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弥生時代の文字使用について②──砥石、刀子、古代氏族


 歴史雑記154
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※ヘッダ画像は大阪市平野区、喜連東遺跡出土の刀子(5世紀)。

はじめに

 この記事は以前書いた下記の記事の続編である。

 これを書いたときは、そもそも「弥生時代中期の硯」とされるものだけで、文字使用の証拠とできるのかどうか、を論点としていた。
 その後、いくつか新たに考えたことがあるので、今回はそれを中心に記し、もって文字使用に関するアプローチが他にもあるのではないかという論点を示したい。

硯か砥石か

 さて、前回の記事でも述べたようにそもそもこの弥生中期文字使用論は、遺跡出土の砥石から硯の可能性のあるものを洗い出すという作業から提唱されたものである。

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