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カシオ CASIO “VL-TONE”

CASIO VL-TONE (1980)

1980年代に差し掛かる頃、日本でも、シンセサイザーというものがYMOの影響などもあって一般に知られるようになったのだが、そんな時流に乗って電子計算機メーカーのカシオが作ったのがコレ。計算機付き低価格ポータブルシンセである超小型キーボード、俗にVL-1とも言われている。

YMOに熱狂していた当時の僕は、キーボードマガジンやキーボードランドなどの専門雑誌を熱心に眺めていて、KORG MS-20などの本格シンセに夢中だっていたので、方や少年ジャンプとかに広告が載っていたこのVL-TONEのことは内心小バカにしていて、コレの魅力に気がついたのはだいぶ大人になってからのこと。
改めて機能を見てみると、簡易的な玩具ながら、なんと自動演奏(シーケンサー)やリズムマシンまでついている。
また、音作りについては、波形やADSRという音色を作る基本要素をすべて数字で表現するという、計算機メーカーらしい個性が発揮されている。
たとえば、1976500=アタック強めリリースタイム短めのピアノの音、などと、コマンドを打ち込むような感覚でややこしいけど、マニア心をくすぐられる。適当に打った数字で偶然面白い音を見つけるのも楽しそう。

可愛らしいポップなデザインと「スーパーマリオ」みたいなロービットのチープな音色で人気が再燃しているVL-TONE。
最近、スウェーデンのメーカー Teenage engineering が、VL-1デザインを踏襲した"op-1"というシンセを作ったが、op-1もカジュアルで遊び心満載の素晴らしいシンセだ。





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