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M-1グランプリ2023 審査員について

書きかけて放置しているうちにうっかり年も明けてしまった。
去年、いや一昨年も書いていた審査員についての記事。
今回は立川志らくが卒業し海原ともこが新たな審査員となった。男女バランスとしてもよくなったかと思う。よく考えたら女性芸人の「THE W」ですら今回は友近しか女性審査員がいないのだなぁ。調べてみると一番最初はなぜか吉田沙保里や新川優愛が審査員だったり、次の年は一般審査員だけだったり、清水ミチコやハイヒールリンゴがいる年もあったりと色々試行錯誤しているようだが、M-1の話からズレてくるのでここまで。


●山田邦子
最高得点98点(さや香) 最低得点87点(シシガシラ・モグライダー)

前回は審査員初舞台ということで台風の目であったが、今回は得点的にも上下動が激しすぎるということもなく、いわゆる審査員らしい感じだった。と思ったら「98点つけるなんて場を崩しすぎ」みたいな声もあるみたいで大変だ。12年目で初決勝のマユリカやヤーレンズに「12年間何してたの?」と声をかけたのは「もっと早く売れてもいいはず」というエールだと思うが、とにかく最後の「さや香の2本目ぜんぜん面白くなかった」という爆弾発言で全てをさらっていった印象。まああれも優しさか。笑いがわかってないとか空気読まないとかでなく、あれこそ真に「山田邦子」だったということではないか。……という書き方をするとなんとなく事情通ぽい。


●博多大吉(博多華丸・大吉)
最高得点95点(真空ジェシカ) 最低得点87点(くらげ)

前回から2回目の審査員。理論立てて足りなかったところや良かったところを説明できるところがウケがよい印象。というところから考えると漫才の完成度が高いコンビが好みなのかと思いきや、独自の世界観をぶつけてくる真空ジェシカに最高得点というのが意外。あと歌ネタやシステムネタなどの枠組みが決まっている感じのものになかなか厳しい。後日、本人がラジオで語った内容によると80点を基準としてそこから項目別にプラスしていたとのこと。100点満点のはずなのに最初から80点確定なのかという声も見たが、実際今の決勝で80点を下回るような出来はないと思う。


●富澤たけし(サンドウィッチマン)
最高得点97点(ヤーレンズ) 最低得点88点(カベポスター)

カベポスターに「噛んだのが面白かったので1点プラス」といったボケをかました一面もありつつ、全体的にノーマルかつ納得感のあるコメント。うちの妻は「富澤の審査が一番納得感ある」と言っていた。自分もカベポスターの評価以外は近い。基本的にあんまり厳しいコメントをしない印象だが、実際サンドウィッチマンは二人とも優しいイメージがつきすぎているので急に辛口だとびっくりされるという窮屈さもありそうだ。


●塙宣之(ナイツ)
最高得点93点(令和ロマン、さや香、ヤーレンズ) 最低得点89点(カベポスター)

冒頭から炎上ネタで恐縮とともに登場。しかし松本や今田にイジられたことでかえって救われたのではないだろうか。真空ジェシカに「もっとぶっ飛んでほしい」というような要望を出したり、去年のヨネダ2000が大好きだったり、本当に枠外に外れたようなものにワクワク(シャレでなく)するのだろうなという印象。途中急に内海桂子のモノマネを挟んできたときにはどうしたんだと思ったが…あれはあれで歌ネタの評価が低くなりがちな空気を和らげようとしたのか、ふざけたかっただけなのか。ちなみに決勝に進んだ3組全員に同じ最高得点。


●海原ともこ(海原やすよ・ともこ)
最高得点96点(さや香、ヤーレンズ) 最低得点89点(くらげ)

今回初審査員。あんまり関西の事情に詳しくないので「前田耕陽の奥さん」というイメージが強かったが実は結構なレジェンド。かなり前評判が高かったし、特に叩くような声も見なかった。ただ全体的におとなしかったので初の審査らしき緊張はかなりあったのだろう。カベポスターが最後のオチを噛んだことに触れて「私は全然気にしない」と声をかけたのは優しかった。


●中川家礼二(中川家)
最高得点94点(令和ロマン、ヤーレンズ) 最低得点89点(ダンビ
ラムーチョ) 

テンポのいいボケ連発の漫才に高評価、というイメージ。大吉と同じく意外と歌ネタに厳しいが、その理由が「作るのがカンタン」と言っていて、面白い面白くないだけでなくそういうのもあるのか、と思った。まあ歌詞と言うベースがあるからそれを部分部分変えていくだけで形になるという意味ではハードルが低いのかなー。やはりこういう「本職ならでは」の見方が審査員の醍醐味である。


●松本人志(ダウンタウン)
最高得点93点(ヤーレンズ) 最低得点86点(くらげ)

最初の令和ロマンに90点をつけたことで、かなり窮屈になってしまったような印象。令和ロマンを超えたか超えていないかでつけていったので例年より80点台が多かったようだ。真空ジェシカにそこそこ高得点をつけたが「敗退かぁ…」と感慨深げに語っていて、真空ジェシカからは「松本さんもああ言ってることですし」と乗っかられていたが、実際にはもちろんそんな権限はない。
ていうかこの記事も昨年末に書きかけてうっかり放置しているうちに松本人志関連が慌ただしくなってきた。あちこちから違う情報が出てくるので何ともコメントはできないが、どう収まるにしても禍根は残すなあ。

ということでここまで。例の問題が今年のM-1に影響を及ぼすのかどうか、現時点ではわからないが、どう転んだにしてもここまで膨れ上がったM-1をやらないという選択肢はなさそうだ。そういう意味では一番ABCテレビが気にしてるかもしれんな。

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