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タイガー・ジェット・シンさんに旭日双光章

◉正確にはTiger Jeet Singh、タイガー・ジート・シンのほうが原音に近いそうですが。自分らの世代はジェット・シンがシックリきます。ある意味でアントニオ猪木さんにとって、最も手が合うレスラーでしたし、解りやすい悪役レスラーで地方会場は連日満員で、1972年に設立された新日本プロレスにとっては、1973年に初来日して初期の苦境を救ってくれた、恩人でもある名レスラーです。

【タイガー・ジェット・シンが受章 「プロレスファンへの栄誉」】livedoorニュース

 政府は2024年春の叙勲受章者を29日付で発表し、元プロレスラーのタイガー・ジェット・シン(本名・ジャグジット・シン・ハンス)さんには、旭日双光章が贈られる。ターバン姿でサーベルを振り下ろし、「インドの狂虎」の異名を持つ悪役レスラーとして、日本プロレス界で故アントニオ猪木さんの最大のライバルと言われた。旭日双光章の知らせに「日本の全てのプロレスファンに与えられた栄誉だ」と喜んだ。

https://news.livedoor.com/article/detail/26315794/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■インドの狂える虎■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。インドの狂虎ですが、ターバンを巻いていて、これは戒律上の義務で着用が義務づけられているシーク教徒の、服装なんですよね。シーク教徒はヒンディー教徒が多数派のインドでは少数派ですが、信徒数は約2400万人と、さすがに世界一の人口の国だと少数派でも凄い数です。当時はそんな情報もなく、インド人なのにムスリム(イスラム教徒)のようなターバンを巻いてるのは変だと思われていましたし。タイガーの割に得意技はコブラクローにコブラシザースと、タイガーじゃねぇじゃんと突っ込まれたり。

でも、ジャイアント馬場さんの師匠でもある、フレッド・アトキンスに師事して、正統派レスリングも出来る実力派。猪木さんにブレーンバスターを決め、NWFのベルトを奪取したことも。体格も猪木さんに近く、手が合う相手だったのは確かでしょう。同時に、無名のレスラーをトップ選手に育てるという、新日本プロレスの基本方針も、シン氏によって確立しました。スタン・ハンセンやハルク・ホーガン、幾多の選手が新日本プロレスで猪木さんのプロレスを吸収し、大物になっていきました。そういう意味でも、新日本プロレスのスタイルに与えた影響は大きいです。

倍賞美津子さんと買物途中だった猪木さんを襲撃した『新宿伊勢丹前襲撃事件』などを起こしましたが。猪木さんはこの件で、新宿署に怒られたそうですが。実際は、地元カナダではベビーフェイスで、実業家としても成功。ヒールをやるのは人格者じゃないとダメですからね。だって、みんなが嫌がる仕事、ハッキリ言えば負け役を引き受けてくれてるんですから。また、試合をコントロールするのも、ヒールのことが多いようで。そういう意味では、ジェット・シン氏は完璧に役割を演じていて。小学生の自分には、本物の狂人に見えて、怖かったです。

■実は子煩悩な紳士■

せっかくですし、こんな良いエピソードも、ご紹介。

タイガージェットシンが旭日双光章を受賞!
やっぱりいい人だったんだ!!
受賞おめでとうございます㊗
#味のプロレス

https://x.com/buchosen/status/1784832880507789719

画像も転載を。

https://x.com/buchosen/status/1784832880507789719

レスラーの息子には厳しいですが、それもまた親子レスラーのギミックか? 実際、長期の遠征も多かったシン氏、自宅では子煩悩だったようで。

■昭和プロレス語り■

さて、いちプロレスファンとしては、ブッチャー引き抜きから、シン氏の全日本プロレス移籍、スタン・ハンセンの移籍と、思い出深いです。結果的に、ブッチャーも全日本プロレスに戻り、あれは猪木さんと新日本プロレスの悪手だったと、今では思います。当時は、ハルク・ホーガンもエースに育ち、アンドレやマードックなど外国人選手も充実し、何よりタイガーマスクの大ブームで、長州×藤波の、名勝負数え歌。新日本の絶頂期だったので、目立ちませんでしたが。その後、アントンハイセル問題にタイガー離脱、UWF設立、維新軍離脱と、一気にガタガタに。

それを考えると、新日凋落の予感は、シン氏の離脱から。全日本プロレスでh、上田馬之助氏と組んでのヒールでしたが、正直影は薄かったですね。スタン・ハンセンやロードウォリアーズがメインで、体格的に、小さくはないけれど大柄ではないシン氏は、ジャイアント馬場さんとの対戦をあまり多くなく、目立てませんでしたし。新日本プロレスに再参戦して、やはり新日本の水があってるなと。その後は、インディーズ団体に参戦し、知名度を生かした活躍をされ。時代の流れを先読みするクレバーさが、シン氏の最大の武器かも知れません。

「日本の全てのプロレスファンに与えられた栄誉だ」

こちらこそ、ありがとうございましたと、言いたいです。猪木さんは鬼籍に入られましたが、シン氏にはもっと長生きされて、昭和プロレスを思い出す縁になっていただきたいです。


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