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読売新聞の与太記事?

◉読売新聞が、新聞の購読者を自画自賛するような記事を書いて、失笑をもらっています。曰く、新聞を読む人は偽情報に気づく確率が5%高かった、と。でも、内容自体が矛盾していて、当初から批判や疑義を喰らっていたのですが。そもそも、情報ソースをちゃんと表示しないのは、マスコミ自身ですからね。この記事自体が、国際大の山口真一准教授とともに3か国の計3000人(15~69歳)を対象に共同で実施した調査自体が、一次ソースを辿れないのですから。

【日本は米・韓より「偽情報にだまされやすい」、事実確認をしない人も多く…読売3000人調査】読売新聞

 デジタル空間の情報との向き合い方を調べるため、読売新聞が日米韓3か国を対象にアンケート調査を実施した結果、米韓に比べ、日本は情報の事実確認をしない人が多く、ネットの仕組みに関する知識も乏しいことがわかった。日本人が偽情報にだまされやすい傾向にある実態が浮かんだ。

 調査は昨年12月、国際大の山口真一准教授(経済学)とともに3か国の計3000人(15~69歳)を対象に共同で実施した。

 情報に接した際、「1次ソース(情報源)を調べる」と回答した人は米国73%、韓国57%に対し、日本は41%だった。「情報がいつ発信されたかを確認する」と答えた人も米国74%、韓国73%だったが、日本は54%にとどまった。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■何かを誤魔化す読売新聞?■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。普通に考えれば、1次ソース(情報源)をちゃん調べない・権威を鵜呑みにする文化は、新聞やテレビを中心とした旧メディアが育んだ文化です。だから、ネット黎明期には「新聞に書いてあった」と反論する人に「新聞を疑え」と反論する姿が、しばしば見られたわけですが。その主たる新聞読者層が騙されにくいとか、矛盾していますよね。

恐らくは、第三者が調査すれば新聞を読む人は、SNS で情報収集する人よりも、騙されやすいと思いますよ? それは、過去の調査でもその傾向は明確ですし。何より、読売新聞の記事中に騙されにくいのは「複数メディアから多様な情報を取得している人」と明言していますね。たぶん、本来はコチラが騙されにくい人の特徴であって、新聞を読んでる人云々は、強引な後付けか条件に誤魔化しがある可能性も。

複数のメディアから情報を取る人と新聞を読む人は、矛盾はしませんが。新聞を読むから偽情報に騙されにくくなるというのは、因果律的に矛盾していますね。新聞を信じていないからこそ、裏を取るために複数の情報ソースに当たるわけで。上記記事の調査でも明らかのように、偏った情報に飛びつくのは右でも左でも、極端な意見を持つ人、はっきり言えば極右と極左であって。

■新聞も読む・新聞だけ読む人■

おそらくは、「新聞だけを読む人」と「新聞も読む人(=ネットなど複数の情報源を当たる人)」とで顕著な差が出てしまい、結果的に新聞を読む人は騙されやすいという推測が成り立つ数字が出てしまったため、「新聞も読む人」を新聞を読む人にスライドさせて「新聞だけを読む人とは言ってないから、嘘はついていないも〜ん」ではないかと、邪推します。この記事については、『事実を整える』の調査が秀逸。

「あの事件の資料、どっかにまとまってないかなぁ…」と思って検索すると、たいがい『事実を整える』に行き着くことが多いのですが。今回も、丁寧に情報源を検証されていますね。ハッキリ言えば、日本最大の部数を未だに維持する読売新聞と比較しても、こちらの方がよほど、お金を払ってでも読む価値がある内容です。新聞・テレビ・ラジオ・雑誌の、一方通行の旧メディアの凋落は、良質な個人のブログに負けているという現実──。

それが認められないから「ネットではこんなデタラメな情報が!」と、藁人形論法に走るのですが。そもそもソース主義は、それこそ2ちゃんねる 黎明期の頃から、ネットでは顕著に見られ。日韓交流掲示板のエンジョイコリアでは、お気持ち至上主義の韓国ネット民が、資料をソース付きで出す日本側に、連戦連敗だったようで。今、コミュニティノートを喰らいまくる大手マスコミは、20年遅れなんですよね。時代に取り残されすぎ。

■エビデンス? ねーよンなもん■

革新系の代表的新聞である朝日新聞の、編集委員だか論説委員だかが口走った言葉ですが。これが外れき言葉ではなく、。おそらく、自分たちは理屈を超えたところで真理を見抜く直感があるという、ある種の自負が言わせた言葉でしょうけれど。自分に言わせれば「直感? オマエラにはね〜よ、ンなセンス」と。ただの試験問題を解くのが上手かっただけの、二流のインテリであって。スティーブ・ジョブズのような慧眼があるはずも無し。

「大事なのは数字と事実だけだ。耳障りのいい形容詞に騙されるな。嘘か本当か、調べればすぐ分かる。」

これは、田中角栄の名言ですが。自分がマスコミの、文学青年崩れのような気色悪い文章をしばしば批判するのは、まさに数字と事実=エビデンスを軽視し、耳障りの良い形容詞で読者を騙そうとするからです。でも、2022年10月のイーロン・マスクのTwitter買収と、数々の改革断行によって、双方向性メディアであるSNSで、劇的な革命が起きました。ファーストインパクトが閲覧数の可視化で、セカンドインパクトがコミュニティノートでした。

結果、毎日新聞や東京新聞を筆頭に、朝日も読売も産経も日経も、次々とコミュニティノート砲の餌食に。今までは一方通行のメディアと権威主義で、異論反論を無視してきたのに、「王様は全裸だ!」と、公衆の面前で言ってきたも同然。しかも、子供ではなく協力者に情報源付きで。さらに言えば協力者同士の審査をくぐり抜け、しかも日頃から中立な意見の評価が一定数に達しないとダメという、数による力押しが通用しないシステムの上に、公表されていますから。

■20年遅れのリスタート■

当初は「ネトウヨの仕業!」と、これまたエビデンスもなく喚いていましたが。残念、日本でコミュニティノート砲を一番食らっているのは、保守速報という極右サイトのアカウントです。ちなみに、2番目は原口一博立憲民主党議員です。自分たちが党派性丸出しで是々非がないから、コミュニティノートも同じだと思ったのでしょうけれど。それって、心理学で言う〝投影〟ってやつですね。

新聞という、すっかり黄昏のオールドメディアは、インターネットの時代は、ただの1コンテンツに、転落しつつあります。日本人の、権威主義で騙されやすい国民性の上に、成立してきた新聞文化が終焉を迎えようとしつつあります。行き止まるための方策は2つ。右にも左にもいる、極端な意見の10%に迎合した、ニッチな紙面作りをするか。これは東京新聞が実践していますが、とてもうまくいってるようには見えません。

もうひとつは、党派性を捨て・是々非々で・エビデンスに基づき・科学を大切にし・事実に向き合い・現実と理想を混同せず・和田春樹東京大学名誉教授や上野千鶴子東京大学名誉教授などの珍論にはnoを突きつける。マスメディアとして、当たり前のことを当たり前にやる、それだけです。取材班をきちんと組んで特集主義で、書籍化しても売れるような取材内容の深さと濃さが必要。無理でしょうけれども。


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