【ゆかいなサム】[短編]#7
『この国の王はあなたを許すつもりはないようです』
サムは落ち着いています
『そんな気がしていました
ロボットを破棄したんではないですか?』
『そうです、それに誘拐された少女とその家族はこの国から居なくなっているようで事情も聞けません』
『1ヶ月後に来るはずだったのになぜこんなに早く来たんですか?』
『この国を救う発明をした、あなたが誘拐なんてするはずないと思ったからですよ』
何か裏があると思い早めにサムに会いに来たオレインはある提案を持ってきました
『これは独り言ですが後3週間後
作業部屋に閉じ込め続ける博士がもし
仕事を管理するロボットが作れるのであれば
私の使える力を全て使ってこの部屋から
必ず出すよう動こうと…』
『待ってくれ』
サムは遮るように言います
『私はこのままで大丈夫だよ』
『大丈夫って事はないでしょう!』
『私はこの国の暮らし方に捉われすぎたのかもしれない、もう少し高い位置から世界を見渡してみたいと思ってる』
『この国の悪態が明るみに出て今の王が失脚する頃の世界も見れるように作業を始めている』
『どういうことですか』
『もし、もしもだよ?あなたの前に
いつかサムモフ・カーリーが訪れた時この世界の仕事の管理を任せてもらえますかね』
『それは…もちろん…ですよ』
『ありがとう。ゆかいだね』
『ん?』
『愉快、愉快
世界を見れるいい機会をもらった
実に愉快だよ』
サムは自分の意思を機械へ組み込む発明を
始め一号が完成し外へ放つ日、政府の仲介を入れた裁判が行われた
それから10年間、閉じ込められたままのサムの体は動かなくなっていた
しかしオレインの元へサムモフ・カーリーが訪れ仕事の管理を任されることになります
サムは発明を成功させ、ある時は高いところから、またある時は街の中でこの世界を見守っています。
ゆかいゆかい
このせかいをみれるきかいをもらった
じつにゆかい。
おしまい
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