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「地域を愛し、地域とともに歩み、ともに発展する金融機関として」きのくに信用金庫が”戻り苗”を育てる理由とは〜戻り苗導入事例〜

気候も人も温かな和歌山で地域の発展や暮らしに貢献するきのくに信用金庫様。ラダーシェルフ型の戻り苗を導入いただき、育苗を行っています。今回は、取り組みの背景や今後の発展について、専務理事 営業本部長 兼 地域支援部長の岩橋様に、株式会社ソマノベース代表取締役社長の奥川がお話を伺いしました。

和歌山県を、戻り苗と一緒に育てる。

奥川:
きのくに信用金庫様との出会いは、2022年8月の和歌山スタートアップ創出事業の審査会でしたね。

岩橋氏:
そうですね。奥川さんの想いや設立のきっかけ、”戻り苗”のアイディアを聞いて共感したのがきっかけでした。私たちも当地和歌山で地域の活性化や、お客様に寄り添った活動をしているので、ぜひ一緒に取り組みができればと考えました。

奥川:
私も馴染みのある御庫とご一緒できることになり、とても光栄に思っています。

私は土砂災害に被災して、林業を知りました。和歌山県で生まれ育ったので”紀州材”という存在は知っていましたが、”山”の課題は知りませんでした。きっと私のような方も多いと思います。戻り苗が、地域の皆さん・職員の皆さんが和歌山県の”山”の現状や林業を知るきっかけになれば嬉しいです。

子供が地域と関わるきっかけづくりに向けて

奥川:
“戻り苗”は、オフィスで育てていただいた苗木を植林するというものですが、御庫としては今後どのような発展を考えられているのでしょうか。

岩橋氏:
私たちのSDGsへの取り組みの1つに、金融に関する出張セミナーがあります。地域の学生の皆さんに、平等に教育機会を提供することを目的に行っているものです。

ソマノベースさんでも、森林産業や林業に関わるツアーやワークショップをされていると聞いたので、是非当金庫を通じてより多くの方に広めていくことができればと思っています。苗木を育てて植林するというサイクルの中に、地域の学生さんや事業者の方を巻き込むことで、将来子供たちが和歌山の地に帰ってくれるきっかけになったらすごく嬉しいです。

奥川:
私自身、実は高校時代に被災するまでは、ずっと地元を出たいと思っていたんです(笑)
災害がきっかけで、地域の方とコミュニケーションをとる機会が増えて、「こんなに地元に面白い人がいるんや」と気付きました。そこからもっと地元のために仕事をしたいと思うようになり、今に至ります。

だからこそ、岩橋様のおっしゃる通り「子供のころに地域の人とコミュニケーションとる機会を作る」ということは、一当事者としてもすごく重要だと思います。

実は、小学校で”戻り苗”に取り組んでいただくことを考えています。4年生で育てはじめて、卒業時に植えに行く...その中に、森林産業に関わる方や地域の方と触れ合う機会を盛り込むことで、地域の人や仕事を知るきっかけになるのではないかと思ってるんです。

岩橋氏:
一度進学・就職で県外に出られた後再び地元へ戻られる方はごくわずかだと聞きます。私たちも、関係団体と連携して、社会見学の1つとして会社見学やUターンの方の話を聞く機会を作りたいと考えています。是非一緒に進めていきたいですね。

奥川:
弊社にも、新宮出身でUターンして一緒に仕事をしているメンバーがいます。そういった意味でも、是非お力になれればと思っています。

大事なのは、地域とともに歩むということ

岩橋氏:
「本当にこの取り組みで良いのか」とSDGsの取り組みについて悩んでいる事業者様に対して、SDGsの取り組み支援を行っています。事業者様ごとの強み・弱みを分析して、弱みの部分を一緒に考えて改善していくような取り組みです。

私たちは金融機関です。地域の皆様が何に悩んでいらっしゃるのか、何が課題なのかを一緒に考えて伴走し、持続可能な社会づくりに取り組んでいく...何でも屋さんとして地域の皆様と歩んでいきたいと考えています。

戻り苗のパネルにも「地域を愛し、地域とともに歩み、ともに発展する金融機関」
というメッセージが。

奥川:
以前、”戻り苗”の梱包作業の際、田辺支店の皆様に手伝っていただきました。そのような活動を沢山されてるんですね。

梱包作業をお手伝いいただいたきのくに信用金庫の皆様と、ソマノベースオフィスにて。

岩橋氏:
信用金庫は協同組織であり、地域の皆様とともに歩んでいく金融機関です。
短期的な営利目的ではなく、長期的に地域の経済や地域社会が発展するように、三方よしを目指していく必要があります。

我々のブランドスローガンである「夢をかなえるお手伝い」ということを職員にも浸透させながら、より高めていこうと頑張っております。

奥川:
事業者の皆様がSDGsの取り組みに悩まれているというお話がありましたが、このような声は最近よく聞かれるものでしょうか。

岩橋氏:
そうですね、取引先からどのように見られているかとか、どのように見せたらいいのか分からないという声も聞きますね。

奥川:
我々も取引先からの評価水準で求められることがあると聞きます。ただ、一から何かSDGsの取り組みを作るとなれば人手や予算をなかなか割けない...”戻り苗”だったらスモールスタートでできるので、どのようなことに繋がっているのか、どのように取り組みを始めたらいいかと悩まれている方には是非お勧めしたいです。

最後に。

岩橋氏:
地域金融機関として、地域社会の一員として、「何かあれば、きのくに信用金庫」という存在でなければならないと考えています。お客様の悩み事や課題を解決していくツールを様々な事業者と作りながら、地域社会を盛り上げていければと思っております。

奥川:
是非この取り組み(戻り苗)を通して、職員の方や地域の皆さんとともに、林業のこと・防災のこと・企業のことなど伝えていく活動をしていきたいです。そのような点でも、引き続き一緒に取り組みを広げていければ幸いです。

岩橋様:
ぜひ!喜んで!

奥川:
ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします。

私たちソマノベースは、きのくに信用金庫様とともに和歌山の地域発展を願って共に連携を図って参りたいと思います。

最後までご覧くださり誠にありがとうございました。


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