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カジュアルRPGで考えるリワード広告導入の5つのポイント

皆さん、こんにちは。個人クリエイターの moga です!

今回は、「カジュアルRPG」に「リワード広告」を導入した際のちょっとしたポイントについてまとめていきたいと思います。

この記事は、カジュアルRPG「ねこシバのぼうけん」を開発中に考慮した内容を簡単にまとめたものとなります。
個人的には、カジュアルRPGとリワード広告の相性は良く、多い人では1日に10回以上も広告を見てくれるゲームデザインが作れたのかな、と思っています。

※現在、Apple Store / Google Play にて好評配信中です!この記事と合わせて実際に遊んでみて頂けると嬉しいです。

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それでは、5つのポイントについて見ていきましょう!

【1】ユーザーに合ったインセンティブを考える

まず、ユーザーはどのような時に広告を見たくなるのでしょうか?
どのようなインセンティブを用意すればより多く広告を見てくれるのでしょうか?

ユーザーによって、欲しいインセンティブを分けて考えてみるとヒントが見つかるかもしれません。ねこシバのぼうけんでは、下記のようなイメージをしてみました。

■<1>ストーリーを早く進めたい人が望むインセンティブは?
・スタミナが切れたときに「全回復」出来る
・ボスに負けたときに(早く勝ってストーリーを進めたい人は)
 →「再挑戦」出来る
 →「バフ効果付与」を与え、一時的にステータスを強く出来る
 →「強化素材」等のアイテムを手に入れ、ステータスの底上げが出来る
■<2>強くなりたい人が望むものは?
・強くなる為の効果やアイテムを付与、配布する
 →一定時間の強化素材ドロップ率アップ
 →一定時間、ステータスを強化
 →強化素材をそのまま配布等
■<3>レアなモンスター/アイテムが欲しい人(コレクター)が望むものは?
・モンスターの捕獲率アップ
・レアなモンスターと遭遇しやすくなる
・モンスターの進化素材が欲しい
・モンスター枠(手持ち可能な枠)の拡充
・レアアイテムドロップ時に広告をみて獲得個数2倍
■<4>基本的にみんなが常に欲しいもの
・ゲーム内通貨、クリスタルの配布

他にもゲーム性などにより、いろいろなパターンがあると思いますが、ざっくりと上記を考えてみました。
自分のコンテンツに合わせ、まずはユーザーのキモチを考えてみます。
ある程度洗い出しが出来たら、その次のステップです。

【2】訴求するタイミングを考える

次に、上記で挙げたインセンティブをどのタイミングで訴求するのがベストかを考えてみます。

基本的には、必要になったタイミングで訴求するように設計しています。

・スタミナが切れたタイミング

・ボスに負けたタイミング

実装はしていませんが、「モンスター枠(手持ち可能な枠)の拡充」も、モンスターが仲間になるタイミングで、モンスターの手持ち可能な枠の数が超えたときに、拡張のインセンティブがある広告を出しても親切かもしれません。

では、必要なタイミングが分からない場合、(常に必要なものの場合)どのようにするのが良いでしょうか?
例えば、「ゲーム内通貨」や「強化素材」の配布などです。

これらの場合は、常にアクセスが出来る場所にインセンティブの広告導線を設置するようにしています。

ショップページがあるコンテンツの場合には、そのままショップページにインセンティブの導線を置いても良さそうです。

今回の「ねこシバのぼうけん」では、ショップページは作らずに、ホーム(マイページ?)に導線を置くことにしました。

また、一定確率で導線が出現するようにして、レア感(ラッキー感)を演出することも効果的かもしれません。

このあたりは、インセンティブの内容によって、導線の設置場所が自然に感じるような場所に配置するようにしています。

それぞれのコンテンツに合った導線を考えるといろいろとパターンはありそうです。

【3】インセンティブとゲームバランスを考える

リワード広告によるインセンティブの内容と設置場所が固まってきたところで、次は、ゲームバランスについて考えます。

・リワード広告のインセンティブによってゲームバランスが崩れないか

・適切なリワード広告の再生上限をゲームバランスを加味して設けているか?

例えば、ゲームの楽しさの重要ポイントが「レアなモンスターを捕まえる」であった場合に、広告を見ることで簡単に確実にそのモンスターを捕まえられたら、それはゲームとして面白いでしょうか?おそらく、ゲーム自体が面白くなくなってしまうかもしれません。その場合は、「レアなモンスターを捕まえる」ではなく「レアなモンスターが出現しやすくなる」というようなインセンティブに変えた方がゲームとしては面白くなりそうです。

他にも、貴重なアイテムを1回の広告視聴によるインセンティブで配ってしまったら、ゲームバランスは崩れてしまわないか?
例えば、「スター」という貴重なアイテムがあったとして、そのままインセンティブとして1回の視聴で配るとゲームバランスが崩れてしまう場合、「スターのカケラ」というように、アイテムの価値を分解したものを新たに用意する必要があるかもしれません。広告視聴ではそのカケラを配るようにすることで、適切なゲームバランスを保つ調整が必要になってきます。

また、その「スターのカケラ」というアイテムもデザインや表現を魅力的にすることで、広告を見る価値があることをしっかりとユーザーに伝える必要があります。

このように、ゲームの需要と供給のバランスと、そもそもインセンティブとして適切かゲームの面白さが損なわれないか?をしっかりと考える必要があります。

【4】広告を見るために迷わせない

例えば、ホーム画面に広告視聴のボタンがあり、そこで広告を1回視聴すると「クリスタル1000個」か「スタミナ全回復」かのインセンティブが選べるような設計があったとします。

すると、まずユーザーは、どちらが良いか悩むと思います。ユーザーは間違った選択をして損をしたくないからです。
結果的に「あとで見よう」と思い、そのまま見ないかもしれません。

であれば、最初からホーム画面では「クリスタル1000個」のインセンティブだけを与えるようにする。そして、スタミナがなくなった時には「スタミナ全回復」だけのインセンティブを与える、というような設定にした方が、ユーザーが迷うことはありません。

よりユーザーに選択肢を意識させずに習慣的に見てもらえるような設計を考えるようにします。

広告視聴でルーレットがまわり、ランダムでインセンティブを付与、とかはアリだと思います。ユーザーがとりあえず視聴しておこう、と思えるような設計が大事です。

【5】実際に自分が使うかどうかを考える

とにかく何度もデバックをしてみて、実際に自分が広告を見てでもインセンティブが欲しいと思える報酬バランスになっているかを考えます。

実際に「ねこシバのぼうけん」で体験した例として、クリスタルの配布数の調整があります。

最初は広告再生時に「クリスタル500個配布」にしていたのですが、実際に自分で遊んでみると、クリスタル500程度であれば「広告を見るメリットがない」ということに気がつきました。

作者の自分自身が欲しいと思えないインセンティブであれば、それはユーザーもきっと同じ気持ちになるはずです。

最終的には広告を視聴することで「クリスタル1000個配布」というようになりました。
※実際にはスタミナ回復のリワード広告を見た方がクリスタル獲得の期待値としては大きいのですが、時短したい人の為に、即座に1000個もらえる、というバランスにしています。

ゲームバランスはある程度は頭で計算してシミュレーションした値を設定していきますが、最終的には自分がプレイして体験した感覚を大事にするようにしています。

イメージした仕様を入れてみたら何か違う、というようなことは結構あり、実際に自分で遊んでみて取捨選択することが大事だな、と感じています。

まとめ

今回、初めてカジュアルRPGを開発してみて、リワード広告を導入してみました。導入するにあたり、自分なりにいろいろ意識したポイントを簡単にですが、まとめた内容となります。

【1】ユーザーに合ったインセンティブを考える
【2】訴求するタイミングを考える
【3】インセンティブとゲームバランスを考える
【4】広告を見るために迷わせない
【5】実際に自分が使うかどうかを考える

開発者としてはもちろんどのように収益化するかということも大事な要素になってきます。ですが、まずはユーザーが楽しんでくれるゲームになっているか?というベースの部分を忘れずに開発していくことが大事だと思います。

これがすべて正しいわけではないと思いますし、コンテンツの内容や考え方によって正解は変わってくると思います。

振り返ってみると、一つ一つは当たり前な内容だったかもしれませんが、いかがでしたか?

もし、皆さんがリワード広告の導入を検討されていましたら、この記事が何かの役に立てたら幸いです。

また、もし宜しければ、実際にアプリをダウンロードしていただき、遊んで頂けると嬉しいです。実際に体験してみることで、この考え方は参考にならない、ここはもっとこうしたら良くなる、というような、より具体的なヒントが湧くかもしれません。

ゲームバランス1つとっても、ボスをどのくらい強くするかによって、ボス敗北時のリワード広告の重要度や需要は変わってくると思います。他のインセンティブのバランスに関してもそうです。

インセンティブとゲームバランスは密接に関わっています。私もまだまだ勉強中ですが、是非、楽しんでもらえると嬉しいです!

それでは、またっ!

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