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思い出いっぱい図書館最後の日


10年以上前に
まだ小さかった子供と通った
図書館の最後の日の事を書こうと思います。

規模も小さく
子供を連れていくのに
ちょうどいい広さ
蔵書数は少ないとはいえ
迷って選ぶのに十分な数でした。

ちょうど良い加減のその図書館で
絵本を10冊借りては
持ち帰る。
DVDも借りてみる。
ときには
紙芝居も借りていく。
そして夜寝る前に一緒に読む。
そんな日々が思い出されます。

少し子供が大きくなったときも
子供は漫画を借り、私も好きな本を借り、返すのが億劫になりながらも結局また借りては 何度も行き来をした場所です。

いつしか
子供たちは成長し、私も時間がなくなり足を運ぶことがなくなった
図書館。

なくなってしまう前に
どうしてももう一度行きたかった。

たまたまバイトも終わり
家にいた娘に「今日で最後だから」と声をかけると
「どちらでもいいよ」とあまり乗り気でない様子。それを承知で強引に連れだした。

随分久しぶりの図書館。
けれども
何一つ変わっていないその場所で
自分の決まった足取りを思い出し
ゆっくり回ってみます。

娘の顔もみるみる変わるのが
見てとれます。
「あー、こんな感じだった!」「これ借りたわぁ〜」
とても懐かしそうです。

私もしばらくその懐かしい場所を
眺めていると
じんわりと「ありがとう」の気持ちが心に広がってきます。

あの頃は
「いろんな話を聞かせてあげたい」
「いろんな世界を知ってもらいたい」
なんて思いながら、足繁く通ったのだけれど
時が経った今、
読んだ本の内容は ほとんど忘れてしまっていても
この場所自体が「記憶」として
子供たちの中に残されたんだなぁと
わかります。

思い出の一つになったかな。

最後に訪れた事で
私たちの中に
新しい思い出もまた増えました。

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