仕事はとても楽しくて、約1時間あっという間に終わる。

ちょっと飽きた頃に腕時計を見ると、ぼちぼち最後の曲だ。決まっているわけではないが、ラストソングはサードのオリジナルではなくて、この曲をフルパワーで演奏することが多い。

https://www.youtube.com/watch?v=gKS2hDkq89g


そして、ダルヴィッシュの登場!そう、サードの披露宴営業はタンヌーラ付きなのだ。回るのは団の最年少、アブダッラー君(15歳)。まだあどけなさは残るが、浅黒くて精悍な顔の好少年である。さすがに大人の世界で揉まれているだけあって、そこらへんのガキとは一味違う。最後は少年の回すちょっと小さめのタンヌーラと、上からスポッと被るだけのガラベイヤとバチもんのトルコ帽、ひん曲がったアサヤを持った25人のファヌーン(ダンサーズ)がフルパワーで踊って大団円。パチもんではあるが、これだけの人が揃って踊ると壮観なもので、運動量も多くみんな終わって汗だくである。
たぶん衣装とか洗濯しないよね?そういうことがふとよぎると、私は「ここは一緒に踊りたくないな〜」と思いながら演奏だけに打ち込んでいる。


さて仕事は楽だと書いたが、大変な事もある。
現時点でできてないことは、慣れれば大丈夫そうなことがほとんどなのだが、何が大変かというと音である。爆音。
確かにスピーカーから出る音も大音量なのだが、これは直に前に立たなければ回避できる。問題はドフなのだ。
メンバーの持つドフ、演奏時は横に並ぶと小柄な私の丁度顔あたりに来る。で、ライブ中これ4、5台に取り囲まれると大変なことになる。屈強の大男たちがフルパワーで叩くパンパンに張った40cmのドフの音は、耳がツッぽげるをすでに通り越して、体の中に突き刺さって腹から背中に通り抜けていくのだ。仕事が終わって帰ってからも耳鳴りがする。
しかし、最近すこぶる体の調子がいい。もしかしたら体にいいのだろうか?続ければなんか結果が出るかもしれない。
私くらいになると、仕事が楽なのをいいことに、自分の五体を使っての人体実験も毎日欠かさないのだ。

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