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レファレンスカウンターを使おう──案外知らない調べ方

 歴史雑記156
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はじめに

 今回の記事は小林昌樹さんの『調べる技術』(皓星社)を読みこなして、活用しているという人には全然必要ないと思う。
 逆に言うと、「あー、『調べる技術』を立ち読みしたけど、ちょっと難しかったわ」という人には役に立つかもしれない。
 始まりは、知人の編集者からの問い合わせであった。

あたりの付け方──「こういうのってどう調べたらいい?」
 その編集者──仮にHとしておくが──のもとに、ある作家さんから問い合わせがあったという。
 なんでも、「猫に関することわざや故事成語、スラングなどを、言語を跨いでできるだけ集めたい」ということらしい。
 それで、Hはこういうことに詳しそう(猫も飼っているし)な僕に連絡してきたというわけだ。
 この問い合わせ、確かにちょっとコツが必要だ。なにせ、①故事成語からスラングまで、②言語もできるだけ多い方がいい、と条件がついている。
 日本語のことわざ・故事成語(まあこれは漢語だが)中心であれば、『日本国語大辞典』であたりをつけて、国会図書館のデジコレで用例を広くさらえばそこそこ足りる。
 ただし、英語圏や中国語圏、スペイン語圏などとなるとそうもいかない。

レファ協に似た例はないか

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