骨折の記⑤
033
本当は今回でこのマガジンは終わりになる予定であった。
なぜならば、前回の記事のあとの診察で「経過は良好」と言われていたからである。
それで少々気をよくした僕は、毎日カルシウムタブレットを舐め、良質なタンパク質を摂ることを心がけ、「早く回復するぞ」と思って「やっていき」をやっていた。
しかし、である。
「平林さん……どうやら、ここにもう一箇所ヒビが入っていますね」
申し訳なさそうに、整形外科医氏は言った。今週の診察でのことである。
どうも、これまでレントゲン撮影していた角度では見えにくかったらしい。いままでは、一番重度と思われる、明らかな嵌入骨折箇所に焦点を合わせて撮影していたので、見えにくかったのだろう。
幸い、完全に折れているわけではなくヒビが入っているだけらしいので、手術などが取り沙汰されるような状態でなはいらしいのだが、完治まではまだしばらく時間がかかるとのことである。
いささか拍子抜けではあるが、骨折箇所についての経過は良好らしいので、後退したわけではない。
いましばし不自由が続き、その後も痛いリハビリが待っている(筋力も相当落ちるだろう)が、引き続きやっていくしかない。
関係諸氏にはご迷惑をおかけするが、どうかご寛恕いただきたい。
【続く】
(これより下に文章はありません)
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