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ローランド “TR-808”

Roland TR-808 (1980)

もはや説明不用のアナログドラムマシンの名機、通称“ヤオヤ”。

実は発売当初は不振だったというのも有名な話。これの直後にLINNとOberheimが揃ってデジタルドラムマシンをリリースしたことで、発売当時は先行するデジタル時代の波に乗り遅れた形になってしまったのだ。
しかし、この機材にしか出せない、ハンドクラップやカウベルなどの音に最先端のクリエイター達が引っかかって使われるようになったたことから、次第に人気が出て、ポップ・ソウル・ヒップホップ・ハウス・テクノなどのジャンルを超えて今も愛される機材となったわけだが、むしろ「アナログ」であることで逆に価値が高まった機材だといえる。

あまりの人気機種ゆえに定説の域を出ない説明になってしまったが、どんなサウンドかと言えば、アナログ独特の、抜けのよい跳ねた電子音が特徴で、ピコ太郎のあの曲、と言えば分かりやすいだろう。

今回、808を描くにあたって、デザインをじっくり観察して思ったこと。
1980年発売だが、この頃から音楽機材のデザインが、それまでのモダンで重厚感のあるものから、明らかに変わってきたということ。
それまでの機材は、ボタンやノブがシンプルな形で、規格化された共通のものだったり、グリッド上に端正に並べられていて、モダニズムを感じさせるデザインであるのに対して、808になると、パーツのサイズや形のバリエーションが豊富で、配置もグリッドから外れてランダムになり、ボディは構造が剥き出し、パネルのグラフィックの角が丸くなり、と、なんとなくポストモダンの香りが漂ってきた感じ。
80年代はファッションもインテリアもデコラティブ、無骨な感じものが流行ったけど、そんな時代の流れが、ドラムマシンにすら地味に現れているのが面白い。


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