脳裏には……ケツミトンの逆襲

私の名前はケツ野ミトン。
ちょっと月ノ美兎さんに名前が似てるからってみんなして委員長委員長うるさいんだから!!
もーー!!ミトンプンプンだからね😠~!!

年齢は43。
おまけに独身。
タバコが止められなくて……安月給の中、タバコ税で圧死しそうな毎日を送っています。

ある日の帰路。
私、ケツ野は公園のブランコの下に段ボール箱が置かれているのを見つけました。こども達の邪魔になるなと思い、女子トイレの給水タンクに押し込みました。なんか段ボールに黒文字で「拾ってください」と書かれていたし、なんなら何か生命体特有の温度を感じたのですが、何も感じなかったことにしてぐちゃぐちゃに丸めて押し込みました。私はキレイ好きなの!!

身体がやけに冷たかったので76度のお風呂に浸けると、見事に皮膚が剥離して完全なる脱皮に成功した。皮を電気ストーブの上で乾かし、日課のシャボン玉を空高く浮かべる。そうして男は排泄ASMRを聞きながら深い眠りについた。松たか子みたいに。

男は翌日会社に出勤すると、何故か他の女子社員が驚いたような表情を見せるので怪訝な顔で見返して尋ねた「ネギとキュウリは馬鹿に料理させない方がいいですよね」
「そんなことよりケツ野さん。顔大丈夫?1日ですごく老けたじゃない。」
女性社員は眉間に皺を寄せて言う。
周りの女子社員達が不安そうに首肯する。
「昨日、お風呂に浸かりすぎただけだよ」
男はぎこちない笑顔で誤魔化した。

次の日から、この会社の女子社員は謎の死を遂げるようになった。
一人は瘡蓋の取りすぎでショック死。
一人は脳天に穴ぼこを開けてショック死。
一人は鉄骨渡りに失敗してショック死。

そうしてある日、俺はは上司に呼ばれて会議室にやって来た。

「とうとう、会社の中で女性社員はケツ野さんだけだ。この事件何か知ってるんじゃないか?」上司の男は語気を強めて言った。

「フフ、何か勘違いしてるみたいですね」

「何がだ」
今にも殴りかかりそう勢いで上司は聞き返す。

男は応じる。

「この会社に女性社員なんてもういませんよ」



ある日の帰路。
男は宇宙式転送術で地球までやって来た。
地球で言う道草みたいな感覚だ。
すると道端に段ボール箱を発見した。しかも中には弱っている仔猫が入っていた。
猫は食ったことがないな……どんな味なんだろうか。
男は興味本位で猫を摘まんで一口で飲み込もうとした。その時、
にゃ~………みゃ……
仔猫が弱々しい鳴き声ですり寄ってきた。
恐らく俺の事を親だと思っているんだ。
捕食者を仲間だと勘違いしている……。

この時、男の中で弱者を愛でるという感情が生まれた。

ここは車通りが多い。
近くの公園に持っていこう。
男は急いで段ボール箱を公園へ運んだ。

公園の入口に近く陰になりにくいブランコの下に置く。
段ボールを開けると猫は大分小さくなっているように見えた。

多分コイツは腹が減ってるに違いない。
早く取ってこなければ。
男は外敵避けに段ボールを逆さにして置くと走ってその場を後にした。

少し経って男が戻ってくると段ボールが無くなっていた。

男が辺りを見回していると、女がトイレから出てくるのが見えた。

「あのっ!!そこにあった段ボール箱を知っているか?!」

「あ~~、さっきの箱?捨てちゃ悪かった?」

「捨てた!!??」
男は女の胸ぐらを掴む。

「どこにだ!?」

「トイレのタンク……」女は怯えたよう調子で答える。

「なんだこれは…………なんだこれはっっ!!」
給水タンクには水でふやけた段ボールと冷えた仔猫が入っていた。

「貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴禄貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貢様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様貴様!!」

男は女の額に念波を送ると、女は穴という穴から泡を出す。

ウッッ!? ブォエッッ!!??

男の能力はその人が恐ろしいと思う幻覚を直接脳に送り込んでショック死させるというもので、ケツ野はそのまま出涸らしになるまで泡を出して死んでしまった。

男はそのときに弱者をいたぶる快感を覚えた。

圧倒的な力の差で分からせる感じ、最高にゾワゾワする。もっと多くの弱者をいたぶって殺したい……。

男はケツ野の亡骸を抱き抱えてその場を後にした。


「この後は察するに容易い。」
男はケツ野の顔を破ると、ニッと笑う。

上司は走って逃げ出そうとするが思うように進めない。いや、進んでいるが進んでいない。ドアまでに無限の距離を感じる。
上司はパニックで気が動転するとその場で痙攣し始めた。