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内之浦宇宙空間観測所のこと

◉ロケット打ち上げ場と言うと、種子島が有名ですが。日本初のロケット打ち上げ基地といえば、鹿児島県肝付町内之浦の宇宙航空研究開発機構・内之浦宇宙空間観測所が、その果たした役割は大きいです。うちの田舎の小学校からも、昼間の打ち上げだと校庭からロケット雲が見えたりしました。今にして思えば、宇宙へのロマンに思いを致すには、とても恵まれた環境でしたけどね。

【60年で412機 日本のロケット開発は内之浦が支えた 千羽鶴、成功祈願…地域も応援】南日本新聞

 肝付町内之浦地区の宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所が2日、開設60年を迎えた。地域とともに歩み、発射失敗をはじめ数々の苦難を乗り越えてきた。打ち上げたロケットは2021年11月までに412機。22年以降も固体燃料ロケット「イプシロン」やその改良型を打ち上げる計画があり、地元との共存共栄が期待される。
(中略)
  60年代後半に打ち上げ失敗が続いたのを機に、地元婦人会が千羽鶴を折り、神社で成功を祈るようになった。元会長の橋本雅子さん(87)=同町南方=は「観測所は内之浦に欠かせない存在。今後も千羽鶴を贈り、応援していく」と話す。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、残念ながら内之浦からの海を望んだ写真ではなく、反対側の錦江湾側の方なのですが。それでも鹿児島の海。

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■ロケット発射を見に行こう■

調べてみたら故郷の小学校から、内之浦宇宙空間観測所まで車で39分ほど、28キロの距離ですから。直線距離だと25 km ぐらいですかね。子供の時はもっと遠い、同じ郡内とはいえ、まさに陸の孤島というイメージだったのですが。小学校3年生の頃には、父親と一緒に早朝の打ち上げの時に、発射場近くの見物場まで行ったこともあります。思ったよりも発車場より遠いなという印象だったのですが、実際に打ち上がると理由がわかりました。

ロケットエンジンから吹き出す炎の閃光、そして数秒遅れて届く轟音、そして震度4から5はあるのではないかと思わせるほどの地響きと揺れ。あれ以上近くでは危険なんですよね。自分が見たのはたぶん、ラムダロケットとかのレベルだと思うのですが。まあ感動したものです。もしもロケットの打ち上げを見る機会があるのならば、観て絶対に損はありませんよ。それぐらい感動します。

■ロケットを見られる環境のありがたさ■

自分の親族には、種子島でしばらく働いていた人もいたのですが。H 2ロケットの打ち上げは本当に、大地を揺るがす感じだったそうです。種子島というのは、九州最高峰の宮之浦岳をもつお隣の屋久島と対照的に、最も高い地点でも300メートルないような平べったい島です。なので、ロケットの打ち上げも結構はっきり見えるそうで。轟音と地響きは、空気をブルブルと震わせ、荘厳ですらあると。

アポロ計画でのサターンロケットとか、実際に見た人は一生物の記憶でしょうね。日本の場合、敗戦によって航空産業は壊滅的な打撃を受け、アメリカも日本の航空産業を復活を警戒したのですが。宇宙開発の方はなぜか、お目こぼしと言うか見逃していた部分があり。結果的に世界的にも早い段階で人工衛星の軌道突入に成功しました。航空産業はホンダジェットは頑張っていますが、三菱の方は苦戦。その意味では宇宙産業の方が、可能性があるのかもしれません。

■人はパンのみにて生きるにあらず■

アメリカではステラモーターズのイーロン・マスク会長が、民間ロケットの開発に力を入れており、これがまた目覚まし成果を出しています。もちろん、潤沢な資金があってこそなのですが。イーロン・マスク会長はアップルのスティーブ・ジョブズCEOの後継者的なイメージで語られることが多いですが。それも納得ですね。単なる商売や産業ではなく、そこには夢や志というものが、感じられますから。

ZOZOTOWN創業者の前澤氏が、どんなにお金を配っても、尊敬を集められない理由でもあります。個人的にはホリエモンこと堀江貴文氏はあまり好きではないのですが、それでも彼の方が、若い頃はベンチャー支援に積極的でしたし、好きなことに対して損得抜きで動いてる感じがします。前澤氏には、そういう部分が全然感じられないんですよね。松本零士先生が宇宙に行ってみたい、というのとは全然違う感じがしちゃって。

■ロケットの町としてこれからも■

鹿児島県には、内之浦と種子島という二つのロケット発射場があり、これは田舎故にとても恵まれたことだと思います。この存在のおかげで、片田舎から宇宙工学などを志して進学する人間が、一定数いるわけですから。田舎には職がなくて、故郷を離れる人間が多いのですが。片田舎に最先端の科学の現場があるというのは、本当にありがたいですね。元々東京大学の研究所から生まれた研究所なので、なかなかに狭き門ですが。

ただまぁ、前言と矛盾するように感じる人もいるかもしれませんが、もうちょっとお子の観光資源を活かしたいところではあります。それぐらい、ロケット発射の瞬間体感動しますから。宇宙科学資料館とかあるんですけどね。自分らが小学校の頃は、家の裏で剣道の大会がある時は、ロケット発射場まで見学に行って、ワクワクしたものですが。田舎なので、冬銀河が本当に美しくて。手に届きそうな星空でした。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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