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副業という言葉の「イメージの悪さ」を考える。

政府が推奨したり企業が推奨したりというのもあって「副業」という言葉が珍しくなくなってきた。「稼げる副業・稼げない副業」みたいな見出しの記事が週刊誌やら経済・エンタメ雑誌に出ていることも多い。
実際、ネットを駆使することにより昔では不可能だった副業(遠隔対応など)も増えて、「やっている人はやっている」状態だと思う。

ただ副業と一口に言っても、その内容は多岐にわたる。不動産投資をする人もいれば趣味を活かしたカメラ、ライティング、雑貨制作などもあるし、オークションへの出品も定期的にやってれば副業みたいなものだ。実際にそういうものをほとんどやったことがないので(ライティング仕事で少しだけある程度)、実際に安定するものなのか、あくまで趣味の延長程度でお金は二の次なのか実態まではよくわからない。副業が成功して正業になった人もいるだろうけど。

にも拘わらず、最近は「副業」の文字がちらつくだけでうさんくさいな、と思ってしまうようになっている。その理由はネット上の「なお@幸せ副業アドバイザー」「しゅう@スキルアップ副業コンサル」みたいな詐欺誘導アカウントの多さである。LINEでやりとりするだけで月50万だとか、Xで1日5分ポストするだけで月100万が勝手に入ってくるだとか、残高写真アップして「今月は7桁」だとか、一つ見つけると羽虫のようにゾゾゾゾゾと出てくる。
試しにXででも「副業」と検索してみていただきたい。あっという間にそれ系のアカウントが出てくるであろう。本当に普通の副業をしているだけの人もいると思うのだが、それらをかき消すほどにうさんくさいアカウントが跳梁跋扈している。
これは、主な情報源がXばかりだからそう感じるのであろうか。InstagramなどほかのSNSではどうなのかは謎。

ちなみに何個か見てみただけで、こういったアカウントには驚くほど共通点がある。詐欺アカウントマニュアルみたいなものがあるのか、みんなマネしあってるのか、はたまた実質運用してるところが同じなのか。以前もこういうものの共通点について書いた気がするが、改めて。

●名前は「シンプル@謎の肩書」が多い
上の方にも書いたが名前は「ゆうじ」「まり」「かおり」「はやと」など普通にシンプルな名前が多く、その後に「副業キャリアアップ指導」「収入自動化マイスター」「前向き人生アドバイザー」みたいなことがくっついてくる。これも一つの型なのかもしれない。(肩書はありそうなものを適当に書いているだけ)

●誘導ポスト以外では、やたらとポジティブ発言
毎回誘導するよりも説得力があるという判断か、ちらほら通常ポストが挟んであるのだが、どっかで見たようなポジティブ感がちりばめられている。「自分らしく生きる」「時間から解放される」「一度きりの人生」とか、そんなの。なんかの自己啓発本からパクってきてんのかな?という感じの文言が多い。

●「ゼロ→イチ」という表現が多い
きっかけというか発火点というか、新しい何かを生み出すことを「ゼロ→イチ」というが、その表現がやたらと使われる。多分、副業をそう形容したらなんか「新しいこと始めてる感」があるからであろう。内容は手あかのつきまくった「メルカリ転売指南」だったりして何がゼロ→イチなのかわからん、とかよくある話。

●枕詞がデカい
「控えめに言って最強」「心の底から言いたい」「これが次世代の稼ぎかた」といった感じでやたらと最初の言葉が強い。金配り詐欺アカウントが「堪忍袋の緒が切れました」とかから始めるのと一緒である。「最初の一言で興味を引け!そこで9割が離脱する!」みたいなセミナーでもやってんじゃないかと予想する。

まあそんな感じだ。ちなみに個人的には副業に興味はある。ただ「それなりの安定収入を得ようと思ったらかなりの時間や労力を割く必要があるだろうな」と思うのであんまり踏み込めていない。
少し前にNHKの「ねほりんぱほりん」でアフィリエイターが出ていたが、高収入ではあるものの内容としてはかなり厳しかった。
「コンサル受けてとにかく毎日やれと言われた」「1ヶ月で1000件の記事をアップ」「サービスや商品を片っ端から推薦するが、自分では使用してない」「SNSで女性を装って興味を引く」「アカウント停止させられないギリギリのラインで性的なポストをする」などなど、バラエティとして上手に処理されてはいたが、内容としてはマネしたいとは全く思わないようなものであった。
正直、ギリギリで捕まらないだけというか。

こういう感じで良心を殺してる人たちだと、詐欺アカウント運用にも罪悪感がなさそうではあるなあ。気を付けたいし、いいねする代わりに100万円くらいほしい(死)。


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