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《童話集》ちいさなキミのおはなし

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キミに届いてくれるかな
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#朗読

なにかのたまご

 ぼくの名前はハル、シュンくんの猫。ぼくは知ってる、シュンくんはサッカーがすっごく上手なんだ。ぼくの特等席はお家で一番日当たりのいいこの窓で、ぼくはいつもここでシュンくんのサッカーを見ているよ。  お家の庭はシュンくんの練習場。シュンくんよりも大きい、ママよりもパパよりも大きい、空まで届きそうな大きな木が2本、塀のそばにあって、その大きな木と木のあいだがシュンくんのゴール。シュンくんは大きな木と木のあいだを狙って、思いっきりシュートをするよ。  だけどシュンくんは少しだけ

ほのか

実る穂のその美しさ そんなふうに生きてほしい 君がそばで笑ってくれれば 僕はそれだけで 幸せなんだ 眠る君のその頬に そっと1つ くちづけた 君の未来を想ってみた 僕は自然と 笑顔になってた 実る穂のその美しさ そんなふうに生きてほしい 君がそばで笑ってくれれば 僕は何だって 何だって出来るんだ 今は小さな君のこの手 ほら これから大きくなって 年老いた僕の手も 今と変わらず 優しく握ってくれるかい 澄みわたる青空の日 願い祈り 授かりし命 君は希望 君は夢 君は真実