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「萌えとは何か」の先に

「萌研」なんていうサークルを初めて早1年半だそうです。
やっべーです。1年半の間に叔父が離婚してまた再婚しました。
人の人生が変わる期間かい。

萌えって何なんだ?みたいなのをずっと考えていた1年だったけども、結局のところ「何か」は分からない。
というか、「何か」を考えるのはちょっと飽きてきた。

とりあえず今思ってることを書きます↓

萌えってのはクオリアみたいなもので――赤という色があるんだけれども、それをどう説明したら良いか分からない――もの。
でも実際は赤くみえるものを共有しているから、僕らは普段困らない。例えば、リンゴとかね。(ここまでは受け売り)


とにかく萌えるものを共有していたなら、僕らは言語化する必要がない(なかった)ということだ。

だが、しかし、ここに大きな問題があった。

萌えという言葉が0年代後半、10年台前半から霧散していった=使われなくなっていった――っぽいのである。
確たる証拠はないが、メディアで萌えが取り上げられたのが2005年4月。
流行語大賞になったのが2005年。
TV.Brosという雑誌で「萌えis DEAD?」という特集が組まれているのが2009年。
で、オタク評論御用達(それでいいのか)のグーグルトレンド君はこう言っている

(ここから類推すると、大体こんぐらいじゃねという、ガバを余りあるオタク的妄想力で補い、算出している。ここらへんをちゃんと書いてるのが1年前に出た『もえけん!』です。今読めないけど)

えーと、言うなれば「これは赤いリンゴだよね。」ということを呟かなくなったわけである。
そうやって萌えるものの観念が段々と共有されなくなり、当時誰しも(?)が持っていた「萌えのクオリア(的なもの)が霧散している。
この問題に対する意識が、いま萌えを言語化する一番の動機だったわけです。

でも結局「何か」は分からなかった。 

勿論ものの考え方は一つに決まるものでもない。
「リンゴの色」だってそれぞれに様々な見え方をしているわけだ。だから各々の「萌えの色」が違うのは当然と言える。でも、一年間いろんな人に話を聞いた結果、全く観点の違う「萌えの意味」をそれぞれが持っているということが分かった。ゼロ年代的な萌えを握りしめていたオタクもいるし、霧の中から自分なりの萌えを捉えたオタクもいる。

(そもそも萌えが意味する観念は多すぎたのかもしれない。一回崩れるともう戻らないのか・・・それとも)

実際いまの時代に萌えというものについて考えている人は少ない。
と言いたいところだけど、リバイバルのブームもあるし、皆なんだかんだエロゲとかのカッコいい話は知ってたりする。ファッションとして萌えを着ることも可能になっている。
(個人的にはこれは悪いことではないと思う。実際恰好良いし。萌研を知ってもらうきっかけにもなってるし。まあでも、誠実じゃない?かな。どうだろ、まあ文化盗用って叫ぶ人もいるだろうけど、自分のコア、魂があれば良いんですよ というか僕はあんまり人に敵意を向けられない甘ちゃんなので・・・)

と、そんな状況なので言ってしまえば萌え的なものに触れることはできる。
そういう中でこれから萌研がどうしていこう・・・というのをいま絶賛考えております。どうすんだよ

各々が持っている萌え、それは要素でもあるだろうし、感情でもあるだろうし、風景、場面かもしれない。「関係性に萌える」というオタクが多いのもアンケートで分かった。

俺的には瞬間風速的なトキメキだと思っているけど、これを言うとズルいとよく言われる。言ってしまえばどんな感動でもそう言い換えられてしまうから。それでも俺は、ヒロインを一目見た瞬間の感動、食らう感じが萌えだと思っているし、それを信じている。

いまは信じ続ける時代なのかもしれない――オタクが思う萌えを。

そんなことはもうとうの昔にわかってるのかな、俺はやっとたどり着いたんだけど。実際これまでの萌研というプロジェクトは長い自問自答のようなものだったんだと思う。

あっ、あと萌えって別に言わなくても良いということは言っておきたい。
萌えって言いたくなった時に、叫べば良い。心の中の萌えを信じたら良い・・・ 個人的にも萌研って名前でやってるから、萌えって言わなきゃ・・・と思ってたときもあったけど、それは本質を違えていたわけで。

もえシンギュラリティをまとうぜ――

でも萌え萌え~って言ってるオタクは普通に面白いので、萌研の会誌では頻繁に使うよ。本音と建て前。ヨコとタテ。どうぞヨロシク。

お知らせです 今月、4/29のクラブイベント「DIGITAL OFFLINE」で『もえけん!!』とステッカーを委託販売します 
俺も行きてーー!


あとあとここだけの話、萌研次号は5月COMITIAで出ます こうご期待!

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