か?リュウを倒したのは。俺はゴン。この星を征服しに来た。」

「そんな堂々と言うか?」ナギたちも武器を構える。

「攻撃魔法:ショックスタン」まず動いたのは武人だ。ゴンに攻撃魔法を放つ。

 それに合わせてギャラクシーズも攻撃をする。3人は以前とは見違えるほど見事な連携をしている。4人の攻撃にゴンが後方に大きく吹き飛んだ。

「やるな、3人とも。」武人がニヤリと笑う。

「お前も、魔法の練度がなかなかだな。」ナギがそれに応える。

 ゴンは何事もなかったかのように立ち上がった。4人は再び戦闘態勢をとる。するとそこに何かが近づいてきた。

「何、ちんたらやってんだ。手柄は俺が貰うぜ。」男はそう言うとゴンに攻撃した。

「九条流:白虎衝撃波」ゴンが再び吹き飛んだ。

「誰だお前は!」ナギが言う。

「俺は九条慶太。この地球のスーパーヒーローさ。」慶太が答える。

「あなたが噂のセーバーというヒーローか。」武人が言う。

「これはこれはいつぞやの弁護士じゃないですか。あなたもヒーローだったとは。ええと、名前は双葉ブジンさんでしたっけ。」

「たけひとだ!」武人が叫ぶ。

「まったくふざけたやつらだ。」ゴンが再び立ち上がる。それを見て再び慶太が突っ込む。

「おい、待て!少しは連携を!」そう言いながら武人が、そしてナギたちが後に続く。だが、その4人の足はすぐに止まることになる。慶太がゴンと互角の勝負をしているからだ。2人の叩きに付け入る隙がまったくない。だが敵は戦闘民族のドラゴニア星人。だんだん慶太が押され始め、慶太は吹き飛ばされた。それを武人の魔法で受け止める。

「大丈夫か?」武人が慶太を心配する。

「なぜ、戦闘民族でもない君がドラゴニア星人と戦えるんだ?」ナギが尋ねる。

「そりゃあ、俺が天才だからでしょ。」慶太は起き上がり再び立ち向かう。

 今度は5人で攻撃を繰り出す。先ほどに比べると、少しは連携が取れている。だがそれも空しく、ゴンは簡単に5人を払いのける。

「くそ、このままじゃダメだ。おい、ナギ前みたいに隙つくれ。」ジェットがブラスター弾の準備をする。

「みんなヤツに隙を作れ!」ナギが大声を上げ、それとともにジェット以外の全員が動き出す。

「5分経過、チャージ完了!これで終わりだー!」ジェットがそう言い、ブラスター弾を打つ。

「おわ、ちょ、待て!」ナギたちが急いでその場から離れる。

ブラスター弾がゴンに直撃した。

「こうした方が確実に当たるだろう!」ジェットがニヤリと笑った。

だがゴンは何事もなかったかのように立ち上がる。一同驚きで目を丸くする。

「な!?ドーラは倒せたのに…。」カールがボソッと呟く。

「なるほど。ドーラを倒したのはお前たちだったか。だが残念だったな、俺はドーラの10倍強いぞ。」それからは一瞬だった。ここにいる全員がやられた。今ままでゴンは全然本気を出していなかった。まったく歯が立たなかった。

 武人が転送魔法によって、何とか全員統一政府の本部に逃げることができた。本部に戻ったが、圧倒的な敗北により口を開く者はいなかった。

ーTo be continued ー

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