見出し画像

「なんとなく採用」“9割”の会社は採用が下手である

採用は「上手い」か「下手」だけだ。
つまりどんな会社でもやり方次第。


絶対に採用出来るようになる。
そんな話。

※時間がない人は最後にまとめてあるのでそちらをご覧下さい。





あなたは

自社の求人票に応募しますか?



この設問に対して自信を持って即答で「はい」と答えられるだろうか。

大半の人が少なくとも一瞬間が空く、
多くの人が「はい」と答えられない。

これが現状だ。

つまり、「自分は応募しない様な求人票」で募集をかけている。

まずは「受け捉えられ方」の意識が出来ていない事を自覚する必要がある。

大半の企業で圧倒的に足りていないスキル、
それは「現状把握能力」だ。

「採用が難しいのは理解してます」
「自社の魅力はあまりないです」
「年収は現社員との兼ね合いで上げられません」

こんな事言ってる会社(人事)は本気で読んで欲しいと思っている。



会社の魅力は何ですか?

現状把握出来ていない企業はかなり困る質問だ。

風通しの良い社風です
アットホームな職場です

は勿論、

裁量権があります
幅広い経験が可能です
労働環境が整ってます

これらも同じである。

本当にそれでいいと思っているのか?

求職者が知りたい情報なのは間違いない。
ただし、それには信憑性の問題がつきまとう。
上記の例で挙げた内容は“どこの企業”でも言えてしまうからである。

ここで二つの事例を見て欲しい。
何方も「フラットな社風」を訴求しているものだ。

当社は風通しが良くフラットな関係性が構築出来ています。
上司部下の様な関係性ではなく、先輩後輩の様な関係性で役職名ではなく「さん」付けで呼び合います。
当社は創業時、役職で呼び合っていました。その為、役職毎に溝が出来てしまい下からの提案がしにくい環境になってしまいました。
ある日、新卒の提案から役職名での呼称を廃止し「さん」付けにする事で少し話やすい環境が出来た!と社内が変わってきました。まだまだ足りていない点も少なくないですがフラットな関係性で仕事ができる職場を目指しています。

どうだっただろうか。
何方が「信用しやすい」かは明らかだ。

何が違うのか?それは

《ストーリー》

があるかどうかだ。

なぜそうなったのか。
それが分かると納得感が違う。

ここで重要なのは1つだけ、
自社の事を理解できているか。

自社の事を語るだけなので、他社も転職市場も関係ない。そこにあるのは徹底した自社理解が出来ているか?のみ。

これが出来ていない企業が多すぎる

自社の魅力を「ない」と言い切ってしまう企業は論外だ。

自分の会社を知らなさすぎるのである。

採用におけるKPI。数字だけを見ている。

どれだけ応募が来て
どれだけ面接でき
どれだけ採用できたか

数字を管理して対策をしていく。
それは必要だ。

KPIは自社の現状を知っていて始めて意味がある。

これが出来て初めて「採用」を考えるべきだ。

ここまでが第一段階。
料理でいうスーパーで食材を買ってきただけの状態である。

つまりここで躓いている企業ははっきり言って採用はド下手だと言い切らせてもらう。



「営業経験3年以上」
「Javaでの開発経験5年以上」

こんな採用をしていないだろうか?

考え方としてはとてもわかりやすい。
「ある程度の水準」として足切りがしやすいからだ。

しかしながら、これははっきり言って「思考の放棄」でしかない。

自社の事を理解出来ていないからこそ、このような発想になってしまうのである。

つまり「なんとなく採用」をしているのである

突き詰めると本当に採用が必要なのか?
という事になる。

これは以前noteで出した内容だ。

「採用」は経営戦略にリンクしていなければならない。リンクしていないのであれば見直すべきだ。課題を解決するための採用という手段が目的になっている。

何のために採用するのか?
つまりは採用背景だ。

増員です
欠員です

この一言で終わってはないか?
考えても理由がないのであれば、採用する必要はあるのだろうか?

ただ究極に要約するとこの一言が理由になる。そんな時はこれを頂点にツリーを作ればいい。

例えば、

増員 → 売上をあげたい →新規の契約が増やしたい → 大手クライアントにはアプローチがまだ出来ていない → 大手にアプローチできる人材 →大手クライアントとのコネクションを持った法人営業
増員 → 売上をあげたい → 既存クライアントの解約が増えた → 解約率を下げなければならない →クライアントの満足度をあげたい → サービスに満足してもらえる環境を構築しなければならない →カスタマーサクセス

このように増員理由が大きく異なる。
それに伴い採用すべき人材も変わってくる。

採用したい人

を明確に理解すべきなのである。
それができる事で、

・適切な採用ターゲットの理解
→青い鳥を追いかけていないか?
・自社のどんな魅力を打ち出せばいいのか
→労働環境軸で転職しているの人にキャリアアップでアピールしてないか?

といった事が解決するのである。



そもそも私が必要だと考える現状把握とは、

・自分の事
・ライバルの事
・環境の事

を知る事だ。

ライバル

このライバルとはつまり採用競合。

そもそも「採用競合」というと、自社と“同業界・同業種”や同程度の会社規模をイメージするのではないか?

それは違う。

営業でもエンジニアでもマーケターでも全ての企業が採用競合になり得る。

ただ、全ての競合を知ることは出来ない。

「自社を受けてくれる人が他に受ける企業」を知ればいい。併願している企業だ。

そんな事は百も承知だろう。

ただ、併願企業を本当に理解出来ているのか?

その情報は何処からとった?
誰から聞いた?
環境は?

まず一番ダメなのは想像で語っている企業。
これはもう論外、絶対に勝てない。
戦う相手が全くわかっていない状態。

例えるならゴールのわからないマラソン。
ペース配分も心理戦もない。
勝てたとしたら運が良かっただけだ。

次は実際に応募してくれた求職者から聞いた場合。これは間違っていないが範囲が狭い。
聞かれる状況を考えて欲しい。
聞いている本人はあなたの会社を受けている。

つまり、あまり併願については話にくい。

「うちはそんな環境にしないようにしてます」
という企業さん。可能性が0とは言いませんが全ては教えてもらえてないですよ?

「併願を言うと選考が不利になる」
そう思っている人は多い。
業界が違う企業はさらに言いにくい。
つまり同業界の併願くらいしか教えてもらえない。

最後はその他の人

・転職が終わっている人
・人材企業の営業
・レコメンド機能つきの転職サービス

つまり自社の採用活動に直接関与はしていない人(もの)だ。回答する事にデメリットが無いのでフラットな意見が拾える。

ライバルはどこなのか?を理解できる。

このライバルは「採用ターゲット」を明確にしてあるとよりシャープになる。


最後は環境だ。

これは嫌という程「採用難」という言葉を聞く事で“理解させられている”ことが多い。

“させられている”ので実際には自分でそう思っているわけではないのがポイントだ。

つまり心の何処かで

「うちはなんとかなる」

と根拠のない自信に満ち溢れているのである。

あえてはっきり言おう
全力でやらないのであれば採用できるわけがない

例外はない。

「うちは他と違う」は幻想だ。

その上で冷静に市場を見なければならない。

他社はどのくらいの年収を出しているのか?
市場に人はいるのか?
具体的にどこにいるのか?
他社は採用できているのか?

実際にどうなのか?
という情報を取りに行く必要がある。

情報は、ネットに出ている内容と出ていない内容がある。網羅的に確認をしたいのであれば、人材系の会社に確認するといいだろう。

ここまで全て揃って初めて利用ツールを考えるべきだ。あくまで手法は武器なのである。

自社HPを使うのか?
求人サイトを使うのか?
エージェントを使うのか?
リファラルで採用するのか?

全てを理解した上で自分の持っているカードで戦わなければならない。

スヌーピー「配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどうゆう意味であれ。」

だが採用は少し違う。
採用ではこのカードは「作れる」のである。

会社は人が入れ替わる。
事業の状態も変わる。

入れ替わるからこそ常に強みは変化していく。
5年前と全く同じ売り上げの会社はないだろう。

会社を成長させつつ強みを作って行くことができるのだ。

“採用しながら”会社の強みを
作っていくのである

これを非常に上手く行っているのはメルカリだ。プロダクトの強さはもちろん、採用の訴求ポイントとして社内にいるメンバーも大きな要因になっている。

「優秀なメンバーと一緒に仕事が出来る」

採用した事が直接採用の強みになっているわかりやすい例だ。

人事制度を変える事はどの企業でも出来る。
意識して採用の強みは作るべきなのである。

これは有名な企業や大企業だけしかできない事ではない。下記は採用の強みを作った企業の一例だ。

==============================
メイプルシステムズ
エンジニアの採用コストは驚異の6万円/人
==============================

Twitter上で社長と人事やメンバー同士がよく会話をしており非常に仲の良い印象を受ける。

Twitterでブランディングしろという話ではない。
これは強みの表現の一種である。


まとめ

自社の魅力を理解する。
これだけで採用は大きく変わる。

理解から始まる「採用」
なんとなく採用は必要ない。

採用は下記を抑えて考えて欲しい。

1:自社の強みをストーリーで捉える
2:採用ターゲットを事業戦略から考える
3:本当の採用競合を理解する
4:環境を理解する

「いい人がいれば採用します」

から卒業しよう。


お終い



おまけ

因みにRPGのゲームに置き換えるとこんな感じ

自社理解 = 職業(勇者とか)+ステータスの把握
採用ターゲット = 倒したいボス
ライバル = 出現する雑魚キャラ
環境 = ステージのギミック(毒の沼があるとか)
採用ツール = 装備




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?