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わかってほしいこと 治りかけのうつり人より

今日は、喜ばしい兆候が現れる
うつが寛解(うつがよくなる状態)期に
周りの方に気をつけてもらいたいことです。

小さな変化

うつなどの時には、何もできません。

しなければならないこと
したいこと
楽しみたいこと…

でも、心が安定してくると
できなかったことができるようになり始めます。

身なりを気にするようになる
食欲が安定する
中途覚醒せずに朝まで眠ている
お風呂に入る
家事をする
出かける
人に会う

はたから見ていると
「あら、病気治ってきているじゃない!」と
喜ばしいことなのですが・・・

継続に期待しない


残念なお知らせですが、そのできたことが
「できることとして本人が再獲得した」と
思わないでください。

できたことはたまたまできる状態になっただけ
なのです。

ですから、1回や数回できるようになったからといって
本人が元どおりに回復したと思わないでほしいのです。

そして、
またできない状態になっても、落胆しないでください。

心の状態は波がある、そう思ってください。

じゃあ、どう対応したらいいの?

うつなどの波は、
本人も荒れる大海原に放り出された小舟の上に
いるような感覚なのです。

たまに、凪が訪れて「できること」があります。
その時は、小さく一緒に喜んでください。

あくまでも「小さく」です。

うつり人は周囲の期待に応えようとし続け、
自分が壊れてしまった人です。

その思考癖は強固で
本人でもなかなか抑制することができないものです。

ですから、大きく褒められると
「こんなに私の回復を喜んでくれたんだから、
また喜ばせたい」という方向へシフトし、
できたことができなければならないこととして
本人を苦しめること、
プレッシャーをかけることになってしまうのです。

大きく喜んでいいタイミング

例えば、
お風呂に入ることがほとんどなかった人がいたとします。

「ほぼ毎日お風呂にはいれるようになった」というふうに
一つのできることが続き、
それを本人が抵抗なく、
普通にこなせるようになったら、
それが
「できるようになったね。よくなっている証拠だね」
と、ともに喜ぶタイミングです。

他のことも同じです。

・夢中になって本を読んでいる

・寄り付かなかったリビングで一緒に過ごす時間が長くなった

・音楽を聴きながら何かをしている時の表情が和らいでいる

・久しぶりに友人と会い、楽しんで帰ってきた

凪が増えてきた、
つまり心の安定する状態を獲得してきたということなのです。

うつは一生もの

もう一度言いますが、波がある状態はなくなっていません。

厳しい現実ですが、うつになった人は一生
うつと共生していくしかありません。
下手をすると、再発しやすいものなのです。

いちばん辛いのは本人です。
いつ、しけに襲われるかわからない状態で生きています。
慣れてくると、しけを予測できるようになる人もいます。

「小さな前進をともに小さく喜び、過度に期待しないこと」

小さな達成感を積み重ねて、よくなっていくのが
この病気の特徴です。

どうか、ご理解くださいませ。

今日はうつり人の周りの方にお願いしたいことを記しました。
ご参考になれば幸いです。


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