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2年ぶりに振り返る世界青年の船事業の経験

内閣府主催の国際交流事業「世界青年の船」に日本代表青年として参加してから早2年が経過しました。今までその経験をじっくりと振り返ったことはなかったのですが、
今回、説明会にて経験をお話しさせて頂く機会を頂いた為、改めて振り返ってみます。

世界青年の船とは?

世界青年の船事業
”次世代グローバルリーダー”の育成を目的に毎年行われている国際交流事業です。
世界11ヵ国から集まった18歳〜30歳の参加青年240名と共に、約2ヶ月間、航海をしながら、ディスカッションや文化交流、有識者によるセミナーの受講や参加青年による自主活動の企画、参加青年主体のワークショップの開催等を通して、異文化対応力やコミュニケーション力を高め、リーダーシップやマネジメント力の向上を図る事業です。

世界青年の船事業の英語名はShip for World Youthなので、以下SWYと書かせて頂きます。

私が参加した年の事業内容

毎年期間や、寄港地などは変わるのですが、私が参加した年は以下の内容でした。
期間:1/10〜2/22(※前年の9月に約1週間の事前研修あり)
寄港地:ハワイ・メキシコ
参加国:日本/イギリス/エジプト/スリランカ/ケニア/ニュージーランド/メキシコ/フランス/ブラジル/バーレーン/ペルー

インターネットが遮断された環境なのでかなりアナログで、人と超密に関わる環境です。(正しくは、Wi-Fiも整備された客船ですが、参加青年は使用できないよう制限がかかってます)
それが世界青年の船の売りの一つでもあると思います。

日記を振り返ってみる

ここからは、世界青年の船の合格通知が届いたその日から、事前研修中、事業参加中、そして参加後の約1年間書き綴った日記を今回初めて読み返してみながら、書いてみました。

人生の中で一番濃厚だったと思える2ヶ月間の経験も、2年も経過すると思い出せないことばかり。
それをこの日記が沢山思い出させてくれました。
結論から言うと、もう涙が止まりませんでした。当時の自分があまりにもまっすぐで、全力で、まぶしい・・・

事前研修

日本青年のみが集まり、約1週間ともに研修を受けます。
所属する委員会決めや、コースディスカッションの準備、活動グループでのMTGなど、いろいろ行います。

初日は優秀な皆様と初顔合わせで、ど緊張していました。
アメリカ人のおじさん(正しくは、コースディスカッションのファシリテーター)に全員の前で英語で質問され、英語力の無さと緊張で、蚊の鳴くような声、しかも日本語で答えたのを今でも覚えてます。
なので英語力に不安を持っている方でも、大丈夫です。笑

なぜか疫病神様 大集合

本事業の前は何故だか厄が祟ったようで、直前にインフルにかかったり、社長のアテンドという超大事な日に電車とホームの間に挟まって全身あざだらけになったり、研修前日に貴重品が全て入ったバックを電車に忘れて交番で大人気なく大泣きするという、もう何がなんだかわからない状態でした(これはもはやSWY関係ないw)。そんなこんなで大混乱の中幕を開けた世界青年の船。準備もままならないまま、必要であろうものをとりあえずスーツケースにぶち込んで当日を迎えました。

本事業スタート!

本事業で、海外青年達と初めて会います。
世界各国から集まった参加青年達は、それはそれは優秀な人たちばかり。若手起業家や、女優、BBCで賞を取るようなプロカメラマン、外務省務め、最年少議員、外科医、歌手、映画監督などなどあまりに優秀な青年達を前に、「自分てなんだっけ?存在価値は何?」と毎日自問自答している形跡が日記から伺えました。
もしかするとこれが一番辛いことであり、一番私を成長させてくれたことかもしれません。普段の生活では、同質性を持った人たちとしか関わらないので、あまりにも異質性を持った人達(いい意味で)を目の前にして、自分と向き合う毎日でした。

行った有志の活動

参加期間中は、学校のように毎日時間割が決まってます。
結構朝から晩までびっしりです。その時間割の中でも、それ以外でも、有志の活動をしていい時間があります。

時間割



そこで、私は以下の事に挑戦してました。
誰かに言われた「SWYには失敗も成功もない」という言葉に背中を押され、いろんな事にチャレンジしました(こんな素敵な事を言ってくれた人をどうしても思い出せない…笑)。

•和太鼓チーム結成、和太鼓団体へレッスンの依頼、
•寄港地メキシコにて日本大使・メキシコの要人向けに和太鼓演奏
•各国の文化紹介で4分半の和太鼓演舞
•和太鼓レッスン開催
•沖縄の文化・歴史・基地問題について70分の発表
•沖縄企業の協賛獲得
•Attractive Japanイベントでの沖縄ブースを担当。沖縄のスイーツや泡盛を紹介
•フランス人達とパロディムービー制作
•タレントショーでバトントワリング披露

本番よりも、事前準備がめちゃくちゃ大変だったのを覚えています。

沖縄の文化・歴史・基地問題について70分のセミナーをした時
メキシコでの和太鼓発表
フレンチ達とムービー制作前に話した構成を書いたやつ

︎相手を尊重することが当たり前の文化

考えてみると、SWYの期間中に誰かに自分を否定されたことってない気がします。何か意見を伝えたらまず「Nice!」「Cool!」「Beautiful!」って言ってもらっていました。私が現在コーチングを学び、ライフコーチとして活動する中で大切にしていることの一つである「相手を尊重する・尊敬する」というマインドは、SWYの経験がきっかけだったのかもしれないと、思い返してみて感じています。

キャビンメイトであり、ソウルメイトであり、sisterな2人

求められる自分の意見

それまでの私は自分の意見を伝えることが苦手でした。と言うより、そもそも自分の意見があまりない人間でした。基本的に事なかれ主義なので、上手く行く方向に意見を合わせるタイプの人間でした。自分の「好き」とか「嫌い」とかを言える人に対して、「その感情ってどこから生まれてくるのだろう?なぜそれを言葉として伝えられるのだろう?」と素朴な疑問として持っているタイプでした。
しかし、SWYにおいては、何かについて話そうとすると「あなたはどう思うの?」とまず意見を聞かれます。そのような環境だったので、私はどう思っているのだろう?何故そう思うのだろう?と考える癖はすごくついたと思います。
今は自分の意見を躊躇なく伝えることができるようになったと思います。

事業終盤にあったディスカッション時の風景

無くなった「外国人」というバリア

この事業に参加する前も、ワーホリに行ったり、バックパック背負って一人で海外に行ったり、海外出向などする中で、海外の人と交流する機会はありましたが、
どこかで「外国人だから」や「〇〇人だから」という感覚を持っていたと思います。しかし、この事業に参加してからは、そのような考え方が無くなりました。
多くの時間を共にする中で、心の深いところで繋がる経験を何度もし、気づいたら「対人間」という感覚になっていました。

自分に向けて書いた手紙

結構いいことばかり書いた気もしますが、自分自身と向き合う中で苦しいことも数えきれないほどありました。
太平洋のど真ん中で、1年後の自分に宛てて書いた手紙はまだ開封できずじまいです。それは、あの時、色々な自分と向き合い続け、新たな発見とともに、今まで見えなかった自分自身とも出会い、不安も沢山襲ってきていました。その不安を沢山書き綴ったのを今でもよく覚えています。
だからまだその手紙は開けることができていません。いつか、あの時の自分を胸を張って振り返ることができるまで開けないと思います。

2年の時を経て振り返ってみて感じる事

感慨深いなあと思ってしまった事が二つ。
一つ目は、応募書類の「下船後に実現したいこと」という欄に、「女性をエンパワーする何かをしたい」と書いていた事を、女性の為のコミュニティを運営するという形で、少しずつ形にできている事(当初は、受かる為にちょっと大きいこと書いちゃおうと思って書いたので実行するとは夢にも思ってなかった笑)。

そして二つ目は、事業参加後、FBの投稿に「コーチングに興味があります」と書いていたのに対し、いま少しずつライフコーチとして活動を始められている事。

このコロナ禍で、時間が止まってしまったような感覚で、自分の人生についてたくさん考えながら、でも結局答えも出ないまま、勢いでここまで走って来たように感じてました。でも振り返ってみるとちょっとずつ前に進んでいるんだなあと感じられて嬉しいです。

この記事を書いてみて

本当に沢山の感情と出会った2ヶ月半で、
あの時は本当にがむしゃらもがいていたけれど、今振り返ってみると、その経験は自分の腕の中にあり、その時の経験が脈々と自分の身体の中に流れている感じがします。
この事業に参加して得られることはほとんど目に見えないものです。けれど静かに、その人の中に変化を起こし続けるものだと思います。

説明会で経験を話すというきっかけを頂いたことで、このように過去の自分を振り返ることができ、ありがたい気持ちでいっぱいです。
あの時の自分に、そしてあの時の自分が紡いだ言葉が今の自分に刺さりまくっていて、言葉にできないほど勇気をもらいました。
過去の自分に恥じないよう、ちょっとずつでも前に進んでいきたいと思います。

長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

いつしかの写真

番外編〜メモしていた言葉達〜


SWYの期間中に出会って、心に刺さってメモしていた言葉も沢山ありました。
今見返しても心にグッとくるものがあります。

Fake it until make it.

True leaders don’t create more followers. They create more leaders.

Leading is not always standing at the front.

I really love my job.

You were born as you.

Please be yourself.

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