Windows11はVistaの末裔か?

◉自分はWindowsユーザーとしても20年ぐらいなるんですが、大して詳しくないので。本田雅一氏のこの記事は、WindowsNT系とその後裔の合流に、いかにMicrosoftが苦心してきたか、よく解って便利な記事ですね。

【Windows史に見る"11"の立ち位置。Vistaの末裔なのか?(本田雅一)】Engadget Japanese

先日、Appleは例年の開発者会議で年末までにリリース予定の各種OSの一部を公開、開発者向けにベータ版を配布したが、同時期にMicrosoftがWindowsに関して新しい発表行うことを明らかにしたのはご存知の通り。
その後(本物である可能性が高そうな)Windows 11のインストールイメージが流出し、(最後のWindowsとなる予定だった)Windows 10に後継OSがあると判明して話題になっている。
しかしこのWindows 11、"最後のWindows"として登場したはずのWindows 10を大幅に更新するものになるのかといえば、どうやらそうではなさそうだ。というのも、本来、Windowsのアーキテクチャ(構造)を大きく更新するはずだったWinodows 10Xの開発中止が発表済みだからである。

ある意味で、Windows Vistaは失敗OSという評価だったんですが、それは安いが価値であったWindows系パソコンにあって、ハイスペック(といっても比較的という注釈は付きますが)を求めた点が、問題だったわけですが。

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■Appleを目指すMicrosoft■

この記事を読んで自分が思ったのは、これは再挑戦ではなく、Microsoft社のApple化だと、そう感じました。アメリカではリモートワークの浸透で昨年はパソコンの需要が爆上がりしたのですが、そこで伸びているのがChromebookの需要なんですよね。つまり、安さが売りで一時代を築いたMicrosoft社は、より安いChromebookとChromeboxにシェアを奪われ、このまま行くと早晩、多数派から転落する危険性が高いですね。

であるならば、Windows11は撤退戦のための新OSでしょう。撤退戦で参考になるのは、Appleの戦術。まさにAppleを追い込んだMicrosoftが、追い込まれたApple社の撤退戦の手法を真似るという皮肉。因果は巡る輪廻の輪。では、具体的にはどうするか? 高級機種にカネを出す層、ビジネスでバリバリ使う層、研究などでハイスペックの機種が必要な層への、アピールする方向へのシフト。薄利多売から厚利少売へのシフト。そこしかないでしょうね。あるいは、iPhoneのような全く新しいジャンルの開拓とか。

■危険な賭けとGoogle利用■

ただAppleの場合は、傲慢と言えるやり方でファンを切り捨ててきた部分がありますが、Microsoft社にそれができるのか? たぶん、難しいでしょうし、反発は必至。そこで無視できるかどうか、そこがキモかと。LinuxベースのChromeOSは、たぶんこのままいけば天下を取るでしょうし、そうなったときに大事なのはOSそのものより周辺サービスの充実。幸い、Microsoftは企業や公官庁に強いので、そっちで生き残りを賭けるのが吉。

もうひとつ、もしMicrosoftが自分の妄想のように撤退戦を考えているのなら、Appleに学ぶべきはGoogleを利用すること。Appleも倒産寸前のとき、特許権でMicrosoft社と和解して運営資金を得て、Internet Explorerを標準ブラウザにすることで、更に資金を得て、Microsoft Officeの開発でも蜜月時代を作りと、不倶戴天の敵であったMicrosoftを最大限に利用しました。Microsoft社自体は経営的にはそういう危機状況にはないですが、これは見習うべきかと。

■Microsoft社が対抗すべき2社■

MicrosoftがIBMのような老舗企業を目指すのか、Appleのような業態を目指すのか、それはわかりません。残念ながら、せっかくのゲーム部門活かしきれていませんしね。であるならば、Appleが子会社のClariS社をある程度自由にやらせて、データベースアプリのFileMakerでOS横断のアプリを作ったように。アプリ開発部門・OS開発部門・サービス部門を分けて、ゆるい連帯の上でアプリ開発部門はWindows・Mac・Chromeの各OSを横断する方向で、開発したら良いと思うんですけどね。それも生き残り戦略。

個人的にぜひやってほしいのが、Apple・Google・Microsoftの三巨頭が連帯して、AdobeのPhotoshop・Illustrator・InDesign・Dreamweaverなどに対抗できる、クロスプラットフォームのアプリケーションの開発、でしょうね。もうひとつは、Kindleの一強に対抗できる、電子書籍閲覧のプラットフォームの開発。コレ自体は、iBooksStoreなどとぶつかりますが、提案したらあんがいGoogleもAppleも乗ってきそうな。AdobeとAmazon、この2社がOS開発側としては驚異になりそうな。

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