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芸術分野の不均衡?

◉表現の現場調査団なる団体が、芸術分野の教育機関や賞の審査員・受賞者の男女比率を調査し、批判しているようです。記事によれば「メンバーの深田晃司監督は「集団創作や長時間労働などの過酷な労働環境が常態化し、女性のキャリアが途絶えがちになる」と指摘する」……って、またおまえか! 映画界の女性監督の著しい不均衡を棚に上げて、何を言ってるんでしょうか、この平田〝他業種を見下し暴言吐きまくり〟オリザ氏の弟子は。

【美大学生は7割女性なのに教授は8割男性 芸術分野で著しい不均衡】毎日新聞

 美術家や映画監督らでつくる「表現の現場調査団」が24日、美術や映画、文芸など芸術分野の教育機関や賞の審査員・受賞者の男女比率を調査した「ジェンダーバランス白書2022」を公表した。東京芸大などの美大では学生の7割が女性である一方、教授は8割が男性、美術館で開催される個展や購入作品数も8割を男性が占めるなど、機会やキャリア形成において著しく不均衡である実態が浮かび上がった。「審査員の男女比を同数にすることから始めてほしい」と呼びかけている。【高橋咲子】

https://mainichi.jp/articles/20220824/k00/00m/040/220000c

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラスト。

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■映画界の男女不均衡は?■

深田監督の問題点は、過去のnoteでも指摘しましたが。日本の映画界って、女性監督の割合はわずか12%で、10億円を超える興行収入を叩き出した監督は、昨年はゼロ、一人もいないんですよね。32作品が10億円を超えたのに。自分の業界の頭の蝿も追えないのに、他者を糾弾するな……とは言いませんよ。批判は批判として、あっていいと思いますしね。でもこの方、女性の才能を馬鹿にしなかった漫画界が、『鬼滅の刃』という大ヒット作品を生み出し、劇場版アニメも大ヒットした時、同作のヒットは日本の映画館を救わなかったと妄言を吐いた河村光庸プロデューサー同様、鬼滅のヒットがアメリカなら独禁法に抵触するとか映画の多様性を云々と言った御仁ですよね。

流石に批判が多く、謝罪はしたようですが、自分は該当記事を知りません。なのに、こりてないですねぇ~。映画芸術はアニメを年間ランキングから外していますから、実写映画がアニメを嫌ってるのはあからさま。さらに彼ら、日本版CNCを設立しようと動いてるんですが、わずか6.6%32本の作品が邦画の全興行収入の約70%を占めてる状態で、32本中19本がアニメか漫画原作で、50億円以上のヒット3作品が全部アニメの状況で、バカにしているアニメの売上を自分たちのオナニーのために寄越せとか、恥ずかしくないのか。まずは、93.4%の売れなかった作品を、売れるようにする努力が先だろうと思うのですが……。

■Twitterの各種正論■

馬鹿にしているアニメの上前をハネようって映画界に、自浄作用は期待できませんが。さらに記事を読み進めると「調査に協力した評論家の荻上チキさんは」って、いつものメンバーですね。そのうち深田監督、TBSラジオでレギュラーになったりして。ライムスター宇多丸氏の番組の、映画のコーナーとか。もう聞いてないので、どうでもいいですが。小人閑居して不善を為す、という言葉が頭に浮かびますね。それでは、Twitterでの意見をば、以下に。

もう、正論ですわ。国民皆兵で徴兵制度のある永世中立国スイスでは、女性の徴兵も検討に上がっているようですが。男女平等を言うなら、そっちでしょうね。教授とか講師とか、ホワイトカラーの世間的にイメージがいい職業や地位では、不均衡が~とか言い募って、騒ぎ立てる。まぁ、そのうち批判する予定だったとか、言い訳するのでしょうけれど。そして、頭髪差別主義者もへもへ氏のTweetへのリプライも、正論の嵐。『愛の嵐』はリリアーナ・カヴァーニ監督。

もうネットの集合知で、こういう左派マスコミと連帯した言説は、容易に突っ込まれて笑いものになってるんですが。凝りませんねぇ(2度目)。

■『鬼滅の刃』への当てこすり?■

読み勧めていくと、記事の中には、こんな一節が。要するにこのコラムを持ち出すのは、『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴先生のことを、間接的に当てこすってるんですかね? なにしろ深田晃司監督、鬼滅の刃絡みで批判されていますから。吾峠呼世晴も私達と同じ被害者よと、そういいたいんでしょうか? バカバカしいですね、だったら「男もすなる日記といふものを女もしてみむとするなり」と書いた紀貫之と『土佐日記』も、批判するんですかね? 男性だけど女性っぽいペンネームや絵柄の人とか、いますけどね。

 漫画分野では、メディア芸術祭漫画部門の新人賞で男女以外の「その他」が44%を占めるなど、近年活動を始めた作家ほど性別の公表に慎重なことが推察できる結果に。漫画家の坂井恵理さんは白書のコラムで、男性名や性別不明のペンネームを用いる女性作家について「自身の性別を特定したくないという理由の他にも、読者が描き手の性別によって評価を変えることがあるのも一因だろう」と記している。

同上

他者のコラムを引用して代弁させるなよ、それこそ表現の現場調査団で調査しろと思いますね。そこは、人それぞれでしょうね。いちおうこれでも、出版社に10年勤務して、なんだかんだで出版業界との付き合いは30年以上の人間ですから。作家のペンネームとか、それぞれ思いがあって付けてるのであって。性的マイノリティーで男性的・女性的ペンネームを付けてる人も知っていますから、憶測で物を言ってるんじゃねぇよと。もちろん、正直に答えてくれるか、わかりませんけどね。漫画を貶める目的だって、薄々気づくでしょうから。

■邦画の惨状とアニメと漫画■

この記事を読んでいて思ったのが、「ひょっとして失速したオンライン・セーフティー・フォー・シスターズの焼き直しですか?」という部分。けっきょくアレも、オンラインハラスメントに対しての普遍的・包括的な活動ではなく、しかも底の浅さからあっという間に批判を受けて、活動も失速。左派としては、こういう活動をして寄付金を集めたり活動資金を得る、あるいはお仲間同士の団体で金を還流させる手法ではないかと、AV新報での各種騒ぎを見るに、邪推してしまいます。こりませんねぇ(3度目)。日本の邦画界は、ビット作の収益が偏った状況なのに、何をやってるんだと思いますね。活動は自由ですが。

・2021年公開の邦画490本(前年506本)
・邦画の興行収入は1283億3900万円
・興収10億円以上32本(前年21本)
・32作品中19作品がアニメか漫画原作
・32作品の興収総計は898億9000万円
・32作品6.6%で全興収の約70%を占める
・興収50億円超えの作品は3本で全部アニメ
 シン・エヴァンゲリオン劇場版(102.8億円)
 名探偵コナン 緋色の弾丸(76.5億円)
 竜とそばかすの姫(66億円)
・3作品で全興収の約19%を占める

こういう低打率を放置しておいて、他業種のことをどうこういう暇があるんですかね? 映画芸術が、アニメを年間人気ランキングから外すようなマネをしてる状況を放置しておいて、日本版CNC設立とか、悪い冗談です。オマエらを差別するが、オマエらが作った皮革製品は使わせてもらうぞという、同和差別と同じじゃないですか。日本版CNCで集めた金の配分とか、誰がどう決めるんでしょうか? 内容と成果の判断は? 権力構造と利権になるだけでしょうに。だったら、邦画の実写映画部門は実写映画部門で、そこの黒字を使ってください、アニメはアニメで分配しますのでと言われたら、どうするんですかね。

漫画界は女性漫画家の比率が高く、アニメも部署によっては女性スタッフが多いとか。美大で一時期教えていた身としては、才能ある生徒はデビューして身を立て中退とか、普通にあります。安倍吉俊先生とかデビューしたけど仕事がなくて大学院進学とか、事情はイロイロ。大学院の進学時の男女比率とか、そっちも調べてよとは思いますね。職業として食べていく覚悟とか、そこは男女に関係なく、人それぞれですから。映画界の女性差別を解明すれば、他の分野の問題もわかるんじゃないでしょうかね。知らんけど。

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