Moxy Club Vol.1「世界のどこを探しても自分みたいな人絶対いないから」 性を追求し続けるパフォーマー二人が、性をオープンに発信する理由とは。

Moxyclubとは?

他人に傷つけられてボロボロな夜も、悩んで枕を濡らす夜も、
もやもやして眠れない夜も、自分が分からなくなる夜も。

覚えていてほしい。
あなたの心も身体も世界に一つだから。
あなたを幸せにできるのは、彼氏でも、彼女でも、パートナーでもない。
あなた自身。

私たちは、私たちの心と身体の幸せのために。
そして私以外の誰かも自分らしくいれるために。 

性の話を
当たり前に、ありのままに。

#moxyclub

私たちは自分の心と身体の幸せのために、性の話を当たり前に、ありのままにできるコミュニティを目指します。

第一弾はアドバイザーのラビさんとタツキさんへのインタビュー企画。性教育パフォーマーとして活躍するラビさんと、マッサージ師とダンサーとして活躍するタツキさん。お二人がどうして性について発信するようになったのか。その背景や想いに迫ります。
聞き手:Moe

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アドバイザー ラビさん
プロフィール:セックストイを製造・販売する某日系メーカーで勤務。医療分野で性機能に悩みを持つ方のための製品・サービスを開発、営業する。
その傍、フリーで「性教育パフォーマンス」をテーマにドラァグパフォーマーとして活動。クラブに来る人たちにダンスやパフォーマンスに性教育のストーリーを絡めて活動している。

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アドバイザー タツキさん

プロフィール:人の身体をもっと良くすることを目指す、マッサージ師。趣味はダンスで、ダンス関連でPVや映画、バックダンサーの仕事もこなす。自由に生きるダンサー。

=Work=

ーラビさんがセクシャルウェルネスの仕事に関わったきっかけや、性教育パフォーマーとして活動するきっかけは何だったの。

ラビ:私のルーツは母が日系ブラジル人なんだけど、小学校5年生から中学校1年生の3年間をブラジルで過ごしたの。その時に公立の学校に通っていて、性教育の授業があったんだけど、男女同じクラスで一緒にペニスの模型にコンドームを付けるっていうすごい実践的な授業だったのね。周りも少しふざけた雰囲気にはなるものの、みんな真面目に取り組んでて。それがすごく衝撃的だったんだよね。

当時、自分自身が性に対してすごく悩んでて。小さい頃から複数人を同時に好きになることがあって。女の子だったらこの子、男の子だったらこの子みたいな。でも周りからはそれがすごい不自然なことだったみたいで。

そこから性に関することに興味を持ち出して、色々自分で勉強するようになったのね。それが性に関する仕事に就きたいと思ったきっかけだね。

「性教育」を仕事でやっていくと、今の(日本の)性教育はカチカチで硬いものになってしまっているし、アンテナを張っている人にしか届かないものになってしまっているなと思っていて。じゃあ、普段届かない人にどうやって届けていこうかって考えた時に、趣味でやっていたドラァグクイーンと掛け合わせて「性教育パフォーマー」をやるようになったの。

ー性に関することに興味を持った時に、どうやって性教育を学んだの?日本ってリソースが偏っているイメージがあって……。

ラビ:当時は「ふたりエッチ」の漫画をめっちゃ読んだ(笑)あと官能小説を読んだね。だから全然勉強という勉強ではないかも(笑)

タツキ:でもそれって、すごい良い学びじゃない?こうゆう行為をしたらこういうことが起きて、相手はこういう反応をするんだとか学べるしさ。

Moe:確かに専門知識を学ぶことも大切だけど、人との関わり方を学ぶのも一つの性教育だと思ってて。こういうことをしたら、相手はこう思うとか、漫画とか映画とかで学ぶことも大切かなと思う。

ラビ:みんながみんなオープンに話すべきとか思わないし、話したくない子もたくさんいると思う。
でも、自分の身体を自分で守るために、その最低限のスキルは身につけて欲しいと思ってて。

「性教育」で大切なことは被害者にならないことと、加害者にならないこと。だから自分のパフォーマンスで考えるきっかけを与えたいと思ってる。

ー具体的にどういった性教育パフォーマンスをしているの。

ラビ:例えば先日は「産後うつ」をテーマにしたパフォーマンスをした。産後ってホルモンバランスが崩れてしまったり、赤ちゃんの泣き声がホルモンバランスを低下させる効果があったりと、落ち込みやすくなるのね。それをダンスに取り入れて、出産をして子育てをして鬱になって自殺してしまうというストーリーのショーをしたの。

あとは生理をテーマにして、生理前のイライラしたり食欲旺盛になったりするPMSという症状を取り入れて、生理になると、こうゆう変化が身体と心で起きるんだよと伝えるダンスもパフォーマンスをしたよ。

ー色々なテーマのパフォーマンスをしているんだね!

ラビ:クラブに来ている子たちって普段、性教育に対してアンテナをそこまで張ってないと感じるんだよね。そういった子たちに少しでも考えるきっかけを与えれたらなと思って。
性的同意や性差別もテーマに扱うけど、できるだけ性教育というカチカチなものではなくて、楽しみながら学んで欲しいなと思ってパフォーマンスというカタチをとってる。

ー素敵です!!ラビさんの名刺も Twitterで拝見したんだけど、面白い仕掛けがあるよね……!

ラビ:そうそう。私の名刺はコンドームなの。名前と肩書きと連絡先が外側に書いてあって、中にコンドームが入ってる。記憶に残る且つ実用的なものにしたくて。

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ー実は私はタツキさんの高校のダンス部の後輩で。ダンサーという面はなんら違和感がないんだけど(笑)マッサージ師の側面は知らなくて。
どういった経緯でマッサージ師の仕事に就いたの。

タツキ:もともと大学を卒業してから、会社員で営業をしてた時に身体を壊してしまって、最終入院してしまって。退院して地元に戻ってきても、外に出ると体調が悪くなったり、微熱が続いたり、顔色も毎日悪かったり、そんな状況が続いてたのね。それが自分の身体と向き合って健康を考えるきっかけになった。

「どうすれば自分の身体が良くなるんやろう?」って考えた時に、睡眠・食事・適度な運動とあと精神的なもののトータルバランスが取れている時に健康って言えるんだろうな、って思った。そこで自分の身体にすごい興味を持ち出して。じゃあ筋トレしてみようとか。朝一に白湯を飲んでみようとか。外食でも氷水を飲まないとか。自分の身体を向き合ったことで、次は人の身体も良くしたいと思うようになって、マッサージの仕事を始めた。


=SEX education=

ータツキさんも性に対してオープンに発信しているイメージがあるんだけど、きっかけはあったの?

タツキ:私は多分ね、持って生まれた星で。全裸監督の黒木香にすごく思考が近いと思う(笑)性に対する好奇心が旺盛って感じかな。性に興味しかないし、追求してたい、常に。

自分が興味あるからそういう発信をしてるんだけど、自分のInstagramのアカウントでどういうストーリーの視聴が伸びるのか個人的に統計を取っていて、結構な人が性の内容については視聴率落ちることなく見てるのよね。あ〜みんな興味あるんやって。興味はあるけど、口に出せない、発言しにくい。だったら私が発信するよみたいなスタンスなのかなと思う。

ラビ:それは私も同意だな。みんな興味あるし話したいけど、話せない空気があるから抑え込まれちゃうっていうのは本当にあると思う。だからタツキちゃんが発信している意義はすごいあると思う。

特に私はどうしてもタツキちゃんやMoeちゃんみたいに女性としての体験ができないから。
セクハラとか性被害の問題でも、男性って本当に疎いんだよね。でも女性の友人の話を聞いてると痴漢だったり、セクハラが日常的にあって。

例えば男性には、夜道をイヤフォンを聞きながら歩くことは危ないという意識ってあんまりないんだよね。

だから(男性が女性のことを理解するためにも)そういった声を届けることが私の一つの役目だと思ってる。

セクハラとか性差別って、存在していないかのようになっているけど、Metoo運動みたいに声を出せば、すごいたくさん出てくるんだよね。だから前に進むためには、声を届ける、声をあげることだなって思う。

ーとはいえ、日本で性の話をすることってまだまだタブー視されてたり言いにくい文化があると思うんだけど、性の発信をする上で障壁とかってあるの?

ラビ:あるね。大半は男性からなの。例えば日本の性被害が多いっていう発信をしたら、「いやそんなことないよ。日本は安全だよ。」って言われることも多々ある。

でも統計で出ているデータって、あくまで届け出をした数なのね。実際に起こっている数ではないの。痴漢とかレイプされた人ってすごい怖い思いをして、トラウマも植え付けられて、それでも勇気を出して警察に行くのに、警察にどういう格好をしていたの?とか夜道を歩いてたの?とかすごい長時間話を聞かれ、届け出がされるまでの時間が長すぎるの。

そういう届出を出すまでの問題もあるにもかかわらず、「だけど日本は安全だ、そんな性被害はない。」と反論されたりする。

興味深いデータがあるんだけど、ジェンダーギャップ指数が少ない国ほど、女性が性被害を受けたという届け出件数が高いの。それはセクハラとは何か、性被害は何かっていう概念から違うから。例えば、ジェンダーギャップ指数が少ない国は身体のことを揶揄する冗談を言われただけでもそれは性被害と受け取るとか。そういった国ではセクハラなのに、まだ日本ではセクハラとは認められなかったりするの。

ーあと「性被害を受けた女性にも非がある。」とする考えも根付いてる印象がある。そういう格好をしているから悪いんだ。とか

ラビ:そうそう。私もそういったことを言われることがあるんだけど、私の回答は「例えその人が裸で歩いていようと、それはその人とヤっていいって同意が取れている訳ではない。裸で歩いている人がいたら、警察に通報してね。」って言うの。どういう格好していようと、態度をとっていようと同意が取れていないものは全て性被害だからさ。

ー改めて二人が性に対して発信することってどうして大切だと思う?

ラビ:私はそもそも(性に関するトピックが)タブー視されてることに違和感を感じていて。もっと話されていいものなのになって思っている。

あともう一つは自分が被害者にも加害者にもならないため。

タツキ:私は性を追求していく中で、性の話がある一定のラインにしか達さないことに気付いて。好きな対位は?S?M?みたいな。それだけでセックスって語られへんくない?みたいな感じ。

もっと深みのある話だし。上辺だけの話しかできないのがつまらないし、もったいないなと。セックスは美しき人生の一部なのに、なんか性の話は卑下されたり目を背けたりされて、いざ話しても上辺だけの話だし。

私はこういう主観を発信するけど、あなたはどう思う?とかいう話がしたいし。セックスをしたくて発信している訳ではないから、上辺だけで終わらせず深い発信をする心掛けをしている。

ー自分の心と身体と向き合うために日々気をつけていることとか、最近していることとかある?

ラビ:最近フープダンスを習い始めた!綺麗だなと思ってすぐレッスン通い始めて、毎日公園で逆上がりの練習をしてるの(笑)
セックスのトピックだと、最近A型肝炎・B型肝炎の注射打ったり、HIVの感染リスクを低くする薬を毎日服用してて。Safer SEX(より安全なセックス)を心掛けている。

ータツキさんは最近、ご自身のヌード撮影されてたと思うのだけど、それはどういう経緯があったの?

タツキ:あれは私が30歳になってからの試みで。私は小さい頃から自分の体型にコンプレックスがあって、割と自分に自信が無く生きてきてた。だけど、そういう部分は見せずに生きてきた。

30歳という節目で自分の身体に自信はまだないけど、興味のあるヌードを撮ってみようと思って。でも実際やっぱりめっちゃ恥ずかしくて、脱ぐまでにめっちゃ時間かかって(笑)カメラマンにもこちらが全裸になるので、そちらも半裸になってもらえませんか?ってお願いしたり(笑)

そのぐらい勇気がいることだったんだけど、出来上がった写真を見て、「え、意外といけるかも。意外と自分綺麗かも。」みたいに思えて。

SNSで公開した時も、反響がすごくって。綺麗だねって言ってもらえたの。そこで一歩踏み出せたっていう自信のきっかけにもなったし。

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「人間誰しも美しさって秘めてるものがあるのよ。女性も男性も挑戦すれば綺麗な姿ってちゃんと持ってるんだよ」って伝えれた気がする。

ーでは、本日のまとめとして、ミレニアルズやZ世代に伝えたい自分の心・身体を理解するためのメッセージをどうぞ!

タツキ:私は、自分を押し殺して生きていくことが一番苦しいことだなって最近、気付いて。だからこそ人の顔色伺ったりしてストレスを感じてる人が多いのも感じてて。私はそこのストレスがあまり無い。なぜならありのままに生きてるし、思ったことは発言しているから。でも、相手がどう思うかは考えないといけないから伝えることに対して労力はいる。だけど私は違和感を感じることは労力が必要だとしても伝えるようにして生きている。

私はありのままに生きるがモットーだからこうゆう生き方をしているけど、みんなも自分と向き合って、自分に正直に、素直に、生きていて欲しいと思う。

エゴではなくて、自分を知って自分が辛くならないように、自分が思うように生きていこう。
したいことして、考えていることを外にアウトプットして、自分が楽しいことは何か考える。それが今の自分を満たせる最高のパフォーマンスなんじゃないかなと思う。

ラビ:私は小さい頃、自分のことがすごい嫌いな子どもだったのね。すごい太ってて、周りと比べて毛深くて、すごいコンプレックスで。過激なダイエットもして、皮膚が余っちゃったりして。全然自分のからだが好きになれなくて、孤独を感じてた時期があって。

でもちょっとずつ自分と向き合って、自分がどういう感情を持っているのかとか、自分の感情を大切にして。それでちょっとずつ自分のことを好きになれて。長年かけて自分を受け入れて好きになれた。

自分と会話をすること。自分の心の声を聞いてあげること。それをしてあげると、周りから見た目のことを言われても気にしなくなった。

感情の扱い方とか感情の吐き出し方って誰にも習わないことだから。だから難しいけど、自分との上手い付き合い方を見つけていくこと。

例えば怒っている感情、失恋して悲しい感情。その感情って悪いことではないし。その怒りとか悲しみとどういう風に付き合っていこうかって見つけれることが大切なんじゃないかな。

あとはパートナーや対人関係でも、同じゴールを見ている人にはちゃんとそのゴールを伝えた上で発言することかな。「私はあなたと同じ世界を見てるよ。」とか「あなたが好きだからやってるんだよ。」って言葉にすることって大切だと思う。

日本って自分のことが嫌いな人ってすごい多いイメージがあって。自分が持っている個性って自分にしかないから、そこを理解して欲しい。世界のどこを探しても自分みたいな人絶対いないし、それだけ特別な存在なんだよってことを知って欲しいと思う。

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私たちがこの Moxyclubで目指すのは、まさに、みんなが自分を大切にすること。自分を幸せにすること。そして相手にリスペクトを持つこと。

今後はみなさんが気になる性のトピックをもっと深堀して、ラビさんとタツキさんのアドバイザーが真意に向き合ってお話ししていきます!
(Moeはしっかりフォローできるよう頑張ります!!)

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【Moxy club質問箱】

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