有門萌子

詩をかいています。山羊座。 (Moeko Arikado)

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  • 詩【やわらかな季節】

    妊娠・出産・子育てにまつわる詩、ときどきエッセイ。 ちいさいひとたちとの、ひととき。

  • 詩とその周辺

最近の記事

LaVagueエッセイ「カルテ(表現における両性具有性について)」の参考図書一覧

茨木のり子さんの「表現をしようとする人は自然に両性具有的になると思う」という言葉(吉原幸子さんとの対談)に触発されてエッセイを書きました。 その際の参考図書一覧です。 ・『茨木のり子 没後10年「言の葉」のちから』より抜粋文藝別冊のKAWADE夢ムック(河出書房新社) ・『民衆の藝術』ウィリアム・モリス/中橋一夫・訳 (岩波文庫) ・『知られざる傑作』オノレ・ド・バルザック/水野亮・訳(岩波文庫) ・『トニオ・クレエゲル』トオマス・マン/実吉捷郎・訳(岩波文庫)

    • 詩誌「La Vague」に参加しています

      この春創刊の詩誌「La Vague(ラ・ヴァーグ)」に書き手として参加しています。 主宰である雪柳あうこさんの創刊のことば、ぜひ一度ご覧いただきたいです。 寄稿詩人の紹介として、10の質問に回答しています。 どうぞよろしくお願いします。

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        有門萌子(ありかど もえこ)です。 詩を書いています。 1990年兵庫県生まれ。 第33回伊東静雄賞奨励賞。 3児の母。星が好き。 ◆連絡先 moeko.arikado112☆gmail.com ☆を@にかえてお送りください。 ◆Instagram: 活動報告など ◆詩誌『La Vague』 今年創刊の詩誌に参加しています。 2022年  ・web詩集『星がみえる星から』(※公開終了) ・デジタル写真集『Moeko 1st Photo book』 ・第三十三回

        • 2023年もよろしくお願いします🌅 現代詩手帖1月号にて詩「へそと」に選外佳作をいただいていました(森本孝徳さん・選)。ありがとうございます。 今年はさらに自分の詩を求めて書いていきたいです。

        LaVagueエッセイ「カルテ(表現における両性具有性について)」の参考図書一覧

        • 詩誌「La Vague」に参加しています

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        • 2023年もよろしくお願いします🌅 現代詩手帖1月号にて詩「へそと」に選外佳作をいただいていました(森本孝徳さん・選)。ありがとうございます。 今年はさらに自分の詩を求めて書いていきたいです。

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          14本
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          29本

        記事

          「産痛」第三十三回伊東静雄賞奨励賞・受賞

          このたび、第三十三回伊東静雄賞奨励賞を受賞いたしました。 大詩人・伊東静雄の名前を冠した賞をいただくことができ大変光栄です。それとともに詩についての謎がさらに深まり、これからも色々書いてみたいという気持ちをあらたにしました。 受賞作「産痛」は掲載許可をいただき Instagramにて全文掲載しております。 また、2023年3月の伊東静雄賞贈呈式・「菜の花忌」付近に以下HPにも掲載される予定です。 個人的には伊東静雄が三島由紀夫から「花ざかりの森」の序文を依頼されて断っ

          「産痛」第三十三回伊東静雄賞奨励賞・受賞

          「命名以前(20w4d)」日本現代詩人会第26期・入選

          妊娠6ヶ月当時の詩「命名以前(20w4d)」に 入選をいただきました。(塚本敏雄さん選) ありがとうございます。 以下HPに全文掲載されております。 生まれてくる子どもへの名付けについての詩でした。 いただいた選評にとても心動かされたので、引用させていただきます。 妊娠や出産についての詩は誰に頼まれたわけでもなく自分でもよくわからないまま書きたくなるので書いているのですが、改めてこのように評していただくとたしかにこの非日常な日常である「不思議な世界」に惹かれてやまない

          「命名以前(20w4d)」日本現代詩人会第26期・入選

          「親の木」

          親と言う字は 「木の横に立って見る」と書くのだと 教えてくれた人があって そんな木持ってないと わたしは慌てた たのもしく前を歩くちいさな背中に 伸ばそうとした手がとまり すぐとなりの、まだ若くて細い たよりない幹に触れてみる 子が育ててくれているのは この木だ 子が生まれたときに この木も芽吹き わたしと、子のとなりで 笑顔と涙を肥やしに空へ伸び まだ細くてもしっかり地に根づいている いつかくる日に わたしがぐっと堪えて手を添えるための木 子のかわりに抱きつくことが

          「親の木」

          「範囲」

          子らと離れ ひとりきりの時間を過ごすと 使命を失って余ったわたしの注意力たちが ちいさな彼らの影をさがしている 今はいないはずの両脇の彼らを守るように 通行人や車にいちいち反応を繰り返し 過分な注意力に包まれながら ひとり美容院を目指す いつのまにか広がっていた わたしの範囲を 容易に縮められず ひとり分以上の世界を通り過ぎていく ショベルカーを見てはつい立ち止まり 横断歩道では左右ばかり確認して 歩調はゆっくりなまま 足元に咲く花の色を数えて ひとり分以上の範囲を漂

          「範囲」

          「出会い」

          園へ向かう途中の 交差点にある草垣に 息子は毎朝あいさつをしに行く 「いた」 おおきな蜘蛛をじっとみつめて 目をかがやかせている 均等に張り巡らせた巣に 大小さまざまの 朝露の玉が連なっている 風の通るうつくしい巣の中央で 小刻みに揺れている蜘蛛 返事はない 息子もそれきり口を開かない 信号が青にかわったので声をかけると ぱっと顔をあげた息子は 満足そうにわらい もう一度蜘蛛を振りかえって わたしに手を引かれていく 横断歩道を渡りきると 「だいちゃん、もう来てるかなあ」

          「出会い」

          「やわらかな季節」

          ちいさな手をひいて歩く道は 空高く昇った日に照らされ 流れるものはすべて ゆったりと動いていく 時々よろめくちいさな歩幅に合わせて 一歩を踏みしめているとき わたしはじっと待ちながら 人生の速度を落として 季節の風を感じている やわらかな体をしたあなたが生まれてきて 窓はひらかれ のぞきこんでいるわたしの内側に よろこびも不安も混ざりあって吹き抜け めまぐるしく これまで知らなかった はじめての香りがとどく いつかこの季節が過ぎても 窓はひらいたまま そのとき見える眺

          「やわらかな季節」

          それでも投稿したい詩人への【詩の投稿先まとめ】〆切別・月間年間スケジュール付

          本格的に詩作を始めてから1年半ほどですが、書きはじめの頃に「詩の投稿先」についての情報が欲しかったので、今回まとめてみることにしました。 「詩のようなものを書いてみたけれど、これは詩なのだろうか」「どこかに送って誰かに読んでもらいたい」詩をはじめた頃にそんな気持ちになり、自作の詩を応募できるところについて色々調べたりしました。 けれど、情報によっては古いものだったり、現在は受付を締め切ってしまっているものもあったりするなど、なかなかすんなりいかず苦労したことを覚えています

          それでも投稿したい詩人への【詩の投稿先まとめ】〆切別・月間年間スケジュール付

          【ご報告】デジタル写真集が発売されました

          このたび、写真集が発売になりました。 詩人・カメラマンとしてご活躍中の多彩なアーティストである紫衣さんに撮影していただきました。 巻末には紫衣さんの詩の言葉も添えていただき、感激でした。ぜひそこだけでも見ていただきたいところです。 無名の詩人の写真集なので、自分でも驚きなのですが、電子版にて以下より販売しております。 kindleunlimitedをご利用中の方は無料でご覧いただけます。 そもそもこの撮影に至ったのは、Twitterで紫衣さんが募集されていた被写体の

          【ご報告】デジタル写真集が発売されました

          「河原」

          なんだか歩きにくくて 頁をひらくと そこには丸石しかなかった 角が立たないようにもともと 生まれついている 川辺には どの石もほんとうに丸く こすれあって磨きあって 遠くに 流れてゆくものを見ると思い出す きみの 眼球も指先も丸かった そうじゃないものは まなざしと毛先くらい 間違ってなんかない あそこで流れてゆくのは 時だ 手元の方は速く 中央にいくにつれて ゆったりと その証拠にここには 日にさらされた丸石ばかり 身を寄せ合って乾いている だれか階段をください ここに似合

          「河原」

          孕みたてなかばの野良女はカタツムリになりたい

          どうして人間は子宮のある個体とそうでない個体に分かれているんだろう。細かい顔のつくりこそ違えどひとつの頭に胴体と手足、脳と胃袋と大腸小腸、頭蓋骨から脊椎・大腿骨、おおまかなシルエットやパーツは同じなのに子宮という臓器をもった方にわたしは生まれた。そしていまその臓器がどんどん膨らんでいくその中で、別の人間の心臓が動いている。 私事で恐縮ですが、現在第三子を妊娠中です。今年の冬に出産予定です。 母子手帳をもらいにいった時のことを元に「のらめ」という詩を書きました。(日本現代詩人

          孕みたてなかばの野良女はカタツムリになりたい

          information(2022年版)

          有門萌子(ありかど もえこ)です。 詩を書いています。1990年兵庫県生まれ。 ☆詩の掲載や選出歴など(2022年)◇第三十三回伊東静雄賞 奨励賞  「産痛」 ◇月刊誌誌への投稿(2022年) < 現代詩手帖 (思潮社)> (毎月20日〆・翌々月号掲載) ・1月号佳作 「恋するように生まれたはずだ」 ・3月号佳作 「八分前の太陽」 ・5月号 礫の朗読30篇 「からっぽの両手で」(誌面掲載) ・7月号佳作 「夜明けて」 ⇨バックナンバーのお求め (過去の特集も面白い

          information(2022年版)

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          朗読「鋪道の裂け目」

          詩を朗読しました! ちょっと声が小さいかも…。次の動画へ反省を活かします🙇 よろしければぜひチャンネル登録お願いします💐

          朗読「鋪道の裂け目」

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